テトたちのにっきちょう

テト・ペンタ・ヘキサの3人組によるゆるふわ系ブログ

MENU

【超平和バスターズ】あの花・空青の聖地を自転車で巡りキャンプする旅【聖地巡礼】

 こんにちは。テトです。

 

 今回は、超平和バスターズ秩父三部作のうちの『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』『空の青さを知る人よ』の聖地巡礼として秩父に行ってきたのでその話を書きたいと思います。

 

【登場人物】

テト:当記事の筆者。初心者に毛が生えたサイクラー(チャリダー)。最も好きな映画の一つとして『心が叫びたがってるんだ。』を挙げる超平和バスターズファン。(なのに最近あの花を初めて観た)

知人D:テトの友人。一緒に大洗聖地巡礼キャンプをしたりラブライブ!フェスに行ったりしている。高校の時に自転車にハマり、テトはそれに影響を受けて自転車を購入した。

 

※検温や消毒などを行い、現地の感染対策に従って旅行しております。

※この記事は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』ならびに『空の青さを知る人よ』の軽微なネタバレを含みます。

 

この記事を読んで分かること

  • 『あの花』を約4時間で自転車聖地巡礼をする際の鉄板ルート
  • 巴川オートキャンプ場のバンガロー宿泊の様子
  • にぐるまやダイニング 吉田店のわらじカツ丼の美味しさ
  • 2016年と2021年の旧秩父橋の写真
  • iPhone7PlusとiPhone12のカメラ性能の差

 

基本情報

にぐるまやダイニング 吉田店

所在地:埼玉県秩父市吉田久長32 道の駅 龍勢会館

営業時間:
 平日…11:00~14:30(L.O.14:00)
 土日…11:00~15:00(L.O.14:30)

定休日:火曜日

 

巴川オートキャンプ場

所在地:埼玉県秩父市下影森2222-4

チェックイン時間・予約方法などは公式HP

tomoegawa-camp.com

 

武甲温泉

所在地:埼玉県秩父郡横瀬町横瀬4628−3

営業時間:10:00〜22:00

入館料などは公式HP

www.buko-onsen.co.jp

 

 

前日譚

 緊急事態宣言も明け新型コロナ感染状況が落ち着きつつある2021年11月、旧来の友人であり年に数回はキャンプに行くキャンプ仲間である知人Dと、真冬が来る前に滑り込みキャンプをすることになりました。

 

秩父聖地巡礼サイクリングするのはどう?

それめっちゃいい!

 

 ということで、知人Dの提案を即決して行先は秩父に決まりました。

 (というのも、数か月前にソロで行こうと思っていたんですが当時プライベートがちょうど忙しくなり断念したという裏話があります。)

 

 そして、冬季でも開いている秩父のキャンプ場として「巴川オートキャンプ場」を見つけました。自転車を積んでいくし冬ということでテント泊ではなくバンガローで泊まることに決めました。

 

 そうと決まれば、やらなければならないことがあります。

 

 そう、聖地巡礼の予習です。

 

 テトは超平和バスターズ秩父三部作のうち『心が叫びたがってるんだ。』『空の青さを知る人よ』は履修済みですが、肝心の第一作『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を履修していないということで、今回聖地巡礼に行く前にテレビアニメ全11話・劇場版をdアニメストアにて一気見しました。

 

 5回は泣きました。

 

 初めて鑑賞するということで、じっくり見ていたらいつの間にかのめりこんで登場人物と共に涙を流し、その涙が乾かないうちにまた次の感動シーンで涙が頬を伝うという目頭の水全部抜く大作戦かよ状態口の中が常時しょっぱい日々が数日続きました

 

 ストーリー的にはよくある男女の幼馴染グループの三角関係やそれに伴う"罪"の認識で、そういえば自分も昔そんなような物語を書いたなあという感じだったのですが、登場人物への感情移入のさせ方がすごすぎて、それに伴って感動シーンで登場人物が涙を流すと見ている自分の目からも自然と涙が溢れてくるんですよね。なんだろう、疲れてるのかな??? そう思うくらいに涙が堰を切って溢れ止まりませんでした。

 

 その後、ここさけや空青の復習も欠かさずに行い、計10回泣きました

 旅行前日に鏡を見ると、目を真っ赤に腫らしている自分がいて思わず笑ってしまいました。

 

 そんな中、キャンプの準備を終えて、当日を迎えました。

 

 

当日

車で秩父

 7時半、知人Dの車に乗せてもらい、自転車を積載し秩父へ出発しました。

 道中は知人Dの復習がてら『空の青さを知る人よ』をdアニメストアiPadに映して音声を聴いていました。

 移動中に映画が観られるの、マジでdアニメストアは神

 

 特に空青は現時点で今年の12/31 18:00までの期間限定配信みたいで、このタイミングで観られてよかったです。

 

やっぱり、好きな映画とアーティスト同士がタイアップしたあいみょんの『空の青さを知る人よ』と『』は、自分の中で特別だわ。

 

 10時過ぎ、ちょうど映画が終わって少ししたタイミングで、秩父に到着

 

 

道の駅ちちぶからサイクリング

 道の駅ちちぶで自転車を下ろして、そこから聖地巡礼サイクリングをすることにしました。

f:id:tetragon64:20211130091514j:plain

 いい天気!

 

 

 これが今回のルートです。(多少の差異があります)

 

 まずは秩父駅に向かいます。

 

秩父駅

f:id:tetragon64:20211130093148j:plain

 到着!

f:id:tetragon64:20211130093206j:plain

 劇場版で仁太がめんま弟に蒸しパンを渡すシーンですね。

 

 続いて、龍勢櫓を目指します。

 

f:id:tetragon64:20211130094506j:plain

 

 新秩父橋から旧秩父橋を眺める。旧秩父橋は帰り道に通ります。

 

f:id:tetragon64:20211130094848j:plain

 

 絶景かな!

 

f:id:tetragon64:20211130095340j:plain

 

 セブンイレブン秩父太田店で休憩をはさみつつ……

 

f:id:tetragon64:20211130100042j:plain

 

 見えてきた目的地。

 

龍勢

f:id:tetragon64:20211130095513j:plain

 龍勢櫓に到着!

f:id:tetragon64:20211130095716j:plain

f:id:tetragon64:20211130095728j:plain

 アニメを観ていると開けた原っぱにどーんとあると勘違いしてしまいますが、山の急斜面の中にあって転ぶと大変そう。

 

f:id:tetragon64:20211130100428j:plain

 

 一緒に撮るとスケール感がわかる!

 

f:id:tetragon64:20211130100715j:plain

 

 なんか、本当に空まで届いてしまいそうだなぁ。

 

f:id:tetragon64:20211130100911j:plain

 

 毎年10月にここから「龍勢」が打ち上げられているんですね。

 

 ここで今回の聖地巡礼ルートは折り返し地点なわけですが、時刻は12時前。向かい風やアップダウンに苦戦しながらもそれなりのスピードで漕いで15km弱の道のりを1時間半で来ました。

 

龍勢櫓の聖地巡礼車かバス推奨ってネットに書いてあったけど、自転車で来ちゃった♡

 

 確かにあの花の聖地の中でここだけ遠くに位置していて、アップダウンも激しく大変でしたが、自分にとっては久しくロードバイクに乗っていなかったこともあっていいリハビリになりました。知人Dのペースにもなんとか合わせられるくらいの成長も感じられてよかった。

 ちょっとぐらいの遠い聖地なら残さずに全部巡ってやる……ということができるのもロードバイク聖地巡礼のなせる業ですね。

 

道の駅 龍勢会館

f:id:tetragon64:20211130103040j:plain

 少し戻ったところに道の駅があります。

 

f:id:tetragon64:20211130103131j:plain

 

 龍勢櫓で花火を打ち上げるシーンを掲示した自販機。

 

f:id:tetragon64:20211130103249j:plain

 ここに併設されている「にぐるまやダイニング 吉田店」にて昼食をとることにしました。

 

f:id:tetragon64:20211130103416j:plain

 どれも美味しそうでめちゃくちゃ悩む……悩んだ末、わらじカツ丼と味噌ポテトのセットを頼みました。

 知人Dは豚みそ丼と味噌ポテトのセット。

 

 セルフ形式で番号札を預かりつつ、しばし待つと……

 

f:id:tetragon64:20211130103648j:plain

 

 キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

f:id:tetragon64:20211130103951j:plain

 

 わらじカツが2枚乗っていて、タレがご飯にまでかかっています!

 

 お味は……

 

 

 ウマい!!!

 

 薄く伸ばされたトンカツに甘いタレが染みに染み込んでいて、ご飯がめちゃくちゃ進みます! こりゃあ秩父名物に相応しい……

 

f:id:tetragon64:20211130104424j:plain

 

 みそポテトのほうは……

 

 これも旨い……!!!

 

 味噌でここまで美味しいのを久々に食べたって感じで、揚げられたポテトの上に甘く濃厚な味噌が乗っているこの食べ物は、デザートとしてもいけるくらいの魔性のスイーツと化していました

 

f:id:tetragon64:20211130104755j:plain

 

 豚みそ丼も美味しそうでした…!

 

 腹ごしらえを終えたところで、また出発していきます。

 

f:id:tetragon64:20211130132429j:plain

 

 行きには向かい風だったのも、帰りは追い風になって、ペダルがめちゃくちゃ軽く進みます!

 

めっちゃ楽なんだけどw

 

 やはり、自転車は向かい風か追い風かでかなり辛さや道中の印象が変わる乗り物だと再確認しました。

 

秩父

f:id:tetragon64:20211130132938j:plain

 着きました、あの花最大の聖地ともいえる秩父

 工事中の看板が立っていましたが、休工中ともなっていました。運良し男か?

 

f:id:tetragon64:20211130133327j:plain

 

 これがあの花のアイキャッチに一番近いポイントかな?(なぜ座り込んで撮ったのか今の僕には理解できない)

 

f:id:tetragon64:20211130134014j:plain

 

 そしてここは空青の聖地でもあり、冒頭であおいがこのベンチに座ってベースを弾くシーンから始まります。なんか今にも蘇ってくる

 

f:id:tetragon64:20211130134602j:plain

 

 さらに、旧秩父橋の脇には反対側の新秩父橋とをつなぐ階段があり、ここは劇場版あの花のアイキャッチになっています。

 

f:id:tetragon64:20211130134839j:plain

 

f:id:tetragon64:20211130134938j:plain

 

 さらに、あの花サウンドウォークなる旗も立っていました。

 

f:id:tetragon64:20211130135039j:plain

 

 光り輝く荒川。

 

f:id:tetragon64:20211130135218j:plain

f:id:tetragon64:20211130135225j:plain

f:id:tetragon64:20211130135237j:plain

f:id:tetragon64:20211130135244j:plain

f:id:tetragon64:20211130135316j:plain

 

いや~旧秩父橋、感動した! やっぱり聖地だわ!

 

 ……な~んて言ってますが、実はテト、5年以上前にここに来ていることを思い出しました。

 

f:id:tetragon64:20211130140135j:plain

f:id:tetragon64:20211130140141j:plain

f:id:tetragon64:20211130140150j:plain

2016年5月の旧秩父橋の様子

 あの花を観た友達と一緒に来たんですよね。この時は空青も放映されておらず、テトはここさけしか知らなかったので「いいところだな~」ぐらいにしか思ってなかったのですが、予期せずあの花の聖地巡礼をしていたという。

 5年越しの再訪、いや~、エモすぎてエモンガになった

 

……てか、あれからもう5年も経ってるってショックのほうが大きいんだが……

 

 ブログ設立前の聖地巡礼写真が日の目を浴びたところで、聖地巡礼ルートもいよいよ大詰め。

 

定林寺

f:id:tetragon64:20211130141332j:plain

 今回の聖地巡礼ラストは定林寺

f:id:tetragon64:20211130141354j:plain

f:id:tetragon64:20211130141401j:plain

 劇場版でぽっぽが隠れたところだ~。

 

f:id:tetragon64:20211130141432j:plain

f:id:tetragon64:20211130141439j:plain

f:id:tetragon64:20211130141446j:plain

 う~ん、そのままだなぁ。

 

f:id:tetragon64:20211130141853j:plain

 

 いくら小学生のかくれんぼでもこのお堂の中に隠れるじんたんの勇気はすごい。

 

f:id:tetragon64:20211130141947j:plain

f:id:tetragon64:20211130141954j:plain

 痛絵馬もびっしり。

 

 ……ってか。

 

f:id:tetragon64:20211130142046j:plain

2016年5月の定林寺の様子

 

ここも5年前に来てんじゃん!

 

 ここで道の駅 ちちぶに戻り、自転車聖地巡礼はおしまい。

 14時20分くらいだったので、お昼も合わせて4時間ぐらいで、秩父駅龍勢櫓・旧秩父橋・定林寺の聖地を巡る30kmの旅を完走することができました。

 途中、お昼を挟んだり少し道に迷ったりはしましたが、半日以下の時間で主要地をうまく巡ることができたのではと思います。

 ママチャリで龍勢櫓を目指すのはかなりの覚悟が必要そうですが、体力に自信のある方・ロードバイクなどの自転車で巡る方は挑んでみてもいいかもしれません。

 

巴川オートキャンプ場にチェックイン

 さて、巴川オートキャンプ場の冬季期間のバンガローのチェックイン時間は15時までなので、少し急いで向かいます。

 冬季以外は17時までなんですけどね。なので、もう少し余裕を持って聖地巡礼できると思います。

 

f:id:tetragon64:20211130145049j:plain

 

 ということで着いた!

 

バンゴルー!!!(フィニファ見てた人しか伝わらんネタやめれ)

 

f:id:tetragon64:20211130145553j:plain

f:id:tetragon64:20211130145600j:plain

f:id:tetragon64:20211130145607j:plain

 

 暖房完備……これで今夜の命は担保されたといってもいい……

 

 荷下ろしもそこそこに、温泉に向かいます。

 

武甲温泉

f:id:tetragon64:20211130145745j:plain

 

 来ました。武甲温泉です。

 入館料は900円。ここで汗とともに旅の疲れを流します。

 

 やはり、自転車旅の後に入る温泉は格別ですね。

 

 1時間ほど癒され、上がりました。

 

ベルク 秩父影森店

f:id:tetragon64:20211130150409j:plain

 秋の日は釣瓶落としとはよく言ったものですが、17時半でもうあたりは完全に真っ暗。周囲に山がある影響も大きく、日の光がすぐに全くなくなってしまいました。

 

 ここで買い出しをしました。

 

巴川オートキャンプ場

 バンガロー前へ戻り、夕飯の準備を始めます。

 

f:id:tetragon64:20211130150711j:plain

 

f:id:tetragon64:20211130150821j:plain

 

 肉を焼いていきます!

 

 この後は本当にお酒が進み、本当に宴った。なので写真は撮っていない。(職務放棄)

 

f:id:tetragon64:20211130151039j:plain

 

上司が日本酒をよく飲むから、それに合わせて飲んでたらいつの間にか好きになってたんだよね。

 

 と知人Dが言うので、ご当地の日本酒「秩父」を一緒に楽しみました。

 ちなみに、この時既に体感では氷点下ぐらい寒かったので、外に置いていても雪冷えレベルの冷酒になっていました。

 テトは日本酒の飲み方は断然熱燗で、冷酒は少々苦手なので抑えて飲んでいましたが、知人Dがハイペースで進んでいて結局この晩で飲み切りました

 

 ふと空を見上げると星がめちゃくちゃ綺麗でした。これも冬キャンの醍醐味。

 

f:id:tetragon64:20211130152323j:plain

iPhone 12で撮影

 

iPhone 12に変えて、星空も撮れるようになった!

おぉ! 凄い。どれどれ、俺も撮ってみるか……スマートフォンの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを、教えてやる!

 

f:id:tetragon64:20211130152657j:plain

iPhone 7 Plusで撮影

 

…………。

 

 7 Plusを現役で使っているおじいちゃんは胸の奥にでも星空をしまっておきましょうね。

 

 そんなこんなで夜は更け、寒すぎてバンガローにすごすごと戻り眠りにつきました……。

 

 翌朝は7時に目が覚め、バンガローから出ました。

 

f:id:tetragon64:20211130153249j:plain

 

 歯ブラシケースに霜がびっしりついてやがる……。

 

 水タンクの中の水の表面にも氷が張っていて、氷点下の寒さを象徴していました。

 

f:id:tetragon64:20211130153426j:plain

 

 8時前になっても、山の稜線をなぞる太陽。

 

f:id:tetragon64:20211130153538j:plain

 

f:id:tetragon64:20211130153619j:plain

 

 知人Dはチリトマト、テトはカレーヌードルを食べました。久しぶりに食べるカレーヌードルうま~。

 

f:id:tetragon64:20211130153730j:plain

 

 朝食を終えてゆっくりしていると小鳥がやってきました。後で調べてみるとハクセキレイ? なんか初めて見る鳥かも。

 

 バンガローのチェックアウトは11時。10時過ぎには撤収を終え、チェックアウトして秩父に別れを告げます

 

 帰りはここさけを観ながら帰りました。やっぱり成瀬順可愛いなぁ~。

 

 そうして自宅へ着き、お開きとなりました。

 

 

感想

 ということで、あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』『空の青さを知る人よ』の聖地巡礼サイクリングからのバンガロー冬キャンプの旅でした。

 あの花は誰もが認める号泣アニメということで、感情が爆発した予習までが大変でしたが、その熱冷めやらぬうちに聖地巡礼をして、改めて超平和バスターズ作品が大好きだと確信しました。

 秩父の雰囲気もめちゃくちゃ好きです。今回は主要地を巡る旅でしたが、今度細部にわたって聖地巡礼する旅に行ってみようと思っています。

 

 キャンプは、今回シーズン滑り込みでのものとなり、次は来年またシーズンになったらということで、待ち遠しいです。

 

 また次に秩父に来たら、その様子も記事にしたいと思います。

 

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

 

 

今回かかった金額

内容 金額(円)
巴川オートキャンプ場でのバンガロー宿泊 9100
薪(中) 600
買い出し,ガソリン,高速料金など 14000
共益費合計 23700
→1人あたり 11850
にぐるまやダイニング 1000
武甲温泉 900
1人あたり合計 13750

 

 

(テト)

テトたちが道志の森キャンプ場で2泊3日キャンプしてみた

こんにちは。ヘキサです。

 

昨年のテトたちキャンプinふもとっぱらからおよそ1年、またまたテトたちでキャンプをしてきました!

 

毎年恒例の行事になる勢いですね。

 

今回の舞台は道志の森キャンプ場ということで、またもやキャンパーの聖地と言われる場所であり、広くて有名なキャンプ場です。

 

今回は、アウトドアで風通しが良い空間ではありますが、手洗いやマスクの着用など、感染症防止対策を念入りにした上でキャンプに臨んでいることをご了承ください。

 

【登場人物】

テト

当ブログのリーダー。何をやっても受け入れてくれる優男。最終日の片付けで余った調味料をテトのクーラーボックスに全て放り込んだが、ちゃんと持って帰ってくれた。

 

ペンタ

当ブログのライター。都合により2日目から参戦。器用で料理経験があるので、3日目の朝ごはんを作る有能。笑顔で全てを受け入れてくれる仏。

 

ヘキサ

当記事の筆者。久しぶりのキャンプでテンションが上がり、ペグ打ちの時に慣れない石を使っていたのだが、思いっきり振りかぶった石が中指に直撃し、全治2週間くらいかかった怪我を負った。

 

アニキ

当ブログの準レギュラー。YouTube最強の時代となった今でもニコニコ動画を愛してやまないニコ動古参勢。「アップロードに10年かかった動画」というタグが最近のお気に入りらしい。

続きを読む

新千歳~函館ロングライドソロキャン最終日【函館観光編】

  なんだか窓の外が明るいな……と思って目を覚ます。

 そうだ、ここはホテルだった、と現実を理解する。

 

 ふと、時計を見ると、午前7時を示していた。

 

 「寝坊した……。」

 

 急いで着替えて、顔を洗うのもほどほどにホテルのカギを持ってドアを開ける。

 

 

函館の朝

 清々しいほどの晴れでした。適度に涼しく、心地よかった。

 

f:id:tetragon64:20200926142219j:plain

 道中、函館駅があったのでパシャリ。

 ラブライブ!サンシャイン!!劇中では函館編最初に出てくる場所ですね。

 

f:id:tetragon64:20200926142539j:plain

 そんな函館駅を通り過ぎ、数分で市場の飲食街に。

 今日の朝ごはん、どれも目移りしてしまいますが、私はある店に行くと決めていました。

 

 その名も「きくよ食堂」(写真撮り忘れてしまった……)

 

 席に案内されると、テーブルに函館ゆかりのものシリーズが紹介されていました。

 

f:id:tetragon64:20200926144254j:plain

 あれ? 武豊って京都生まれ栗東育ちじゃなかったっけ? と思いましたが、後で調べてみると先祖が函館だったそうです。

 

 5分ほど待つと、運ばれてきました。

 

f:id:tetragon64:20200926144440j:plain

 うわあああああ!!! これだこれだ!!!!

 

 これが、今回の旅の1番の目的! 「いくらを食べる」!!

 

 もう、感無量で、ゆっくりじっくりと味わいながら食べました。

 それでももう、感覚としてはあっという間に、なくなってしまいました。いくらって罪な食べ物だよなぁ……

 

 旅の目的を果たせて満足し、店を後にしました。

 

 

五稜郭タワー

 いったんホテルに戻り、今度は自転車に乗ってでかけます。ここから15分ほど自転車を走らせると行ける位置にある「五稜郭タワー」を目指します。

 ホテルに荷物を置き、ほぼスマホと財布だけ持った状態で朝の函館を走る。すごく気持ちいい。

 

 函館市街地を走り到着。さっそくチケットを買い、上がります。

 

f:id:tetragon64:20200926145229j:plain

 まずは五稜郭を上から。外枠ぴったりに市街地が張り付いている感じが、歴史と開発の境目を感じられていいですね。

 

f:id:tetragon64:20200927181000j:plain

 ここがあれですね、果南がリタイヤした高所恐怖症スポット。

 「全然平気平気」(個人的には本当に平気)

 

f:id:tetragon64:20200926150211j:plain

 そして、ずら丸が食べていたことで御馴染みのソフトクリームが。

 買う予定はなかったのですが、なぜか聖地に来ると「買っちゃう?」って思ってしまうんですよね。北海道メロンミックスをチョイス。

 

f:id:tetragon64:20200926150511j:plain

 映え。

 

 ソフトクリームを食べながらタワーを下り、そのまま再びホテルへと帰りました。

 

 

Saint Snowが育った地

 9時半にホテルテトラ函館駅前をチェックアウト。一泊のみの滞在でしたが、すごく良かったです。函館に来るときはまた利用したい。

 

f:id:tetragon64:20200926150942j:plain

 函館山麓の坂はタイル敷きになっているところが多く、坂もありますが自転車は走りやすくなっています。自転車での函館観光、本当にオススメ。

 さて……見えてきました……。

 

f:id:tetragon64:20200926151223j:plain

 AqoursのライバルであるSaint Snowの鹿角姉妹が通う高校「函館聖泉女子高等学院」のモデルとなった「函館西高等学校」。

 長い長い八幡坂の上にある高校。

 

f:id:tetragon64:20200926151912j:plain

 振り返ってみると、延々と続く下り坂に、海が。聖地ということのみならず、函館有数の写真スポットらしいですね。平日の朝にも関わらず、観光のタクシーがたくさん停まったりと賑わっていました。

 

f:id:tetragon64:20200926152153j:plain

f:id:tetragon64:20200927085932j:plain

 劇中ではカットインで出てきた聖ヨハネ教会。たぶん冬になれば木の葉も落ちてよくわかる……はず。

f:id:tetragon64:20200926152316j:plain

f:id:tetragon64:20200927090127j:plain

f:id:tetragon64:20200927090145j:plain

f:id:tetragon64:20200927090156j:plain

 

 石畳の坂が映えるすごくテンション上がる場所。

 

 

菊泉

 さて、ラブライブ!サンシャイン!!函館聖地の中でも最重要と言ってもいい、喫茶・菊泉に赴きましょうか。

 先ほどの函館西高校前からほどなく歩いて到着。

 

f:id:tetragon64:20200927090658j:plain

 あれ? 雰囲気が少しおかしいぞ?

 

 望遠鏡で覗いてみよう!(ぐ~チョコランタン)(世代限定ネタやめろ)

 

f:id:tetragon64:20200927091235j:plain

 デデドン!(絶望)

 

 不覚……一生の不覚……!

 

 皆さん、平日旅行は定休日を確認しましょうね……(当たり前)

 まぁ、だからといって、今回の日程ではどうすることもできませんでしたが。

 

 

旧函館区公会堂

 気を取り直して、次の「旧函館区公会堂」へ。

 

f:id:tetragon64:20200927101049j:plain

 おぉ……これが……

 

f:id:tetragon64:20200927101119j:plain

 ……ん?

 

f:id:tetragon64:20200927101150j:plain

 絶賛工事中。

 

 これは来る前から知っていました。しかし……なんていうタイミングで聖地巡礼してるんでしょうね。昨日の赤レンガの工事といい……。

 

f:id:tetragon64:20200927101339j:plain

 工事が終わったら入ってみたいですね。

 

f:id:tetragon64:20200927101528j:plain

 この旧函館区公会堂の前には広場があり、階段が連なっています。そう、これが……

 

f:id:tetragon64:20200927101629j:plain


劇場版 挿入歌シングル第3弾「Believe again/Brightest Melody/Over The Next Rainbow」CM

 

 これがかの有名な「Believe againの階段」です。

 

f:id:tetragon64:20200927101943j:plain

f:id:tetragon64:20200927101947j:plain

 階段とスロープが重なった、すごくオシャレな階段ですよね。

 

 そして、個人的にすごく行きたかったスポットに行きました。住宅街の狭い道を潜り抜け……

 

f:id:tetragon64:20200927102440j:plain

 ここが「船見児童公園」。住宅地のど真ん中にある小さな公園です。
 1年生組と理亞さんが訪れたことであまりにも有名。

 この写真の反対側はすぐ住宅。
 平日ということもあり、住民を含めて人の気配が全くなく、歩いたときの砂利を踏む音が異様に目立ってしまうので、写真数枚だけ撮ってすぐに去りました。

 他地域からの巡礼者は余所者なので、迷惑になる前に帰りましょう。

 

 

西波止場前

 そして、ここが特に訪れたかった場所Part.2。第8話で黒澤姉妹が話す、涙なしには見られないシーン。

 

f:id:tetragon64:20200927103504j:plain

 この右には、あの座っていたベンチや東屋が……

 

f:id:tetragon64:20200927103615j:plain

f:id:tetragon64:20200927103626j:plain

 ……ない。

 

 ……まぁ、知っていましたけど。(ホクロをかきながら)

 

 ここも、2021年春頃まで護岸工事のために閉鎖中。割と雰囲気が変わるような情報をどこかで見たことがあるので、ベンチなども無くなってしまうかもしれませんね。

 

 

ラッキーピエロ ベイエリア本店

f:id:tetragon64:20200927104806j:plain

 続いて、こちらも聖地として有名な「ラッキーピエロ ベイエリア本店」へ。

 

f:id:tetragon64:20200927104906j:plain

f:id:tetragon64:20200927104927j:plain

 早速お店に入ります。
 初めて入るお店って、入った瞬間に「注文してから席座るのか、席座ってから注文なのか」とか、席の確保とかスタッフの案内とか、瞬時に把握しないといけないから脳の処理をフル回転させなくちゃいけない気持ちわかります?
 それに加えて今回は絶対座りたい席があるので、そこがなんとか空いていることを祈るのみ……。

 

 結果。

 

f:id:tetragon64:20200927105841j:plain

 無事座れました!

 


【試聴動画】「てくてくAqours in 函館(後編)」(TVアニメ2期Blu-ray第6巻特装限定版映像特典)

 

 この席はてくてくaqoursで1,2年生組のキャストが座っていた席……同じ席だ~~~!!

 

f:id:tetragon64:20200927110832j:plain

 注文したのはラキポテとホットコーヒー。ポテトにチーズやソースが絡まってすごく美味しいし、コーヒーも身に染みる。

 菊泉に入れなかったぶん巻いたので、ふかふかのソファに腰を下ろしながら1時間ほどゆっくりしていました。空席待ちの人が出始めたら出ようと思っていましたが幸いいなかったので、ゆっくりとコーヒーを味わってから、12時になり帰ることにしました。

 

 

新函館北斗駅まで戻る

 ラッキーピエロを出て、駐輪していた自転車に足をかけました。自宅までは新幹線に乗って帰るので、新函館北斗駅に向かわねばなりません。

 昨日荷物を預けにいったん訪れた新函館北斗駅。24時間限定のロッカーで預けたのは昨日14時過ぎなので、ここから20km離れた新函館北斗駅に2時間で到着すればいい、割と余裕がありました。

 函館に別れを告げ、自転車を走らせます。

 

f:id:tetragon64:20200927112400j:plain

 途中「長万部まで107km」の標識が見えました。今更ながら、その距離の強烈さに驚かされます。そんな旅も、あともう少し。

 

 淡々と自転車を漕いでいきますが、駅まであと5kmとなったところで、昨日痛めてから若干のなりを潜めていた左足膝の痛みが、段々と大きくなってきました。ペダルを漕ぐために左足を伸ばすと痛む。
 最後はもう、今までにないくらいヘロヘロに速度を落としながら、やっとの思いで、新函館北斗駅に到着しました。

 

 自転車を駐輪場にいったん置き、ロッカーで昨日預けたテントなど荷物を取り出します。

 

f:id:tetragon64:20200927113158j:plain

 カウントアップされた経過時間は「23:10」を示していました。50分ほどの余裕を持ってゴールイン。

 

 さて。

 ロッカーにある荷物をいったん取りに来なければならないために13時過ぎに駅まで来ましたが、帰りの新幹線の時刻は18時。まだ時間はあります。
 しかし、また自転車に乗って観光に出るだけの丁度いい場所もなければ体力もない。どうにかしてこの駅で時間をつぶせないかと調べていると、駅の隣のホテル・ラ・ジェント・プラザ函館北斗で日帰り入浴ができるそうなので、早速旅の疲れをいやすことに。

 

f:id:tetragon64:20200927113903j:plain

 受付を済ませ入ってみると、誰もおらず貸し切り状態。

 

f:id:tetragon64:20200927113950j:plain

 入ってから1時間ほどは貸し切りで、その後他の人が入ってきてからも入り続け、旅の思い出を振り返りながら露天風呂を出たり入ったりし、計2時間半入浴しました。個人的入浴最長記録だと思う。

 

 完全にさっぱりしたあと、駅に戻ってお土産を購入し、自転車を輪行袋に入れ、駅構内に入りました。

 

 

新幹線・帰宅

f:id:tetragon64:20200927115113j:plain

 新幹線「はやぶさ」に乗り帰ります。

 

f:id:tetragon64:20200927115257j:plain

 さようなら、北海道。また来るよ!

 

f:id:tetragon64:20200927115328j:plain

 帰りに駅弁と日本酒を買いました。またまたいくらです。

 

f:id:tetragon64:20200927115412j:plain

 めちゃくちゃ美味そう。美味しかったです。

 

 こうして、新千歳空港に降り立ち、白老、長万部とソロキャンプをし、函館までロングライドをし聖地巡礼・観光をした旅は終わりを迎えました……。

 

 

エンディング


嶌 大河 / 自転車旅のテーマ ~新千歳―函館ロングライドMV風~

 

 ということで、今回の旅をイメージして作った曲『自転車旅のテーマ』をYouTubeで公開してみました!!
 今回の旅の動画をまとめたMV風振り返り動画になってます。

 

 

 YouTube以外にもSpotifyApple Music、LINE MUSIC、AWA等々……様々なところで聴くことができます!

 今回初めてストリーミング配信ということで、お試しで作った曲ですが、このようにエンディング曲として楽しむほかにも、1日目~3日目の記事を振り返りながら聴くもよし、ブログ旅行記事と並行して楽しんでもらえたら幸いです。

 

 

費用

 今回、この旅にかかった金額は……

・交通費

成田→新千歳 10,000円
登別→長万部 2,100円
新函館北斗→大宮 19,900円

・宿泊費

白老ポロトの森キャンプ場 400円
長万部公園 500円
ホテルテトラ函館駅前 3,200円

・観光費

登別マリンパークニクス 2,500円
函館山ロープウェイ往復 1,500円
五稜郭タワー 900円
丸金旅館 長万部温泉 500円
ホテル・ラ・ジェント・プラザ函館北斗 日帰り入浴 500円

・食費・諸経費

1日目 4,000円
2日目 2,500円
3日目 3,000円
4日目 2,400円

合計 53,900円

 

 

感想

 ということで、4日間に及んだ「新千歳~函館ロングライドソロキャン」の様子を記してきました。

 感想としては、まず、ロングライド初心者ながら、1日目・3日目を完走で終えることができ、4日目無事に帰ることができたのは上々の出来だったんじゃないかなと思います! 特に、テントを背負ってのロングライドということで、自らに厳しい環境をなぜか課したり、また雨に降られながらということも多くあったので、それらを乗り越えたことで自信がつきました。
 2日目リタイアしてしまったことが心残りなので、いつか絶対にリベンジしたいです。

 ブログ連載記事としては、もっと早くに連載完結できたのではないかと反省しきりです。
 現在(2020/9/27)から1年近く前の旅(2019/10某日)ということもあって、特に2日目と3日目の間に長い長い間隔が空いてしまったことは反省です。

 次こそは! 旅行したらすぐに記事を書く! ということで!!!

 

f:id:tetragon64:20200927180119j:plain

近日公開!

 北海道ロングライド旅、新シリーズ連載決定!!!

 

 またまた北海道に行ってきたので、そのもようを近日連載開始したいと思います。

 今回の舞台は札幌! そこを拠点に、小樽や苫小牧まで自転車を走らせます。その目的とは? 無事に走破することができるのか?

 

 お楽しみに!


 

 終わり。

 

今までの新千歳~函館ロングライドソロキャンシリーズはこちら

tetragon64.hatenablog.jp


新千歳~函館ロングライドソロキャン3日目【函館到達!?編】

 はち切れんばかりのリュックサックをベンチに下ろすと、まるで身体が宙に浮いてしまうようにすら感じた。

 時刻は正午。頭上にはこれでもかというほどの青空が広がっていて、眩いほどの日差しが降り注いでいた。

 

 この日、いや、この旅一番の正念場を前にして、最後の休憩を取る。

 

 我に翼を授けてくれ、とでもいうようにエナジードリンクをあおった。

 高低差200mの坂。それはまるで壁のようにそびえ立つ。不思議な自信と得体の知れない恐怖が、胸の内で交錯していた……。

 

 

 

 

 午前4時。まだ外は暗闇で、テントがはじく雨音だけが響く。

 

 ロングライド3日目。函館への道のりの最終章がその幕を上げようとしていた。

 

 

 約1時間おきに寝ては起き、寝ては起きの繰り返しでした。風雨の音と、なんといっても寒さが熟睡を妨げていました。雨漏りはしていないのですがテントの床はなんとなく湿っていて、シュラフの中でもその冷たさが貫いてきていました。どこでも眠れることに定評があるさすがの私もずっと眠ることは困難でした。

 気温は8℃。昨日の白老では最低でも16℃を超えていたからまるで環境が違う。風雨も相まって、さすがの北海道、無事には帰らせてくれないぞという感じ。

 

 4時半に起きるつもりで、早く起きてしまったその20分ほどの睡眠を悔やむほど睡眠が足りていなかったのですが、シュラフに再び入ってもそう簡単には眠れる気がしなかったので仕方なく起きることに。

 


Vlog形式で撮ってみました(照)

 

 唐突の動画。実験的に作ってみました。今後ももしかしたら動画を作ってアップしていくかもしれないので、もしご興味があればチャンネル登録、よろしくお願いします。(1回言ってみたかった)

 

www.youtube.com

 

 朝食はおにぎり3つ。昨日のようにいちいち朝食も作っている時間がないことはわかっていたので、テントの中でサクッと済ませる。

 

 にしても、雨がやまない。まったく散々なロングライドだ。旅行前日の予定では2日目に半日しか雨は降らない予報のはずだったのに、1日目にも3日目にも侵食して私の旅を妨害するなんて。まったくツイてない。ただ、雨脚は着実に衰えていった。歯を磨きに外に出た5時半、薄明るくなって小雨が降っていた。

 

f:id:tetragon64:20200111215644j:plain
f:id:tetragon64:20200111215659j:plain
f:id:tetragon64:20200111215711j:plain
f:id:tetragon64:20200111215722j:plain

 

 それにしても、長万部公園、ここもすごくいいキャンプ場だった。テニスコートも併設されている公園で、管理が行き届いていた。シーズンオフでなければ人気なんだろうな。また来たいですね。

 

 テントに戻り、余裕を持って5足持ってきたにもかかわらず最後となった靴下を履く。テントを撤収し、いざ出陣。

 

f:id:tetragon64:20200717064300j:plain

 

壮絶な最終決戦

  昨夜から続いていた風は留まることを知らず、木々を揺らすほどの強さで吹いていた……それに加えて、霧雨程度だった雨も段々と強くなっていった。自転車乗りにとって最悪なコンディションだった。

 長万部の町並みを抜け、国道5号に出た。ここから函館までずっとこの道を通っていく。長い長い一本道。

 

 ドライバーの為に用意されただだっ広い駐車場がある食事処も段々と姿を消し、見渡せば見渡すほど怖くなるような草原があたりを覆い尽くすようになっていた。人間の手がつかずただ道だけ引かれた、自生するままにされたそれはまるで海のようで、何の気なしに足を突っ込んだら二度と這い上がってこれないかのようにすら感じた。そんな中やっと見つけた水産工場の前で自転車を止め小休憩する。

 風がボー、ボーと鼓膜を鳴らし、雨がしたたり瞳を濡らす。ふと傍らの水たまりをみると、風で水面が波立っている。過酷にも程があるロングライド最終日だった。

 散々に思えた昨日よりも環境は悪かった。しかし、今日は昨日よりも幾分か心を強く持っていて、折れずにすんでいた。心は沈みも浮きもせず、ただ淡々と自転車に足をかけた。

 

f:id:tetragon64:20200717064340j:plain

 

Blowin' in the Wind

 私の自転車の脇を幾度も大きなトラックが通る。そのたびに風にあおられ、ハンドルをきっちりと持っていないとバランスを崩しそうになる。そんな風雨とトラック通過の板挟み。それでもなんとか逸れることもなく耐えていて、立ちゴケなんてよっぽどのことがない限りないなと感じました。そういえば私の先輩にバイク乗りでよく立ちゴケしてる人いるな、全然立ちゴケしないわ~と思っていました。

 しかし、フラグが立つとはまさにこういうことを言うのでしょう、立ちゴケのことを考えてからものの5分と立たず、人生初の立ちゴケ(?)を経験しました。それも、追い抜いていくトラックの風ではなく、反対車線を猛スピードで通り過ぎて行ったスポーツカーの風でコケました。通り過ぎた瞬間に発生した風が、それに乗った雨とともにたたきつけられて、草原へとダイブしました。まさか反対車線からの風にこんなにあおられると思ってなかった油断もあるかもしれません。しかし、幸いにも車線側に膨れ上がることもなく、通行車両もなく、ただひっそりと一人で草原へダイブし、這い上がりました。

 これ、人に見られたら絶対恥ずかしい。

 誰にも見られなかったのはせめてもの救いだなと思いながら、再びペダルに足をかけました。

 

 自転車乗りにとってありがたかったのは、この国道5号線、路肩が広かったことです。ただ、水たまりができているところも多くあったので、車が往来しているときはそこを通らざるを得ず、なかなかに怖い思いをしました。晴れていたらかなり快適に走れるんだろうなと思いつつ、進んでいきます。

 

 

しんとした町

  やがて町が見えてきて、私はここでトイレも兼ねて休憩をすることにしました。黒岩駅という駅名が見える。

f:id:tetragon64:20200716082638j:plain

 午前8時、まだ郵便局などは閉まっていて住んでいる人を見かけない。住宅地や広い公園などあるものの、しんとした表情が私を奮い立たせました。

 

f:id:tetragon64:20200717064420j:plain

 

再びの……

 せっせとペダルを漕いでいくと、カラーコーンなどがそこらに置いている道にさしかかりました。何かの工事が中断されているということは一目でわかったのですが、まさか路肩と本線とで段差があるとは思いもしませんでした。路肩が一段高くなっていて、それを知らずに本線から路肩側に少し傾けたところで段差にホイールを擦らせてしまいました。自転車で一番やっちゃいけないパターン。あえなく道路の外にダイブ。

 再びのコケとなりましたが、道路の外側にコケるという感覚を身につけられたのは良かったかなと思います()

 

 防雪柵を横目にひたすらペダルを漕いでいく。ウインドブレーカーには雨水が染み、風が靡いている。滴ってくる顔を何度も拭う。

 そうしているうちに、段々と空が明るくなってきた。雨も小降りになってきた。遠くに見えてきたとある街とともに、希望がうっすらと見えてきた……。

 

 

内浦

  やがて栄えている街に出ました。八雲町というところらしい。住宅街を見ると安心する。セイコーマート八雲東雲店にて休憩することにしました。

 買い物をして店の外に出ると、駐輪していた自分の自転車が倒れているほどの強風でした。しかし同時に、雨がやんでいることに気づきました。天気予報を見るとこれ以降は雨は降らないと考えてよさそう。「雨が降らないのは本当にありがたい……」そう思いながら、午前9時を回ったころ、温かいスナックチキンを頬張りました。

 

 朝6時から出発した今日のロングライド、雨もあってすごく長く感じ、疲れていました。もうちょっとだけここで休憩していたいと思っていましたが、突風に次ぐ突風が私の体に突き刺さり、寒くなって思わず出発しました。

 出発してほどなく、ある地名の看板が見えてきました。それが……

f:id:tetragon64:20200718083256j:plain

 う、内浦!?!??

 

 ここが、あの内浦なのか……?

 

 もしかしてこのどこかに浦の星女がk(

 

 もしかしてうちっch(

 

 Saint Snow聖地巡礼しに来たのに、ここによもやAqoursの聖地があったとは!(違う)

 

 奇しくもこの時ランダム再生で流れていた曲は『未来の僕らは知ってるよ』でした。

 

 選曲神なのでは????

 そして聴こえてくるラスサビ前の間奏。

 僕は、持っている力の限り、こう叫んだ。

 

 I Live, I Live Long Ride Days!

 

 ペダルを回す足はぐんぐんとスピードを上げていく。空はいつか晴れるから。それと同じく、私の心も晴れていった。

 

f:id:tetragon64:20200718085200j:plain

 

ゾーン突入

 八雲の町並みを抜けてほどなく、海がすぐ間近まで見える道になりました。

f:id:tetragon64:20200718090032j:plain

 やっぱり海が見えるのはモチベーションが上がるし、雨が降ってないだけでこんなに晴れやかになるとは!

 

 どんどん進んでいく。厚く覆っていた雲にも晴れ間が見えてくる。

 

f:id:tetragon64:20200718090626j:plain
f:id:tetragon64:20200718090617j:plain
f:id:tetragon64:20200718090545j:plain
f:id:tetragon64:20200718090536j:plain

 丘を上がったところに待避所があり、そこで写真を撮る頃には太陽が雲の間から顔を出すようになっていました。緩やかな起伏がある道ですが、私はそれをさほど苦にもせずペダルを漕ぎ続けていきました。

 この時の私は、紛れもなく"ゾーン"に入っていました。「目的地までたどり着けるだろうか」とか、「巡航速度何km/hで走ってないとダメで……」というさっきまで頭の中をぐるぐる回っていた心配はいつの間にか消え去っていて、ペダルを漕ぐ疲れすら感じずにただひたすら突き進みました。
 考えてみれば、北海道に来てからずっと、こんな晴れ間を見たことがなかったのです。旅行を計画していた時に思い描いていた、大自然の緑と大海原の青を嗅ぎ、眺めながらのロングライドが今やっとここで体感できたのです。初日、二日目、そしてついさっきまで連日の雨が視界の色や匂いを霞ませ、私は無意識のうちにどこか諦めてしまっていたのかもしれません。それが、晴れた瞬間に勢いを取り戻し、これまでの鬱憤を晴らすかの如く猛然と突き進んでいきました。

 

 疲れを微塵も感じないままノンストップでペダルを漕ぎ続け、もうすぐ正午になろうかというところ、道の駅「YOU 遊 森」に到着しました。

 

 

戦の前

 はち切れんばかりのリュックサックをベンチに下ろすと、まるで身体が宙に浮いてしまうようにすら感じた。

 時刻は正午。頭上にはこれでもかというほどの青空が広がっていて、眩いほどの日差しが降り注いでいた。

 

 この日、いや、この旅一番の正念場を前にして、最後の休憩を取る。

 

 我に翼を授けてくれ、とでもいうようにエナジードリンクをあおった。

 高低差200mの坂。それはまるで壁のようにそびえ立つ。不思議な自信と得体の知れない恐怖が、胸の内で交錯していた……。

 

 

f:id:tetragon64:20200809123025j:plain

 このようにして、道の駅「YOU 遊 森」で戦の前の最後の休憩。

 

f:id:tetragon64:20200809123329j:plain
f:id:tetragon64:20200809123346j:plain

 これまでは海岸線沿いの、緩やかな上り下りがある程度の道を来ていましたが、これから先に待ち構える坂は、それとは比べものにならないほどのものでした。

 

f:id:tetragon64:20200809130019p:plain

 その名も「高低差200mの坂」。

 競馬ファンなら誰もが知っている、東京競馬場の直線にそびえ立っていると言われるあの坂になぞらえて。

 


問題の発言は7:05~あたりから。

 青嶋達也が実況をする日本ダービーの時だけ直線に登場すると言われる高低差200mの伝説の坂。真ん中に犬が乱入する青嶋達也のダービー。

 

 青嶋さんイジリはそのへんにしとけ。

 

 実際に高低差200mの坂とはどのくらい大変なのか、不安でもありながら不思議と楽しみでもありました。

 

f:id:tetragon64:20200809131525p:plain

 

 車なら30分とかからず走り切ってしまうようなこの道。自転車でどのくらいかかってしまうのか。

 不安になりながら、でもいつまでもここにいても仕方がないので、腹を決めてリュックサックを背負い、ベンチを後にしました。

 

f:id:tetragon64:20200809131924j:plain

地獄の坂

 道の駅を出発してしばらくすると、段々となだらかな上り坂に突入してきました。「ほほーん。ついに坂に差し掛かったわけね……」と動揺を抑えながら淡々とペダルを漕ぎました。
 ゆったりとしたカーブを何回か曲がった後、長い長い直線になり、ずーっと上り坂が続いていました。ゆっくり、ゆっくりとペダルを漕ぎ、着実にその直線の終わりへと近づいていきました。その直線の後に何があるか見えないうちに「きっとあそこで坂は終わりだ」と都合のいいように考えてしまっていました。長い長い直線を終えたカーブの先にはまだ上り坂が続いていて、卒倒しそうになりながらもペダルから足を外さずに進むも、その先のカーブを曲がってもまだ上り坂が続いていました。

 

「この坂、終わらない。」

 

 そう悟った瞬間、たまらず下車しました。考えてみれば10kmほどの上り坂がそう簡単に終わるはずはないのに、その辛さは想像を絶するものでした。上り坂だと前後のバランスが崩れて、あらゆる筋力や体力が奪われていきます。それでも自転車を押して歩くのでは日が暮れてしまうので、きつくてもペダルに足をかけます。

 

 心の拠り所であり、気持ちが途切れないようにiPhoneで聴いていた音楽は、シャッフル再生で『うれしい!たのしい!大好き!』を流してきました。

 

 

 うれしくねーよ!

 

 たのしくねーよ!

 

 大好きじゃねーよ!!!(怒)

 

 なんなんだよもう……iPhoneシャッフル再生で煽ってきやがって……

 

 ふとサイコンを見ると、時速12km/hという文字が。想像以上にのろのろ運転していた。

 そんな時、次の曲としてiPhoneが再生してくれたのは『どんなときもずっと星空凛ver。

 

 

 うおおおおおおおおお!!!

 

 瞬く間にペダルはそのスピードを上げ、気づくとサイコンは時速18km/hに。μ's最推しの凛ちゃん!!!

 

 推ししか勝たん。(この文字列気持ち悪過ぎて大好き)

 

 

 しかし2番が始まる頃には元のスピードに戻っていました。悲しいかな。

 

 途中、後方から来たローディーの方に抜かされました。見た感じ自分と比べてかなり軽装で、軽快に上っていっていました。すごいな……。

 その後もずっと続いていく上り坂……何も考えられなくなって、いつしか頭にはこんな言葉が浮かんできました。

 

 この上り坂……死ぬな…いや、死ぬね!

 

 そんなことを考えながらひたすら進んでいくうちに、ついにその時がやってきたのだった……。

 

 

ご褒美の下り坂

 ついに上りの勾配がなくなってきたかと思うと、そこには、長い長い下り坂がありました。やっと、やっとだ……!

 その下り坂はめちゃくちゃ気持ちよかったです。そして、下り坂と同じくらい平坦な道も楽に感じた。さっきまでの上り坂に比べれば、平坦な道は下り坂みたいなものでした。

 

 その後2か所ほどまた上り坂がありましたが、さっきまでの長い長い上り坂に比べれば可愛いもの。ラスボスを終えた後の追加要素の敵ぐらいのものでした。

 そんな上り坂を終えると、いよいよ最後の下り坂。下るのは時間にしてあっという間ですが、上ってきた重みを感じると、長く長く感じました。これほどまでに上ってきていたのかと……。

 深い達成感とともに、長い長い下り坂を下っていきました。

 

 

晴れた一本道

 下り坂が終わると、山が終わり道が開けてきました。ぽつぽつと住宅も見え始め、片側二車線の幹線道路に。やっと函館の風が感じられるところまでやってきました。

 ここまできて私の胸は達成感でいっぱいになりました。この時に流れていた曲が下川みくにさんのこの曲。

 


分かる人は懐かしい曲。ちなみに『それが、愛でしょう』を歌ってる人と同じだということを数年前初めて知りました。

 

 めちゃくちゃ晴れやかな感じが今の気持ちとマッチしていました。

 

 新函館北斗駅へ向かうために脇道へ逸れると、ほぼ車が通らない、開けている一本道に出ました。

 

f:id:tetragon64:20200812161052j:plain

f:id:tetragon64:20200812161105j:plain

 

 まさに自分が思い描いていた北海道の道のような気がして、やっと見れた……と感慨深くなりました。

 

f:id:tetragon64:20200812161429j:plain

 

 太陽が雲に隠れているところと顔を出しているところの境目がくっきりと分かり、雲の流れが自分の立っているところを日向にさせ日陰にさせました。

 

 こんな絶好の撮影スポットを通っていて、ある一つの考えが浮かびテトはニヤリとしました。

 車の滅多に通らないこんなに綺麗な道で、やってみようじゃないか……!

 

 おもむろに自転車を降り、スマホを取り出し三脚を用意して撮影したものがこれだ……

 

f:id:tetragon64:20200812162117g:plain

 いかがだろうか……

  子供騙しレベルの映像編集技術を利用して作ってみたが、微妙に詰めが甘いせいかしっくり来なくて自分でもびっくりである。

 やはりこういうのは撮影者なりアシスタントが別で必要である。

 そして、最後急に車が来て恥ずかしくなって急いで撮影を終了したのである。旅の恥が掻き捨てられていないのである

 

 悲しいね。

 

 

新函館北斗

 すぐそこまで迫ってきている新函館北斗駅

 

f:id:tetragon64:20200812172810j:plain

 

 駅のすぐ近くでみかけた仔馬。道産子かな? 可愛いなぁ。

 

f:id:tetragon64:20200812173046j:plain

 

 ちなみにこっちは北口で何もありません。

 

 南口までぐるりと回って……

 

f:id:tetragon64:20200812173441j:plain

 

 着いた! ここが新函館北斗駅です!

 

f:id:tetragon64:20200812173511j:plain

 

 やっと着いた……長かった……!

 

 ……とは言え、今日の最終目的地はここではありません。今夜泊まる場所はここよりもさらに南に進んだところにあるホテルです。
 ではなぜ、新函館北斗駅に寄る必要があるのか。

 昨日、自前のテントで長万部に一泊し、今日は函館市内にあるホテルに一泊。そして明日の夕方に新函館北斗駅から出る新幹線に乗って帰宅という流れの予定。
 それならば、今日はその道程にある新函館北斗駅に寄ってテントの荷物をコインロッカーなりに預けて、明日は軽装で函館観光したいと思ったわけです。

 ということで、駅に入り、コインロッカーを探す。それ自体はすぐに見つけたのですが、そのロッカーに書かれていたことに驚きを隠せなかった……

 

f:id:tetragon64:20200812200308j:plain

f:id:tetragon64:20200812200341j:plain

 

 24時間限定だった……!!!

 

 いや確かにそもそも長時間の利用は想定外だろうし、時間制限があるのは仕方ない。でも24時間というのは想定していたよりもシビア過ぎてかなり面食らった……

 考えてみれば、今までにコインロッカーなんて使ったことがなかった。またひとつ、社会勉強したな……いやいやいや。

 

 どうする?

 今、時計は14時を指している。仮に今荷物を預けたとして、明日同時刻には一旦取りに来なければならない。
 新函館北斗駅は函館の街中から20kmほど離れた土地にある。そう易々と函館と行き来できそうにない。そして、広いところにただぽつんと駅があるのみで、周辺で時間は潰せそうにない。
 明日18時半の新幹線の切符を買っているので、どう転んでも微妙に時間が余ってしまうのは確実。さて、どうしたものか……。

 駅の中のベンチに腰を下ろし、ぼんやり考える。ふと顔に手を当てると、妙にザラっとしていた。あぁ、そうか。晴れた日に自転車を漕ぐとこんなに砂埃がつくのか。無表情で感心してしまった。そうして10分ほど座っていてようやく決心がついた。
 こうしていても埒が明かないから預けよう。明日の函館観光の時間は短くなってしまうけど、仕方がない。

 立ち上がり、ロッカーの中にテントその他もろもろを入れ、カギをかけました。明日のこの時間にはここに戻っていなければならない、そのカウントダウンがスタート。

 そもそもテントをリュックで背負って行ったのが間違いだったわけですが、そんなテントがなくなって、まるで翼が生えたように軽い!
 その勢いで再び自転車に乗り、ペダルを軽く回して軽快なスピードで、函館への道のりを再開させました。

 

 

f:id:tetragon64:20200814213443j:plain

電撃、走る

 ここから、国道227号線に入りました。この道は歩道兼自転車道がめちゃくちゃ広くて、きちんと舗装もされていてすごく走りやすかったです。

 ゆったりと走っていると、そのうち函館江差自動車専用道路との交差に差し掛かりました。電光掲示板で「自動車専用道路」という文字列を見た私は(このまま行ったら自転車は通れないんじゃないか……)となぜか思ってしまい、せっかく走りやすかったのに脇道にそれてしまいました。とりあえず海沿いに走れば迷わないだろうと、海沿いの道である国道228号を目指し、狭い道を走っていくと……

 

「いっ、」

 

 唐突に左足の膝に電撃が走りました。うっ……ついにやっちゃったか……と思いつつ、ペダルを回していくと微かな痛みが確かに左足を小さく蝕んでいました。

 信じたくない。

 もう函館の家も、店も、海も見えている。もうすぐそこまで来ているから、耐えてくれ……。

 

 あと7km。今日これまでに既に100kmの距離を走ってきたことから考えて、たいしたことない、すぐに走り切れる距離だと、そう思っていた。

 しかし、そんな7kmという距離は「すぐ」と形容するには長すぎる距離だということを、その時の私は知らなかった。

 

 

やきとり弁当

 函館の街に差し掛かってから何回目かの陸橋で、ポカリスエットは空になってしまった。

 いつもの私なら、コンビニに駆け込んで飲み物を買った(というよりももうすぐ切れるのを予め見越して買っておく)のですが、この時の私はなぜかずぼらを発揮して、急いで目的地に向かおうとしていました。

 15時もとっくに過ぎているのに昼食も摂らないでいるのは、函館名物「やきとり弁当」をめいっぱい食べたかったから。

 その関係でハセガワストアに寄ることは既定事項だったので、そこで飲み物を一緒に買おうと思ったのですが、どうせならホテルに一番近いところで買って冷めないうちに持って帰ろう、と思ってしまったのが運のツキ。
 そこまでは、喉が渇いても我慢しようと思ってしまったのです。

 

f:id:tetragon64:20200814222317j:plain

 無事にハセガワストアに着き、伝票を書いて渡して待つという独特の注文方法に戸惑いながらも、なんとかやきとり弁当の大を購入。と同時に購入した飲み物をがぶ飲みし、いよいよ本日の宿泊地へ。

 

 

ホテルテトラ

 16時を少し過ぎる頃。

 今回の新千歳~函館ロングライド旅の終着点であった函館の「ホテルテトラ函館駅前」に到着。

 2日目の挫折はあったものの、3日目はなんとか無事に、108kmを走破できたのである!!

 

f:id:tetragon64:20200814223514j:plain

 風雨という散々なコンディションで始まった今日のロングライド。昨日と同様にくじける可能性も十分にあった。心の中に一筋の糸がなんとか切れずにピンと張っていて、いつしか雨は止み、諦めずにここまで来ることができた。達成感でいっぱいでした。

 

 すぐにチェックインを済ませ、自室へ。

 

 お腹が空いて仕方がないので、着いて即、やきとり弁当を開ける。

 

f:id:tetragon64:20200814225000j:plain

 

オープン!

 

f:id:tetragon64:20200814225019j:plain

f:id:tetragon64:20200814225033j:plain

 

 うわぁ~~うまそう~~!

 

f:id:tetragon64:20200814225148j:plain

 

 正解!(何)

 焼き鳥の中で一番好きなのネギまなんですよね。なぜかというと魔法先生ネギまが好きだから焼きネギが大好きだから。それ焼き鳥の評価としてどうなのよという意見はさておき。

 ちなみにやきとり弁当はラブライブ!サンシャイン!!第2期9話『Awaken the power』2:15頃で善子たちが食べてます。函館聖地巡礼第1号です。

 

f:id:tetragon64:20200814225818j:plain

 ビジネスホテルの一室で、ひとり静かにやきとり弁当を食べる。美味い!

 ↑この写真の角度でスマホを固定し食べながら感想を言うところを録画するという"Vlog"的なのをやったのですが、どれだけ食べても「美味い」「うんうん」「めっちゃ美味しい」しか言えませんでした。
 普段のテトの無口具合を知っている人からすれば「え? それ平常運転じゃね?」と言われそうですが……。

 

普段のテトの無口具合がよくわかる記事(ちなみに自分ではそこまで無口という自覚はないのが怖い)

 

 この時テトには明らかな異変が訪れていました。

 頭がぼうっとして考えることができないのです。食べても食べても「美味しい」という言葉しか出てこず、気の利いた何か1つすら言えずにただ目の前のご飯を食べることしかできなかった。
 最初は、100km超を走破して一気に緊張の糸が切れたのかなと思っていました。実際、そういった面もあったと思いますが、食べ終わってようやっと考えられる頭になってきたときに答えがわかりました。

 どうやらハンガーノックにかかっていたらしいと。

 ポカリスエットが切れても根性で走り続けた影響が出たと気づきました。あの時めんどくさいと思わずにきっちりとコンビニに寄って飲み物だけでも買ってくればこんなことにならずに済んだかもしれない。また一つ学びました。

 

 ご飯を食べ終わったところですぐに体調は戻りました。ホテルに泊まることで得られる権利の中で一番大きいのが、お風呂に入り放題なところだと思うのです。まずは一回入浴。
 昨日は温泉に入りましたが、一人で心置きなく入れるホテルのユニットバスもまた違った良さがあるんですよね。分かりますかね?

 そしてホテルのコインランドリーを使って洗濯・乾燥を行いました。洗濯機が回っている間に近くのコンビニに行って買い物を済ませ、洗濯が終わったらまた風呂に入りました。

 

 

夜の函館

 風呂から出て、ベッドの上でうとうとしているうちに窓の外は暗くなり、20時になりました。「もうそんな時間!?」とベッドから飛び起き、外出の支度を始めることに。

 身体は完全にお休みモードに入っていました。今日は早朝から起きて、ここまで来るのに気力体力を相当使ったので、無理もありません。しかし、函館での夜を過ごせるのは今夜しかないので、渋々腰を上げました。

 函館の夜景は世界三大夜景と言われるほどに評価が高く、またラブライブ!サンシャイン!!での聖地巡礼ポイントも夜でのものがあるので、疲れた体に鞭打って行くしかないのです。

 函館の夜景が消えるのは22時。それがタイムリミットなので、スピーディに写真を撮ってこないといけない。今一度アニメを観て、どういった構図で撮らなければいけないか確認し、メモしました。

 

f:id:tetragon64:20200815170025j:plain

 メモしました。(2回目)

 

 なんて描いてあるんだ……(自分が書いたのに)

 

 かなり大雑把に構図を描いたメモを持ち、夜の函館に繰り出しました。

 

 

函館山ロープウェイ

 財布とスマホだけ持ってロードに乗り、夜の函館を往く。夜風が涼しく心地よい。左ひざはまだ若干痛むものの、軽快にその目的地まで漕いでいきます。

 

f:id:tetragon64:20200815182535j:plain

 函館は坂が多いですが、目的地の直前にはかなりの勾配の坂がありました。これを乗り越えて左奥にある施設を目指す。

 

f:id:tetragon64:20200815182731j:plain

上から見下ろすと

f:id:tetragon64:20200815182803j:plain

 着きました! 函館山ロープウェイ。これに乗って函館山の山頂へ向かいます。

 自分が乗ったのは上りの最終便の1時間前のもの。平日ということもあり人はまばら。

 

 函館山から見る函館の夜景はそれはもう絶景であり、アニメでも第2期9話19:10頃に出てきます。
 それが、こちら。

 

f:id:tetragon64:20200815183350j:plain

 いや~、めちゃくちゃ綺麗だった。スマホの画質では伝えきれないくらいの感動がありました。

 

f:id:tetragon64:20200815183837j:plain

 さすが、世界三大夜景と言われるだけのことはあります。

 知り合いにこの写真をLINEで送ったら「ワイン飲みたくなる!」と言われたのは言い得て妙だなと思いました。

 こんなん一人で来る場所じゃねぇよ……。こんな夜景を横目に二人でワイン飲みてぇよ……!

 

f:id:tetragon64:20200815184620j:plain

 聖地巡礼のための写真もひととおり撮り終えた後、下りのロープウェイに直行しました。

 

 滞在時間5分。

 

 消灯時間の22時までに次の夜景スポットに回らないといけないというのもあるが、ツレのいない単独参戦の人間が山頂に到着して写真撮ったらもうやることないのよ!

 夜景見ながら話す人なんて今の自分にはいないのよ!

 何が楽しくて……何が楽しくて……ウッ……………!

 

 

金森赤レンガ倉庫

 ロープウェイを降りたら再び自転車に乗って次の目的地へ急ぎます。

 

f:id:tetragon64:20200815185948j:plain

 途中、すごく広い坂がありました。急ぎすぎて名前すら見ていないのですが、もしかしたらここが『Awaken the power』の坂かもしれません。

 


Saint Aqours Snow『ラブライブ!サンシャイン!! 』TVアニメ2期 第9話 挿入歌「Awaken the power」60秒CM

 

 なおもペダルを漕ぎ続け、着きました。

 

f:id:tetragon64:20200815185855j:plain

 金森赤レンガ倉庫です。

 

f:id:tetragon64:20200815190350j:plain

 赤レンガの建物もさることながら、道もレンガで敷き詰められているのがとても粋。

 

f:id:tetragon64:20200815190522j:plain

 恐らく、アニメ第2期8話『HAKODATE』19:50頃からルビィちゃんと理亞さんが歩いていた歩道。いつ見ても泣ける感動シーンの舞台とあってかなり感慨深いです。

 

f:id:tetragon64:20200815191016j:plain

f:id:tetragon64:20200815191033j:plain

f:id:tetragon64:20200815191056j:plain

f:id:tetragon64:20200815191142j:plain

 その他にも様々な場所がライトアップされていました。これら一つ一つがあの夜景を作り出しているんですね。

 

 ただ、個人的に残念だったのが、

 

f:id:tetragon64:20200815191333j:plain

 一部めちゃくちゃ工事中でした。

 

 

 そして22時ぴったりにホテルに帰宅。

 

f:id:tetragon64:20200815191524j:plain

f:id:tetragon64:20200815191544j:plain

 先ほどコンビニでたんまり買ったお酒とおつまみを片手に、ベッドに寝っ転がりながらまた8話9話を観たりして、24時に就寝しました。

 

 

3日目・振り返り

 風雨で始まり、どうなることか、微塵もわからないまま走り続け、いつしか太陽が顔を出し、なんとか無事に106kmを走破することができました。

 

f:id:tetragon64:20200815192226p:plain

完走時にホテルで撮ったスクショ

 走破してみて感じる、北海道の大きさと、今日走ったその道のりの長さ。
 その日は自分でも信じられませんでした。

 そして、106kmという長さは直線距離でいうと東京~甲府間とほぼ同じ。そして、これまで3日間のロングライドの距離総計は200kmを超えていて、これは東京~浜松間に相当。
 改めて、すごい距離を走ってきたんだなと気づかされます。

 ロングライド熟練者にとっては大したことない距離かもしれませんが、ロングライド初挑戦、そして背中に10kgを超える荷物を背負ってのこれは、上出来といってもいいのではないでしょうか。

 

 そして、夜からは函館観光編がスタート。夜に走っているだけでも、その街並みがいかに素敵で、綺麗に整っているかが実感できました。

 

 明日は函館観光後編、そしてこの旅最終日。どんな景色が見られるんでしょうか……。

 

 続く。

 

北海道ロングライドソロキャンシリーズはこちら

大洗に聖地巡礼キャンプしに行ったら猫が可愛かった

 こんにちは。テトです。

 

 今回、ガルパンこと『ガールズアンドパンツァー』の聖地巡礼として大洗に行ってきたのでその話を書きたいと思います。

 とは言え、完全にブロガーモードをOFFにして行ってきて、写真もそんなに撮ってないのでゆる~く感想だけ書いていきたいと思います。

 大洗の聖地巡礼レポを写真付きで詳細に知りたい方はヘキサが以前に書いた記事がありますので、そちらをご覧ください。

 

続きを読む

新千歳~函館ロングライドソロキャン2日目【挫折……編】

 見たこともない景色を映しながら電車は走った。自転車の上から見るはずだった景色。悔しいけれど、体は私の我儘に首を振る他ないほどボロボロだった。ふかふかのボックスシートに、暖房の効いたぽかぽかの車内。悔しいけれど、快適だった。悔しいけれど……

 私が自転車と共に走れば少しずつしか進めなかったであろう雨の中の北の大地を、いともたやすく進んでいく一両の電車。そのうち睡魔が襲ってきて、私はいつの間にか眠ってしまった……。

 

 

起床

 AM5:30、起床。

 いつもの毎日のように自室のベッドの上から眺める景色とは違うことに一瞬呆然としつつ、そこから自分の今置かれている状況に理解が及ぶやいなや目が覚める。途端に自分の中で幾ばくかの線が張り詰める。ワクワクや緊張が混ざったこの何とも言えない感覚。

 

f:id:tetragon64:20191112121208j:plain

 テントの外に出ると空気がピンと張り詰め、テントには雨粒が少しかかっている。しかし幸いなことに今は雨はそれほど降っていないようだ。

 

f:id:tetragon64:20191112121241j:plain

 お湯を沸かし、朝食の準備をする。早朝の空気を吸いながら、このお湯が沸くのを待っているのがすごく、心躍ったりする。

 

f:id:tetragon64:20191112121656j:plain

 このカレーヌードルの一杯が何よりも美味い……。

 

f:id:tetragon64:20191112122153j:plain

f:id:tetragon64:20191112122207j:plain

 

 ここ、白老ポロトの森キャンプ場はまさしく山の自然の中に作られた芝生のキャンプ場で、すごく雰囲気がよかったです。

 

f:id:tetragon64:20191112122638j:plain

 このキャンプ場からのハイキングコースもあるようです。

 

f:id:tetragon64:20191114111115j:plain

f:id:tetragon64:20191114111128j:plain

f:id:tetragon64:20191114111140j:plain

 テントを撤収したら……いよいよ出発の時間。6時台に出発するはずが7:50になってしまいました。今日は雨予報。今のところ雨は小雨程度ですが、まるで戦に赴くような面持ちでロードに足をかけます。

 

「またどこかで!」

 

 同じキャンプ地で夜を明かしたライダーさんとこう言葉を交わし、私は白老を後にしました。

 

f:id:tetragon64:20191114111927j:plain

f:id:tetragon64:20191114111939j:plain

 

 「白老ポロトの森キャンプ場」という名前の由来にもなっているポロト湖。見た目以上に大きい。

 

f:id:tetragon64:20191114112254p:plain

 

謀ったな、Google Maps

 今回の旅はひたすら道南の沿岸部を走っていくルートで、なぜかといえば当然高低差が少ないからです。

 Google Mapsでルートを設定し、ひたすらその音声案内に従って走っていくのですが、いかんせん今のGoogle Mapsは自転車ルートには対応しておらず、仕方なく自動車ルートの(高速道路・有料道路を除外する)ルート検索で選択します。

 

f:id:tetragon64:20191114113144p:plain

 そうするとどうしても山越えのルートを推奨してきやがるんですよ。距離が短いからだろうけど。そんなエンジン必要な道通らねえんですわ。こちとらエコで走ってるんスわ。

 なので出発時にピキりながら「室蘭経由だよ」と言いつつルートを設定し、きちんと沿岸部を通るルートになっていることを確認してから今日出発したのです。

 しかし、Google Mapsの道案内を聞きながら走っていると、何やら上り坂が多い道だなぁ、沿岸部を走るつもりなのになんだか森が多いなぁと思いながら開始3kmを走っていました。

 「これはおかしい!」とようやく思い、自転車を止め死ぬほど重いバックパックを下ろしスマホを見てみると、なぜか知らぬ間に山間部を通るルートに変更されていた!!!

 

f:id:tetragon64:20191114114802j:plain

 天下のGoogle Maps様、なんの相談もなしにルート変更。まさに「Google Maps! 謀ったな、Google Maps!!!」状態。

 それでも3kmほど走るまで気づかなかったのはさすが方向音痴と言われるだけはあるでしょう(さすがじゃねえよ)。

 Google Mapsに裏切られつつ、気を取り直して白老の市街地まで戻り走り続けます。

 

 

死ぬほど辛い

 やはりというべきか、予報通り雨が降ってきた。時折くる上り坂が死ぬほど辛い。昨日から肩に10kgを乗せて走り続けてきた疲労は昨夜一晩ではまったく回復し切れていないと悟る程度には、昨日のような勢いが全くない。

 右手には線路と山、左手には海。天気がよければ絶好のロケーションだが、あいにく天気は死んでいる……。

 

 今晩泊まる予定の長万部まで、距離にして125km。最終チェックインが17時だから……と考えると、少なくとも時速15kmで走らなくてはいけない。サイコンとにらめっこして、時速17~18kmを出しては辛くなって2~3kmごとに荷物を降ろして休んで……というのを繰り返していた。疲労、というよりも、肩とお尻がめちゃくちゃ痛かった。肩に大荷物を背負いながら雨の中鈍足で走行して……というのはあまりにも堪えた。

 出発して17㎞を過ぎ、竹浦駅を通り過ぎようとするころ、再び耐え切れず休憩。今自分がいる位置とこれから走らなければいけない距離を確認する。間に合うかどうか、ギリギリのラインで走っていた。このまま何も起きず減速もせず走っていられれば間に合うかもしれないが、何か起きれば即アウト。そうでなくても雨や荷物に体力を奪われて遅れが出ていくだろう……もう目的地にたどり着く自信はどこにもなかった。

 

「……諦めよう」

 

 そう決心したとき、見覚えのあるバイクが一瞬通り過ぎた後、すぐ前方で路肩に停まった。

 

 

再会

 バイクから降り、こちらに向かってきた人は昨晩同じキャンプ場でテント泊したライダーさんでした。

「休憩中?」

 聞かれて、はいと答える。もう何度も辛くなってこのように自転車を止めているので、休憩という穏やかなニュアンスではないんだけれども……

「お兄さんもこっちの方向だったんですか?」

 と聞くと、どうやらこれから登別のクマ牧場に行く予定らしい。逆に、「長万部まで順調?」と聞かれ……

「いや~実は全くダメで……登別まで行って電車で輪行しようかなって思ってます」

 とうとうそう答えてしまった。もう、心はほぼくじけかけてしまっていました。それでも「頑張って」と声をかけていただき、バイクに戻って行って、見えなくなりました。

 できればひっそりとリタイアしたかった。それでも、ブログには書くけどね。ライダーさんにもリタイア宣言してしまったけど、あと10㎞弱だと思うととたんに元気が出てきた。完走はできないけど、その分登別で何か観光でもしよう!

 

 

再会Part.2

 再び自転車を漕ぎ始める。まだ辛いけど先の見えない焦りはなくなっていた。そして登別に行く前の最後の休憩としてちょうどいいところにセイコーマートがあったので、そこに寄ることに。するとまたもや見覚えのあるバイクが。

「丁度いいところにセイコマがありましたね~」みたいなたわいもない会話を交わしつつ、各々の栄養補給を終え、再び会釈をして別れる。今朝のタイミングでも、また道端でバイクを停めて心配してくれたときも「これが一期一会、もう会えることはないだろうな」という感覚はあったけれども、3度目にして、このセイコーマートの前ではそれが正真正銘「これが本当の最後」というような感覚がありました。ここまで何回も会うと、少々の名残惜しさというのが出てくるけれども、それでもお互いの名前も知らず、「またどこかで。」と別れる。これぞソロ旅の一期一会なのかもな、とぼんやり思いました。

 

 

登別にて

 AM10:00、登別へ到着。14時の電車までまだ時間があるので、登別で観光をする暇がありました。しかし、当初の予定では登別は通過点だったので何も調べていない。検索をしてみると、ライダーさんが行ったクマ牧場地獄谷伊達時代村など、興味を惹かれるものがいくつかありました。しかし、立地的にはどれも市街地を離れた山の上。自転車で行くのは辛いし、時間的にも微妙……ということで、登別が見えてきたときに真っ先に目に入った観覧車のある「登別マリンパークニクス」に行ってみることにしました!

 言ってしまうのは少し憚られますがその観覧車がいかにも時代を感じられて、しかも動いていなかったので、どよーんとした天気も相まって最初は「廃墟かな?」と思い、廃墟フェチの私はちょっと気になっていたんですよね。無論、廃墟であれば中には入れないのですが。

 後で調べて分かったことですが、観覧車は登別マリンパークニクス(水族館)の中にある遊園地にあり、その遊園地は原則土日しか営業されてないみたいですね。しかも10月下旬~4月上旬まではそもそも営業していないという。私が行ったのは10月上旬の平日なので、観覧車は動いてなかったんですね。

 

 というわけで、遊園地は動いていないもののスマホで調べるとどうやら水族館で営業しているらしいし、入口から車がいくつか入っていくので、私も訪れてみようということに。ただ駐輪場がどこかわからなかったので、駐車場の料金を取っている方に聞いてみることに。

「すいません、自転車はどこに置けばいいですか?」

「あーじゃあ自転車は、あそこの建物の横にでもつけといていいよ~」

 とトイレがあるレンガの建物の横を指さした。自転車で来る客はよっぽど珍しいのか、駐輪場という概念ではなく、この日も私1人のようでした。

「お金は払わなくていいですか?」

「大丈夫。お兄さんどこから来たの?」

 はち切れるようなバックパックを背負ってロードバイクに乗る私はどう見てもロングライダーなのだろう。

「埼玉から来ました。新千歳空港から函館まで旅してます」

「は~すごいねぇ。楽しんでね!」

 旅のロングライダーにかけられる言葉としてはテンプレみたいなものだけど、こういう言葉がやけに嬉しかったです。

 自転車を置き、水族館入口に向かいます。

 

f:id:tetragon64:20191116131450j:plain

園内図。

 

マリンパークニクス

f:id:tetragon64:20191116131940j:plain

 受付でチケットを買い中に入ると大広場に出ました。これは帰りに撮った写真なので人がいるのですが、入った時は本当に人が2~3人しかいなくて「寂れてる……」と思ってしまいました。

 いくらレインウェアを着ているとはいえ雨の中傘なしで屋外にいるのは辛いので、とりあえず駆け込んだ先はイワシの水槽。

 

f:id:tetragon64:20191116132620j:plain

f:id:tetragon64:20191116132938j:plain

 イワシが超大群で綺麗でした。

 

f:id:tetragon64:20191116133011j:plain

 ちょっとした席が用意されているのにマジで人っ子一人いなくて、確かに平日だけども大丈夫か……と思っていると、何やら隣の施設から笛の音が聞こえてきました。

 

f:id:tetragon64:20191116133637j:plain

 そちらの方向へ階段を上がると、ショープールにてアシカショーをやっていました! しかも満員、ざっと2、300人くらいでしょうか。広場に人がいなかったのはこのためだったんですね。勘違いしてすみませんでした。

 平日ですが30分刻みにこういったショーなんかをそこかしこでやっていて、それに合わせてお客さんが移動するみたいな感じでした。

 

f:id:tetragon64:20191116134713j:plain

ペンギンさん、かわいい

 アシカショーが終わったのでペンギンコーナーへ行ってペンギンを見ていると、なんとペンギンのショーが始まるみたい。雨の中広場で待つこと十数分。

 

f:id:tetragon64:20191116135247j:plain

 おっ?

 

f:id:tetragon64:20191116135311j:plain

 何やらとことこ……

 

f:id:tetragon64:20191116135344j:plain

 歩いてくるぞ?

 ペンギンさんが目の前を歩いてくれるコーナー。めちゃくちゃかわいい!

 

f:id:tetragon64:20191116135503j:plain

 手を伸ばせは届きそうなくらいすぐ目の前を歩くペンギンさん。こんな間近で見たことないしとことこ歩く姿が超可愛いので、このショー、めちゃくちゃ推せる

 

f:id:tetragon64:20191116140053j:plain

 超可愛い。ほまーに。

 

 ペンギンさんを見た後は、水族館の施設をぐるっと全部見て回ることにしました。大ボリュームのニクス城、爬虫類や両生類が展示されている陸族館といろいろ楽しめます。

 

f:id:tetragon64:20191116142636j:plain

 ニクス城では最初にエスカレーターで最上階に行くのですが、エスカレーターの真下がサメのいる巨大水槽なのでめちゃくちゃ怖かった。何かの拍子に落ちちゃったらどうしようと。

 

f:id:tetragon64:20191116142855j:plain

f:id:tetragon64:20191116142913j:plain

 ノコギリエイが個人的にカッコよかった。

 

 陸族館ではカエルとかトカゲとかタランチュラとか様々なものが展示されてました。タランチュラは見てませんが(8本以上足がある生き物は生理的に無理なので)。

 カメが交尾しているところを偶然目撃して「珍しい」と動画を撮影してみたものの、よく考えたらカメの交尾動画を撮ってどうするんだと冷静になって思いました。というかそもそも1人で水族館って……w 寂しすぎる。妹にも「1人で水族館…ww」と笑われるし。悲しい。

 

 どうやら中国人観光客がバスで団体で訪れているようで、お客さんの半分以上が中国人なんじゃないかと思うほど中国語しか聞こえてきませんでした。そんな中で聞こえてきたある日本人の会話が、恐らく若い女性とそのお母さんとの会話で「この前来たときはこんな展示なかったよね」というような常連さんにも思える話。どことなく地元感のある会話で、雨の平日の昼間にのんびりと訪れているのどかさがよく感じられてすごく落ち着きました。

 

 すべての展示を回り終えたところで12時になりお昼の丁度いい時間となっていたので、水族館を出て地元の有名なご飯屋さんでも食べに行こうかとも思いましたが、検索して出てくるのは海鮮のお店ばかりなので(私は生魚や甲殻類など軒並み食べられない)、水族館の中にあるレストランでのんびり食べるのもいいかなと思い、レストラン「リーベ」で食事することに。

 

f:id:tetragon64:20191116144543j:plain

 頼んだのは「タラとチーズの焼きカレー」。タラが美味しくてボリューミーで、何よりも雨で冷え切った体にカレーがすごくあたたまりました。

 お客さんも少なく静かでのんびりと過ごしていると、13時近くなり電車に乗り遅れそうだったので、お土産を少し買って急いで登別駅へ。

 

 

室蘭線

 輪行にまだ慣れておらず、余裕を持ったつもりの30分がギリギリになってしまいました。改札に向かうとスイカが使えず、焦りに焦って血眼になりながら長万部駅を路線図から探し出し券売機で切符を買い、改札を抜けてホームに駆け込むと電車は橋を渡った向こう側のホームに来ていて、急いで橋の階段を昇り降りて一両編成の電車に駆け込みました。死ぬかと思った。

 この電車を逃すと2時間後とかいう世界線。当然キャンプ場のチェックインには間に合わない。こわ……。

 それでもなんとか乗れて、ボックスシートに腰を下ろした。すぐに電車は出発した。

 

f:id:tetragon64:20191116150117j:plain

 見たこともない景色を映しながら電車は走った。自転車の上から見るはずだった景色。悔しいけれど、体は私の我儘に首を振る他ないほどボロボロだった。ふかふかのボックスシートに、暖房の効いたぽかぽかの車内。悔しいけれど、快適だった。悔しいけれど……

 私が自転車と共に走れば少しずつしか進めなかったであろう雨の中の北の大地を、いともたやすく進んでいく一両の電車。そのうち睡魔が襲ってきて、私はいつの間にか眠ってしまった……。

 

f:id:tetragon64:20191118104149j:plain

f:id:tetragon64:20191118104332j:plain

 気が付くと終点の長万部駅に着いていました。16時なのでさほど暇はなく即行で輪行からロードをほどきます。先ほどまで降っていた雨はロードに乗るときにはやんでいました。ここから3kmも走れば今回のキャンプ地に到着。

 

 

長万部公園

 こうして16時半にはキャンプ地である長万部公園へ到着。受付の館内に入ると大きいヒーターがすぐ近くに設置されていて、すごく暖かかった。

「いらっしゃい。寒いでしょう、ヒーターの近くで温まってね」

 自転車に乗るとすぐに体が温まり、インナーの保温効果もあって半袖半ズボンに上下インナーという見た目ほど冷えてはいなかった。しかし、寒いという感覚を幾分か消し去っているランナーズハイのような存在もある気がした。ふやけるようなヒーターの温風と受付の奥さんの優しさが温かかった。

「関東のほうだと今でも日中20度はいくだろうから、こっちの寒さにびっくりしたでしょう」

「えぇ、まぁ。でも空気は澄んでいておいしいし自転車漕いでるとこれくらいが丁度いいですよ」

 そんな会話をしつつ申請をし説明を受けて、テントを張りに館を出ました。

 

f:id:tetragon64:20191118180213j:plain

f:id:tetragon64:20191118180230j:plain

f:id:tetragon64:20191118180246j:plain

 長万部公園もこれまた綺麗な整備されている広い公園で、遊具の近くでさえなければ基本どこでもテントを張ってOKという素晴らしいキャンプ場でした。依然雨の匂いは抜けないので、東屋に自転車を置いてその近くにテントを張ることに。

 

f:id:tetragon64:20191118191035j:plain

 よし、この辺にするか(CV:東山奈央

 

f:id:tetragon64:20191118194127j:plain

f:id:tetragon64:20191118194245j:plain

 ペグは周りにある大きな石で打つのが軽量キャンプの鉄則。

 

f:id:tetragon64:20191118194439j:plain

 ポールの端をテント本体の四隅にある穴に固定し……(CV:大塚明夫

 

f:id:tetragon64:20191118194649j:plain

f:id:tetragon64:20191118195036j:plain

 今夜は風も強く吹きそうなのでガイラインにもペグを打ちます。

 

f:id:tetragon64:20191118195607j:plain

 よし。(CV:東山奈央

 

 テントを張れた。ちなみに張っている最中にフランス語圏らしき外国人カップルがマウンテンバイクを押しながら「コンニチワ」って挨拶してきました。その後ドローン飛ばして遊んでました。ドローンいいなぁ。

 

 張り終えたところで丁度17時を回ったので、休憩もそこそこに買い物がてら温泉に行くことにしました。

 

 

長万部温泉

 赴いたのは丸金旅館。(なぜ写真を撮っていない)

 

www.marukinryokan.jp

 

 500円で日帰り入浴ができ、タオルも有料とは書いてあったものの私の場合は入浴タオルは無料で利用することができすごく良心的でした。

 温泉まで向かう廊下で炊事場から子どもの声が聞こえてきたりしてめちゃくちゃアットホームな旅館感が出てすごく心動かされました。

 

 温泉は本当に熱くて私好みのものでした。本当に気持ちよくて長風呂していたいのですが明日朝早く出発したいので惜しみながらも十分温まったところで出ます。丸金旅館オススメです。

 

 

ソロキャンクッキング2日目

 熱い温泉で十分に温まったとはいえ外は真っ暗で超寒いので湯冷めを避けるべく急いで戻ります。

 途中でセイコマでお料理の準備。今日は昨日よりも料理したい……!

 

f:id:tetragon64:20191118204557j:plain

 ……の前に。今回の北海道旅初ガラナ

 

f:id:tetragon64:20191118204643j:plain

 まずはカップラーメン食うか~(料理はどこへ)

 

f:id:tetragon64:20191118204902j:plain

 北海道名物ザンギ。ちなみに唐揚げとの違いは知らない。

 

f:id:tetragon64:20191118204955j:plain

 野菜も食べなきゃと思ってニラもやしにんじんのミックス野菜を買いました。普段コンビニで野菜とか買わないけどこれ結構野菜入ってて安いし一人暮らしとかしたらこれ絶対お世話になりそう。セイコマだけなのかなぁ。

 コッヘルの中に入れて水を入れて茹でます。

 

f:id:tetragon64:20191118210234j:plain

 これ撮った時の自分の心情、間違えて曇っちゃったのか狙って曇らせたのか覚えてませんがなんかすごくあったかみを感じてセンスある。自分で言うのもなんだけど。

 ソロキャンしてる時のクッカーからの湯気、幸せすぎる

 

f:id:tetragon64:20191118210606j:plain

 そのまま食べても味がしないけどなぜか美味しいし、麺を食べた後のスープに入れて食べても美味しい。煮卵とかも入れた。美味しい。

 昨日の料理よりレベルアップしてるか知らんけど、美味しいからいいや。

 

f:id:tetragon64:20191118211113j:plain

 今回の旅の写真で一番「ロングライドソロキャン」を一目で表しているのこれかもしれない。自転車とテントが両方映ってる写真これしかねぇ

 

 

寝袋の中で

 北海道旅行2日目。今日もなんだかんだで色々あったなぁ。

 

 昨晩泊まったキャンプ場で会った一人のライダーさん。通りがかったらバイクを止めてまで心配しに来てくれたりして、すごく嬉しかったな。
 もう会うことはないと思うとなぜだかすごく寂しくなる。都会の喧騒から離れたくて一人旅してるとかそういうわけじゃないけど、でもどちらかといえば一人の方が好きだし、親しくない人たちと群れるのは苦手だ。だから、別に会ったら会ったで何をするというわけでもないけど、でももう会えないんだと思うと、悲しいというわけでもないけどどこか心がキュッとなる

 でも、だからといって連絡先を交換したりするのは、なんだか違うと思う。強く思ったのは、今回の旅はSNSとか現代のインターネット文明とは対極に位置するもののように感じたのだ。確かにスマホで道案内を調べて未知の北海道を走り、Bluetoothを使って音楽を聴いたり、インスタのストーリーに「今日はこんなとこ行きました」と動画をアップロードしたりしてはいるが、SNSで他人の動向を見るとすごく疎外感を感じるし、それは1日目と同じでした。「バチェラー面白かった~」とか今アマプラ見れる環境下にないし、てかこの寝袋から出たら寒くて死ねるし、疲れたし生きるのに精一杯だし……

 だから、今回の旅で出会って、私と同じようにソロキャンしている人は目に映る実体だけがその人だし、インターネット上の顔とか時間の流れとか全く紐づけたくないんですよね。だってロードで一人でキャンプしてるやつが「志摩リンに憧れて来ました」とか「映画イエスタデイはクソ!」とかネット上で言ってたら幻滅に似たような感情を抱くと思うんですよね。そう思うと現代ってリアルの友達はほぼネット上でも繋がってるっていう環境もよく考えるとアレに思えてくるし、インスタの友達多い人とかも羨ましいけど考え物だなって思う。

 結局何が言いたいかというとうまくまとめられないんですけど、ソロキャンは現代社会を生きる我々にとっての中和剤なんじゃないかと思うんですよね。こう言うとソロキャンがなんか仰々しいものに思えてくるけどソロキャンに限ったことではなくて。
 現代社会を生きる疲れって、肉体的なものよりも精神的なもので感じる人が多いんじゃないかと思います。ことネット社会においては特に。肉体的には元気だけど心が疲れ切ってしまう普段の生活と、移動にエンジンも使わず不便で肉体的にすごく疲れるけど空気は美味しくてなぜか人との出会いは温かくて心は癒される。いや体を動かすストレス解消法ってだいたいそうでしょって言われるかもしれないけど、私にとってのそれがソロキャンなんだなって気づいた瞬間。肉体と精神のこんな二極的な見方ではソロキャンの魅力を十分に表せないかもしれないけど。

 あと、スマホ社会を完全に切り離した旅も今度やってみたいですね。

 

 そして、新千歳から函館までロードで完走するという目標を、今日リタイアした。正直、100km級の距離を舐めていたというのもあるかもしれないけど、それ以上に雨が自分にとってすごく障壁で、そんな雨にいとも簡単に崩されてしまった自分の無力さに唇を噛んだ。
 雨が降った。荷物を肩に背負って行った。いくらでも言い訳はできるけど、そんな障壁に堪えられなかった自分の弱さというところに全て返ってくる。そして2日目の夜はいやに弱気だった。

 2日目は感じたことをスマホにメモをしていたんだけど、そこに「自分の無力さ ロードバイクは無理」ってストレートに書いてあって笑いました。続けて「家に帰りたい? 落ち着きたい?」って書いてありました。"?"がついているあたり、完全に家に帰りたくて仕方ないわけじゃなさそうでしたが。それぐらい心が折れかかってたのかもしれない。

 あと、時代が進歩してもロードバイクでロングライド旅をするかについても考えていました。何年先になるかわからないけど私は車が自動運転になる未来は必ず訪れると思っていて、それに合わせて自動運転に適した道や町が整備されていくだろう。どこへ行くにしても誰でも簡単に行けるという世界が訪れてもなお、私は今みたいに疲弊しながら、周りから「よーやるわ」と言われながら、自転車で旅をするだろうかということを考えました。これは、旅が終わった後だから言えますが「やりたい」ですね。確実に。

 

 

2日目・振り返り

f:id:tetragon64:20191118225839p:plain

 ロードで走った距離は30kmほど。こうしてみると電車の偉大さも感じます……。

 

 明日も110kmという気の遠くなるような数字が待っています。明日は、走れるのでしょうか……。

 

 続く。

 

北海道ロングライドソロキャンシリーズはこちら

新千歳~函館3泊4日ロングライドソロキャン0日目【装備編】

新千歳~函館ロングライドソロキャン1日目【まさかの野宿?編】

旅行-キャンプ-新千歳―函館ソロ旅 カテゴリーの記事一覧

新千歳~函館ロングライドソロキャン1日目【まさかの野宿?編】

今日はクローズです

 

 受付の窓を叩いた私を待っていたのはそんな一言だった。

 

「……え、……そんな…………」

 

 私はその言葉の意味を理解できなかった。クローズ? 入れてもらえない? なぜ? ここに泊まるために白老まで50kmを超える道のりを走ってきたのに。この付近に他のキャンプ場や個室の宿泊施設は――ない

 

「今朝の、あんな雨だったから……お客さんも来ないんで今日は閉めてます」

 

 空にはまだ厚い雲が覆っていた。今夜、また雨が降るだろう。私はただ、その場に呆然と立ち尽くすことしかできなかった……。

 

 

出発の時

 AM4:00 起床。

 最寄り駅にて始発で行かないと間に合わない。まだ窓の外は真っ暗。母が用意してくれた軽めの朝ご飯を食べ、パンパンに詰めたバックパックを背負った。まだ窓の外は、真っ暗だ。

 

 

 輪行袋にくるまれたロードを抱え、暗闇の中煌々と照らされたホームを歩いていく。AM5:00、そろそろ電車が来る頃。いよいよ出発です。

 

 電車に乗ってイヤホンを耳にかけ、シャッフル再生をするとこんな曲がかかってきた。ピッタリな曲じゃないか。

 

Ready Go!

Ready Go!

  • provided courtesy of iTunes

 

 重すぎるバックパックと、大きすぎる輪行袋を携え、AM6:20、成田空港第2ビル駅へ到着。LCCなので第3ターミナルまで移動しなければなりません。バスでの移動も考えましたが、自分の足が一番信用できるので、ちょっと遠いですが歩くことに。

 

ターミナルといえばやっぱこの曲でしょ。

 

 そしてAM6:30、成田空港第3ターミナルに到着。

 

 

 今回使うのは春秋航空。群を抜いて安かったんだけど大丈夫だろうか。

 

f:id:tetragon64:20191103215910j:plain

 無事搭乗手続き完了。

 

f:id:tetragon64:20191103215943j:plain

輪行→¥4000

 ……のはずだったんだけど、自転車は別料金で取られました。預け荷物の欄をちゃんと読んで重量に合わせてチケットを取ったんだけど、例外が別のページに書いてあったのかもしれない。まぁ、LCCだから自転車が別料金じゃないわけないか。これでも他のLCCとトントンぐらいだしね。

 

 さて、時間的に休んでる暇もなく飛行機に乗り込みます!

 

 

 ほんの少しだけ、さよなら故郷!

 

 

 窓際の席だと意味もなく写真撮っちゃうよね。

 

北海道にロングライド侍爆誕

 国内線だと飛行機はあっという間。AM9:00にはもう新千歳空港に到着しました。預けていたロードと合流し、まずは腹ごしらえすることに。

 

 今回は札幌に訪れる予定はないので、ここで札幌味噌ラーメンを食べておこうと思い、新千歳空港内にあるラーメン道場に向かいます。

 朝9時に開店しているラーメン屋の中から、「札幌ラーメン雪あかり」のほぐし味噌ラーメンをチョイス。

 

f:id:tetragon64:20191103222447j:plain

 ピリ辛で美味でした。

 

 そして、空港内でOD缶を売っているお店、スノーショップ出発売店に向かいます。お店の遠目からガス缶がどこに並んでるかキョロキョロ見渡します(完全に不審者)。輪行袋を抱えていて店内にいると邪魔になるので。ですが見当たらず、店員さんに聞くと店の裏から持ってきてくれました。そういうことか。

 無事ガス缶を購入し、時刻はAM10:30。新千歳空港にはサイクルステーションなる場所があるようなので、そこへ向かいます。ここで自転車をセッティングし、メンテします。

 

f:id:tetragon64:20191103224212j:plain

 輪行袋から取り出し……

 

f:id:tetragon64:20191103224241j:plain

 車輪をはめ込み……

 

f:id:tetragon64:20191103224307j:plain

 空気を入れ……チェーンオイルをさして……

 

f:id:tetragon64:20191103224657j:plain

 準備完了! さぁ、いざ尋常に、出発!!

 

f:id:tetragon64:20191103225422j:plain

 しゅっぱつ…………

 

f:id:tetragon64:20191103225456j:plain

 …………

 

f:id:tetragon64:20191103225518j:plain


 ……なんで雨降るねーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

予報外れの大雨

 雨が降るなんて聞いてない! 天気予報では確か今日は晴れだった。なのになんでこんな仕打ちを……

 通り雨だと高を括って上のみレインウェアを羽織っていったら、ついに土砂降りになって降りかかってきた。ズボンはびしょびしょ。とりあえず十数分で到着予定のノーザンホースパークまで我慢して行こう……と思ったけれど……

 

……こんな大雨でノーザンホースパーク行ってもしょうがなくない……?

 

 なぜか雨はやむ気配すらない。昔ノーザンホースパークに行った思い出は晴れの日で、牧場だから当然屋根のない開放感の中で馬と戯れるのが楽しかった。こんな雨の中で行ったとして、どれだけ楽しむことができるのだろうか。というか、お馬さんと会えるのだろうか……

 

f:id:tetragon64:20191104122747j:plain

 雨がしのげるトンネルの中で15分ほど考えた結果、ノーザンホースパークはパスしてキャンプ場に直接向かうことにしました。雨だと移動にどれだけ時間がかかるかわからないしね。

 ウインドインハーヘアに挨拶できないのは悲しいけど、こんな雨じゃしょうがない。

 

 

目的地変更

 ということで、雨の中新千歳空港から出発し、南下を始めた私。相変わらずの雨。そして、ノーザンホースパークに寄ってから着替える予定だった普段着+レインウェアのまま漕いでいる。どこかで着替えなくちゃいけないんだけど、ここらへんは新千歳空港ぐらいしか施設がないので着替えられるような場所がない。空港に着いた時点で着替えておけばよかったと後悔しつつ、雨に打たれながら自転車を漕ぎます。

 

 国道36号をひたすら南下。交通量はさほど多くなく、ただ森林の中にだだっ広い道が敷かれている。晴れてたら気持ちいいんだろうなぁと思いつつ、散々な幕開けですがひたすらペダルを漕ぐ。

 

 しばらくすると雨も止んでレインウェアも必要なくなったので、キャストオフしつつ漕いでいくと、トイレが併設されている公園がわき道を入ってすぐのところにあったのでそこで普段着から運動着に着替えることに。

 

f:id:tetragon64:20191105101725p:plain

 ここまで10km少々。雨はやみ服装も軽くなり、まさに身も心も軽くなった状態でキャンプ場へのサイクリングを再開します。

 ここで音楽を聴くことに。頭を空っぽにして走りたかったのでパンクをチョイス。

 

 
パンクといえばこれなのなんというか相当アレ。でもいい曲なので……

 

 

苫小牧を通過

 さすがに上り坂は堪えますが、1日目の体力満タンながらの不敵さで難なく走っていきます。このアルバムを聴き終えてほどなくすると苫小牧に到着

 

f:id:tetragon64:20191105103835j:plain


 北海道名物のセイコマで初のコンビニ休憩。温かい唐揚げとかいろいろなモノが揃っててほんとにお世話になります。

 

f:id:tetragon64:20191105103936j:plain

 まぁ今回買ったのアクエリだけなんですけど。

 

f:id:tetragon64:20191105104048p:plain


 ここがだいたい中間地点。ここからしばらくは苫小牧の市街地が続き、そこから先の自然を抜けたら今回のキャンプ地、白老に着きます。

 

f:id:tetragon64:20191105104349j:plain

 さぁ、頑張るぞい!

 

f:id:tetragon64:20191105105008j:plain

 しばらく走っていると太平洋が見えました。今回の旅はほぼ海沿いを走っていくので、やっと旅の始まりを実感したような気が。

 

 音楽をシャッフル再生にしていると、こんな曲が聞こえてきた。

 

 

時々雨が降るけど水がなくちゃたいへん

乾いちゃだめだよ みんなの夢の木よ育て

――歌:μ's、作詞:畑亜貴、2014

 

 雨に降られて散々だった自分へ励ましているような気がしてすごく元気が出た……そんな一曲でした。

 

 音楽にも元気をもらってぐんぐん進んでいくと、競馬好きにはおなじみのあの牧場が。

 

f:id:tetragon64:20191105120408j:plain

 オルフェやステゴなどの生まれ故郷である白老ファームがありました。国道沿いすぐにあるんですね。

 

f:id:tetragon64:20191105120940j:plain

 雨上がり、お馬さんがのんびりされてました。後日調べたところ、現在はリトルアマポーラや、ベルーフの母レクレドールなどが繋養されているようですね。外から写真を撮っただけですが訪れられてよかった。

 

 

白老へ

 その後しばらく走るとだんだんと歩道に人が見えてきて、白老の町が近づいているように感じました。特にとある高校の前を通ると、ちょうど下校時間なのか高校生がたくさん歩いていました。友人とだべりながら歩いている彼らがとても日常的で、その光景が今の非日常な私目に映るものすべてが初めて、平日の昼下がりに見知らぬ地でロードバイクバックパックと自分の身だけでいる孤独感との対比が痛烈に感じられてすごく心が動かされました。同じ日本であるのに生まれ育った故郷が全く違う所のように錯覚して、すごく感傷的でした。

 

 景色が自然からどんどん街並みに変わってきて、キャンプ場への近づきを感じた頃。ラストスパート。

 

 

 そんな時にこんな曲がかかってきたので、ギアをもう一段上げました。

 

 海沿いの市街地から北へそれ、ポロト湖をわき目に見ながら森林の間の道を進む。アップダウンが激しく、気力を振り絞ってのぼる。最後の、もうひと踏ん張り……!

 そしてなんとか、今回のキャンプ予定地「白老ポロトの森キャンプ場」へ到着。

 

 

到達と、そして拒絶

今日はクローズです

 

 受付の窓を叩いた私を待っていたのはそんな一言だった。

 

「……え、……そんな…………」

 

 私はその言葉の意味を理解できなかった。クローズ? 入れてもらえない? なぜ? ここに泊まるために白老まで50kmを超える道のりを走ってきたのに。この付近に他のキャンプ場や個室の宿泊施設は――ない

 

「今朝の、あんな雨だったから……お客さんも来ないんで今日は閉めてます」

 

 空にはまだ厚い雲が覆っていた。今夜、また雨が降るだろう。私はただ、その場に呆然と立ち尽くすことしかできなかった……。

 

 ふと振り返ると駐車場には私のロードと、もう1人、バイクを置いてスマホを眺めている者がいた。私と同じくクローズを宣告された者だろうか。私も今夜泊まれる場所を探さなくてはとスマホを開く。チェックインの時間的にホテル以外の選択肢はないが、それがある苫小牧まで20kmも戻らなくてはならない。自転車では堪える距離だ。しかし、それしか方法は……。

 

「お兄さん、自転車で来たの?」

 

 野宿も辞さないという覚悟を決めかけた時、先ほどの受付の人が一度閉め切った窓口を再び開けて言った。はい、と私が返す。

 

いいよ、じゃあ、開けてあげる

 

 と予想だにしない声が返ってきた。と、いうことは、ここに泊まれる……?

 

「自転車で来たんじゃこれから泊まるとこ探すの大変でしょ。そこのバイクの人も! 開けてあげるよ!」

 

 窓口から身を乗り出して呼ぶその大声を聞いてようやく私は、ここで一夜を明かすことができるという実感がわいた……。

 

 

本当の到着

 というそんなこんながありまして、結果的に無事、予定していたキャンプ場「白老ポロトの森キャンプ場」で泊まることができました。一時は血の気が引くほど焦りましたが、そんな私を見かねて開けてくれた管理人さんには本当に感謝しています。

 ここから得た教訓としては、シーズンオフや天候など人がいない状況が予想される時は行く前に確認の電話を一本入れましょう、ということです。考えてみれば宿泊費たった数百円のためにキャンプサイトを開けてくれるのは相当のご厚意ですし、宿泊者がいるかいないかというのを想定しやすくするためにも必要ですね。ゆるキャン△第1話みたいに「貸し切り状態……シーズンオフ最高」となるのは相当の条件が必要ということですね。これぞゆるキャン△の理想と現実。

 

 

 私とバイクで来たライダーさん2人に向けてキャンプ場を案内していただき、キャンプ地へ続く道を開けていただきました。途中、道端の先30m向こうで鹿が逃げていくのが一瞬見えて、北海道の自然を感じました。まさか鹿とお目見えするとは……

 

 そしてとうとうキャンプ地に着き、荷下ろしを始めることに。結局この日ここに泊まったのは私とそのライダーさんだけでした。話してみると私より1,2コ年上の、どうやら地元の人らしく、自転車でもロングライドキャンプをしたことがあるようでした。普段は仲間内でキャンプをしているらしく、ソロでこうしてキャンプに来るのは今日が初めてだと語っていました。

 

f:id:tetragon64:20191108211132j:plain

 早速テントを設営し、食料の調達をしに市街地のコンビニへ戻ります。コンビニは白老の一番賑やかな通りに面していて、その通りでは何やら女性の歌謡曲が流れていました。その歌がハッキリとは聴こえないまでもなんだかすごく田舎臭くて、思わず「のどかだなぁ」などと思ってしまったのですが、コンビニで買い物を終えて出ると今度はKing & Princeの『Memorial』が流れていて「ごめんなさい」となりました。たぶん有線放送とかでたまたまそういう曲が流れてただけだと思う。

 食料や水はもちろん、酒やおつまみの調達も欠かせません。きちんと買って野営地へ戻ります。あたりは既に真っ暗。まだ18時を回ったばかりですが、アウトドアで生活していると「」という現実が突きつけられているような気がして、もう寝る支度をしなきゃというような感覚になる。学生にとっての18時って「1日はまだまだこれから」的な雰囲気だけど、全然違ってすごく衝撃的だった。

 

 

レッツ・ソロキャン・クッキングタイム!

f:id:tetragon64:20191108211700j:plain

 ロードで走ってきた証のヘルメットにガッツリオヤジ臭い酒とおつまみ……もう健康的なのか不健康なのかわからん。でも頑張ったからいいよね。

 テントの中で一通りビールをあおったら、外へ出て食事の準備をはじめます。

 

f:id:tetragon64:20191108213836j:plain

 バーナーに火をつける瞬間が一番ソロキャンしてる実感ある。

 

f:id:tetragon64:20191108213929j:plain

 コッヘルに水を注ぎ、お湯を沸かします。

 

f:id:tetragon64:20191108214006j:plain

 今回チョイスしたのは一風堂の豆腐スープ。普段あまり麺なしのコンビニスープ買わないからここぞとばかりに。

 

f:id:tetragon64:20191108214114j:plain

 そこに先ほどのスモークタンを2枚ほど入れます。

 

f:id:tetragon64:20191108214159j:plain

 その上からスライスチーズを2枚。

 

f:id:tetragon64:20191108214250j:plain

 入れすぎたかな? まあいいや。

 

f:id:tetragon64:20191108214316j:plain

 お湯が沸いた! 入れます。(カメラアングル下手か)

 

f:id:tetragon64:20191108214521j:plain

 30秒ほど待ちます。そして完成!

 

f:id:tetragon64:20191108214631j:plain

 タンにチーズが絡み合ってこれは……美味そう……

 感想はいかに……

 

 

f:id:tetragon64:20191108214759p:plain

 

 サムズアップ

 

 美味い! 疲労困憊の頭で考えた即席豆腐&タンスープだけどめっちゃ美味い! 誰に何と言われようとこれは料理ソロキャン料理なのだ!

 

f:id:tetragon64:20191108215020p:plain

 これは酒が進みますわ。

 

f:id:tetragon64:20191108215111j:plain

 豆腐&タンスープを飲み終えた後は、梅のおかゆを買っていたのでそれを空き容器に溶かして余ったチーズを入れて食べました。コッヘルを頑なに使わないのはただ洗い物を増やしたくないだけです。

 

f:id:tetragon64:20191108215307j:plain

 これもサムズアップ。Big up, ソロキャン飯! Big up, ビール! Big up, 北海道!!!

 

 ソロキャン飯を満喫したところでテントにいそいそと戻り、寝袋にくるまって明日からのことを考えながら眠りにつきました。ここは北海道のとある森の中。生きて帰らなければ……。

 

 

北の地にて思慮に耽る

 北海道ロングライドは初日から本当にいろんなことがありました。予定の変更もあり目まぐるしかったですが、まずは無事に予定キャンプ地まで走破でき安心の気持ちが強かったです。眠る前まで思慮に耽っていたことは、「生きる」ということの客観的な見方です。普段そうしているようにSNSを開くと様々な人がいつも通りに呟いていて、それらの人々と今の私はどこか違うような錯覚にさらされました。まるで渋谷の交差点のど真ん中でテントを立てて中にいるような気さえ、Twitterを見ていると感じました。私と彼らは同じ「生きる」行為をしているけれども……。
 毎日のように誰かが配信をして、そこに1万と視聴者が見に行く。配信者がお疲れさまでしたと呟くと秒でリプライが飛んでいく。その様を、人里離れた森の中で寝袋にくるまりながら眺める自分……私が好きな配信の話ですみませんが、私もよく配信でコメントを残したりするもので。今まで当たり前と思っていたどこかの誰かとの情報のリアルタイム性もインターネットの発達によって享受できるもので、しかも自分の日常の中の時間をあぶり出してそこに費やしている今の私はそんなことする暇すらないけれども、と考えたところで、私たちが生きる時間の流れって人によって様々だなと、今更ながらに気づきました。

 それから……確か一人旅は人生で二度目だな、というのも思い出していました。一度目は高校1年生のとき。青春18きっぷでなんとなく行きたくて距離的にも丁度良かった名古屋まで揺られながら、ポケモンセンターゴヤでもウィンドウショッピングしただけで何も買わず、浜松の餃子が食べたくて浜松駅で降りてみたものの1人で店に入る勇気がなくてそのまま電車に戻り、ついぞ何をすることもなくただシーズンオフの観光地を写真を撮って帰ってきただけという、今もネタとして語り継がれている一人旅。あの頃はバイトもせずお金もないまま旅に出たけど、一人旅を決心する心持ちだけは今もあの頃もあまり変わっていないんじゃないかと。あれから7年、お金もできることも勇気も増えたけど、バイタリティは変わったのかな。もっと野心を持って生きてたいな、と感じました。

 

 

1日目・振り返り

f:id:tetragon64:20191109001545p:plain

 北海道ロングライド1日目、この日走った距離はこれくらい。雨に降られたけどなんとか走り切りました。

 さて、明日はどんな日になるでしょうか……。

 

 続く!

 

旅行-キャンプ-新千歳―函館ソロ旅 カテゴリーの記事一覧 - テトたちのにっきちょう

tetragon64.hatenablog.jp

新千歳~函館3泊4日ロングライドソロキャン0日目【装備編】

 こんにちは。テトです。

 

f:id:tetragon64:20191029135338j:plain

 10月上旬某日に、3泊4日で北海道・新千歳~函館を相棒のロードバイクとともにロングライドでソロキャン・旅行してきたので、その道程を書いていきたいと思っています。

 

f:id:tetragon64:20191029135406j:plain

 よろしくお願いします。

 

f:id:tetragon64:20191029135420j:plain

 

きっかけ

 北海道は私が訪れたことのある都道府県の中で一番「もう一度行きたい!」と思える場所なんです。自然は豊かだし人は優しいしサラブレッドにも会えるしラーメンは美味いしメロンも有名だし、何と言ってもいくらが超美味い

 「毎年1回は北海道に旅行していくらを食べに行く」というのを社会人になってからの人生の1つの糧にしようとしているくらいなので、それはもう北海道にゾッコンなのです。

 

 『人生の夏休み』こと大学生である今、時間が有り余ることに定評があるので、今年の夏は特に「北海道旅行、しようかな」というのが選択肢の1つにありました。
 しかし、大学生というのは時間はあってもお金は足りないもの。アルバイトをしているとはいえ、北の大地に旅行なんて行ったら学生程度のなけなしの貯金なんてすぐ吹っ飛んでしまいます。

 「社会人になってからのお預けかなぁ……」と思いながら、夏は過ぎ、北海道旅行の選択肢もいつの間にか消え去り、秋が訪れました。

 

 その日、バイトでいつものように仕事を終え、事務所で後輩たちと話していると、有休の話になった。インターンで長期休暇をもらっていた人が有休を消化したらしい。

「有休か、いいなぁ」

「有休使えばいいじゃない」

「僕はインターンみたいな有休使う尤もらしい理由なんてないですよ」

「尤もらしい理由作ればいいじゃない」

 そんな後輩たちの会話をぼーっと聞いていた。

「例えば、そう、どこかに旅行に行くとか

 ……ん? 旅行? 

 その言葉を聞いた瞬間、私の内に秘められ気づかず忘れ去られていた何かがこみ上げてくる感覚がした。

 

 後日、先輩に有休のとり方をさらっと聞き、そのついでに、ちょっと疑問に思っていたことを聞いてみました。

「でも、有休って辞められる前にまとめて取る人が多いですよね。それが定石なら、僕も辞めるまであまり取らない方がいいんですかね……」

「違う違う、その逆で、あまりまとめて取らない方が助かるらしいよ」

 知らなかった。そうなのか。
 例えるならば有休は大富豪におけるジョーカー。いつでも使える最強のカード。しかし、最後に上がるためのカードとして取っておくことはやがて反則負けに通ずる。

 ならば。使わせてもらおうか……有給休暇とやらを

 

 ……というわけで、有給休暇を使うために旅行に行ってきました。少しくらいは旅行費の足しになるかな……という感じ。それでも全然交通費すら賄えませんが、なんだか有休に「旅行に行け」と言われているような気がしたので……北海道に行くなら季節的に今が限界と思い、急いで旅行の計画を立てることにしました。

 

 

目的

 最大の目的は「いくらを食べる」ですが、次点で「ラブライブ!サンシャイン!!』の聖地巡礼をする!」という目的があります。

 

 てか最近、主にサークルの人に「最近何してるの? 聖地巡礼?」って言われるほど聖地巡礼キャラが定着してる……言うほど俺聖地巡礼してるか……?

tetragon64.hatenablog.jp

 

 ヘキサのほうが聖地巡礼してるぞ……しかも沼津に何回も…………

 

行きすぎだろ……

 

 今回はラブライブ!サンシャイン!!』2期8,9話の舞台であり、Aqoursのライバル・Saint Snowの生まれ育った函館を聖地巡礼していこうと思います。

 なので函館を訪れることは絶対条件ですね。

 

 そこで、とりあえず東京―函館間の飛行機代などを調べてみることに。

 

 ……

 

 …………

 

 ………………たけぇ!!!!!

 

 なんじゃこりゃ!片道2万とかザラじゃねぇか!これじゃ新幹線使っても大差ないよ!!!

 

 函館空港を利用する運賃が爆高すぎる。新千歳空港にはLCC使えば1万以内で行けるのに……

 ……ん? 新千歳空港

 

 そういえば、過去に家族旅行で北海道に行った時も、函館に降り立って出発して(レンタカーで)札幌に向かって新千歳の飛行機で帰った気がする。

 今回もそうすればいいんじゃね?

 

 と、いうことで、新千歳空港を旅行の出発点とし、函館まで下っていって函館から新幹線に乗って帰るルートで旅行に行くことにしました。

 そうなると気になるのが交通手段。

 ベストは自分の足として使えるレンタカーですが、一人旅で使うにはちょっと値が張る……
 聖地巡礼で色々な場所を巡るにしても、車だとちょっと小回りが利かないな、とも思う。

 悩む私に天使か悪魔か、囁かれたその一言はこの旅と私の運命を変えた。

 

"車がないならロードバイクで道南横断しちゃえばいいじゃない"

 

 ロードバイク、持ってはいるものの、今までほぼ通勤や隣町への買い物ぐらいでしか使ったことがなく、ロングライド自体が初めて。しかも今回は輪行を使った異郷の地での数日間の旅。出発してしまえば後戻りは困難。どう考えても初心者が踏み込んでいい領域ではない。しかし……

 

ゴールに辿り着かなければ故郷に帰れないサバイバルロングライド……超楽しそう!!!

 

 度し難いぞオーゼン。

 そんな向こう見ずな発想で今回の自転車旅の計画へ。ロードバイクのメンテの仕方を最低限わかっていれば大丈夫だろうと。また、北海道の道南を2泊3日ペースで走破している御方のブログもネット上でちらほら見かけたので(百戦錬磨のローディーの方を初心者が参考にするな)、いける! と思ってしまいました。

 

 そして最高に度し難いのが道中の宿泊について。

 3泊4日の北海道旅、毎日個室の宿に泊まるのはちょっと出費がかさむ……(ライダーハウスも知らない人と仲良くなれて楽しそうだけど、テトは他人と同部屋で眠れたためしがないのである)ので、この際テントも持って行ってソロキャンも兼ねてしまおうと!

 ここまでならまだいいものの、問題はそのテントをバックパックに入れて背負ってロングライドしようと思ってしまったのである!

 

 テントも昔父と使っていた登山用の2人用テントだから軽いわけではないし、その登山の感覚で「バックパックに背負っていくもの」という感覚でいた……ロードバイクにそんな荷物を積み込める装備にするにはお金がかかるし、なんにせよ舐めきっていた。10kgを背負ってロングライドする辛さを。

 

 どうなったのかは言うまでもありませんが、こんな旅の道程をこれから記事にしていきたいと思います。

 

 結論として、今回の旅の目的はと言うと、

 

 

そして、旅の目標は、

 

  • ロードバイクで270km走破する!
  • 3泊のうち2泊をソロキャンする!
  • 生き延びる

 

 

 なんでこいついつも死にかけながらキャンプしにいくんだよ……

 

tetragon64.hatenablog.jp
ブログメンバー+αで死にかけながらキャンプした時の記録です

 

 

装備

 まずは旅の相棒から。

 

 

 だいぶ昔に買ったので型番とか憶えてないんですけど……(旅の相棒の名前を知らないクズ)
 俺はこいつと旅に出る(キリッ

 

 

 「輪行」と検索して適当に安いやつを選びました。普通に使えました。電車や飛行機に持ち込むためにはこれとエンド金具必須。

 

 

 

 マジでロングライドとかしたことないのでそういう装備全然持ってなくて、これだけ買いました。サイクルジャージとかはなくても大丈夫でした。
 サイクリング時の服装としては上はピッタリとしたインナーに半袖のスポーツウェア、下はこのサイクルパンツの上にレギンス、軽い半ズボンでした。10月の寒い北海道でも雨の降らないうちはこの服装でちょうど涼しいくらいで快適でした。

 

 

 

元々、自転車で旅をしたくなったのがとあるモトブロガーの動画を見た影響もあるので、自転車にスマホを取り付けて撮影する用に買いました。スマホを横向きにつけて横ワイドで撮影できるのが決め手で購入。ただ、Google Mapsで道案内を聞きながら動画撮影するという負荷をスマホに与えたところ一瞬で充電がなくなってしまったので、初日でお役御免となりました。やっぱりカメラ単体で買わないといけんね。

 

 

[マイケルリンネル] Big Backpack ML-008 ML-008 Black/Yellow

[マイケルリンネル] Big Backpack ML-008 ML-008 Black/Yellow

 

 

 バックパックはこれ。普段でも使ってましたがボタンが閉まらなくなるほど物を入れたのは初めてでした。

 

 

 

 昔父と登山に行っていた時に使っていたもの。モンベルのテントは軽くて丈夫で快適。

 

 

 

 昔父と登z(以下略
 超コンパクトでかさばらない上にしっかり暖かいので、荷物が制限されるツーリング・ロングライドにはうってつけ。

 

 

 

 モンベル三銃士を連れてきたよ
 これもかさばらないし、蒸れにくいので自転車旅にはぴったり。ただ、自転車乗りたるもの裾バンドは忘れずにつけましょう(1敗)。
 レインウェアは使う場面が来ないに越したことはないのですが、今回の自転車旅では大活躍でした(皮肉)。

 

 

コールマン アウトランダー マイクロストーブ PZ 203535 【日本正規品】

コールマン アウトランダー マイクロストーブ PZ 203535 【日本正規品】

 

 

 ガスバーナーはソロキャンに必要不可欠!コールマンのバーナーのこの形にはむしろ懐かしい感覚すら覚える……そんなスタンダードなものです。
 ガスは空輸できないので、飛行機でキャンプしに行く人はバーナーのついでにガスをまとめて買わないようにしましょう。空港で売ってたりします。

 

 

スノーピーク(snow peak) トレック 900 SCS-008

スノーピーク(snow peak) トレック 900 SCS-008

 

 

 この前『ゆるキャン△』を見てたら「コッヘル」というワードが出てきて超懐かしくなった。日常生活で「コッヘル」なんて言わないからさ……
 それで今回の旅にもコッヘル持っていこうとして探したけど見当たらなかったので丸形の飯盒持って行きました。お湯とか注ぎにくかった……今度はちゃんとしたコッヘル買います。

 

 

 

 テント泊の場合重要なのがバッテリー問題。写真撮影のみならず道案内や音楽再生などあらゆる面でスマホを活用するのでバッテリー切れは死活問題。2013年に購入したAnkerの8400mAh(意外と長生きでありがたい)と2018年初頭に購入した中華の24000mAhをフル充電・万全の体制でスタンバって行きました。結果、3泊目のホテルに着くまでにギリギリ間に合うことができました。24000mAhバッテリーが0%と表示しながら尚も充電を続ける姿は涙なしではみられなかった。

 

 他にも持って行ったものはたくさんありますが、リンクを置いておくに留めておきます。

 他にも……

  • カラビナ(あると何かと便利)
  • トゥルーワイヤレスイヤホン(片耳だけつけて道案内を聞いたり音楽を聴いたりできる)
  • 汗拭きシート(毎晩温泉に行ける場所に泊まれるわけじゃないので……)
  • 一脚兼自撮り棒(過去に紹介してます

 この他に持って行ったほうがよかったモノとしては、USB-ACアダプターやクリアファイルなどが挙げられます。なんでUSB-ACアダプター持って行かなかったんだろう……(コンビニでバリ高のものを買う羽目になりました)。

 

いざ出発

 このようなきっかけをもって、装備を整え、北海道にいざ行かんすることになりました。

 

いざ、試される大地へ。

 

 次記事にていよいよ旅の道程を書いていこうと思います。

 

 続く。

 

(テト)

 

旅行-キャンプ-新千歳―函館ソロ旅 カテゴリーの記事一覧 - テトたちのにっきちょう

tetragon64.hatenablog.jp

【検証】ふもとっぱらで雨の中2泊3日キャンプしてみた

こんにちは。


心はふとっぱらでありたいヘキサです。


いつも当ブログを読んでいただきまして、ありがとうございます。

 


今回は、テト、ペンタ、ヘキサの3人に共通の知人であるアニキを加えた4人で、静岡県の富士山の麓にあるふもとっぱらキャンプ場で2泊3日のキャンプを実施しましたので、その様子をお楽しみいただければと思います。


ふもとっぱらってこんな場所で、こんなことができて、キャンプって楽しそうだなぁと思えるようなものになったり、何かの参考になったりしたら幸いです。

続きを読む