こんにちは。
食べては太るし歩けよヘキサです。
いつも当ブログの記事を読んでくださり、ありがとうございます。
今回は、久々のテトたち3人の合同企画のブックレビューの第一弾!
当ブログの共同執筆者であるペンタがオススメした本をヘキサが読んでレビューを書くという企画です。
ペンタがオススメした本がこちら!↓
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
- 購入: 84人 クリック: 1,493回
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2006年に発売され、山本周五郎賞の受賞や第137回直木賞候補、2007年本屋大賞2位に選ばれるなど、メディア等でもたくさん取り上げられた超スーパー有名作品であり大ベストセラー小説です。
ペンタも森見登美彦さんのファンだということは「自己紹介(ペンタ編) - テトたちのにっきちょう」でも述べていますね。
この本はテレビ番組「乃木坂ってどこ?」2014年10月19日放送の「乃木坂ポップ女王決定戦!!」にて、ヘキサの推しメンである深川麻衣さんが「おともだちパンチ」をイメージした飛び出すポップを作成し、ぜひ読んでほしい本として取り上げていました。
ヘキサの推しメンである深川麻衣さんが読んでいて好きな小説ということは、これは読むしかない。(オタク)(オタク的思考)(オタク的帰納法)
読まないと「おともだちパンチ」しちゃいますよ♡
読まれたことがある方も多いと思いますので、この記事でヘキサが読んだ感想を共有できたらいいなぁと思います。
※この記事には一部ネタバレが含まれていますので、ネタバレが嫌だという方はブラウザバック推奨です。
あらすじ
「黒髪の乙女」に密かに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねぇ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。
角川文庫版裏表紙のあらすじより引用
ウルトラざっくり要約すると、「先輩」と「黒髪の乙女」を主人公とする恋愛ファンタジー小説です。(作者の方に怒られそう)
人生初の小説
ヘキサは、今回読んだ「夜は短し歩けよ乙女」が人生で初めて本格的に読んだ小説となりました。
もちろん、国語の教科書で扱った作品は除きます。有名どころだと、夏目漱石の「こゝろ」やヘルマン・ヘッセの「少年の日の思い出」など、物語や小説は国語の教科書に載っている作品は多いですが、特に中学生以上になると教科書に全ては掲載しきれないため、ある場面がカットされたり、一部の場面しか載っていなかったりということがありますよね。
蛾を収集してる絵が衝撃的。「そうか、君はそういうやつだったのか」(名言)
ヘキサは文章を読むのがそんなに得意ではなく、国語の時間が苦痛で苦痛で仕方なかったので、教科書以外では小説には触れてきませんでした。
「物語・小説」という言葉の広義の意味で捉えれば「かいけつゾロリ」シリーズは読んだことがあるため、そこに含まれるかもしれなですね。
今でも新作が次々出てるゾロリもすごいし子どもからの支持もすごい。
ってか、物語・小説の経験はマジでその程度です。
今回は、ペンタが推薦した本を読むという企画で、小説が好きで小説を普段からよく嗜んでいるペンタが選んだ「夜は短し歩けよ乙女」を読むこととなりました。
そういえば、ペンタの「このご時世にCDを買うことを全力で正当化してみる - テトたちのにっきちょう」の記事の中でも「夜は短し歩けよ乙女」の一節が引用されていましたね。
「御財布への信頼に一抹の翳りある」音楽好きのために中古CDはあるのです。
上記記事より引用
恐る恐る読みました…
ヘキサは何しろ大学ではレポートを作成したり自分の知見を広めたりするために、学術に関する説明文や論説文ばかり読んでいました。なので、筆者の主張や研究の内容、その根拠などに注目して読むという読み方ばかりでした。
そのため、今回この小説を読み進めるに当たって、小説を読むということに本当に慣れていないし、慣れるところから始まりました。公道に出る前に教習所の敷地内で慣れない車の運転の仕方を練習していくようなぎこちなさが自分の中で溢れ出ていました。
最初の1章と2章くらいは本当に慣れるための練習というか犠牲になりましたね。ごめんなさい。
この文章は「だ・である調」と「です・ます調」の2種類の文体が使い分けられているのですが、それが「だ・である調」の部分は「先輩」の語りであり、「です・ます調」の部分は「黒髪の乙女」の語りの部分であるということを意味していることすら気付くことができませんでした。
ヘキサはあほ。
とんでもねぇあほ。
ありえねぇレベルのあほ。
全体の1/3くらい読み進めた2章の途中くらいで気付きました。
隣でそれぞれの課題の本を読んでいるテトとペンタには思いっきり笑われましたね。
そんなことにも気づかねぇでやんのwww
どんどんこの小説を読んで慣れるにつれてストーリーの理解ができるようになっていきました。
その後、3章のあたりでペンタに言われて気がついたのですが、羽海野チカ先生が描く「黒髪の乙女」のイラストが本の後ろの方にある「かいせつにかえて」という題目でこの作品が終わった後のページに掲載されていました。
3章のあたりで羽海野チカ先生の描く「黒髪の乙女」の絵を見ることで、自分の中での認識を整理して、イメージがしやすい状態でこの後のストーリーを読むことができました。
小説を読むのに慣れているのであれば、自分のイメージしたキャラクターが自分のイメージの中で話が展開していくので、こういう解説は蛇足のように感じられるでしょう。
しかし、ヘキサみたいな超絶ウルトラハイパー小説初心者にはとってもありがたいです。自分のイメージの違いを修正できて、すっと内容を頭の中で描くことができるようになりました。
そういう意味で、小説初心者にとても読みやすくてとっつきやすくてストーリーもとても面白い、初心者から楽しめる恋愛ファンタジー小説と言えるでしょう。
超奥手男子の甘酸っぱい恋愛模様
この物語には前述の通り、2人の主人公がいます。
「だ・である調」で語る「先輩」と「です・ます調」で語る「黒髪の乙女」です。
特にこの「先輩」が恋愛に奥手の大学生男子です。
「先輩」は恋心を抱いた「黒髪の乙女」に自分の存在を認知してもらうため、「なるべく彼女の目に止まる作戦」、略して「ナカメ作戦」と名付けて実行していきます。しかし、この「ナカメ作戦」は名前からも推測できるように超奥手で控えめな作戦です。そのことが伺うことができる「学園祭事務局長」と「先輩」の会話がありますのでご紹介します。
「それで、あの子とは何か進展があったの?」
「着実に外堀は埋めている」
「外堀埋めすぎだろ?いつまで埋める気だ。林檎の木を植えて、小屋でも建てて住むつもりか?」
「石橋を叩きすぎて打ち壊すぐらいの慎重さが必要だからな」
「違うね。君は、埋め立てた外堀で暢気に暮らしてるのが好きなのさ。本丸へ突入して、撃退されるのが恐いからね」
「本質をつくのはよせ」
「夜は短し歩けよ乙女」p158L13〜p159L3より引用
とっっってもわかりみが深い!
(語彙力のNASA)(語彙は宇宙の彼方へ旅立った)
とにかく作戦を考えて実行したり、「黒髪の乙女」の情報を収集しては偶然を装うために様々な場所に出かけて行ったりする姿、またその作戦の奥手さや歯がゆさ、もっと近づきたいのですが、嫌われるリスクを懸念するために控えめに動いたり、控えめな言葉がけしかできないという「先輩」の姿が、ヘキサと重なる部分があり(ってか、誰でも控えめになってしまう気持ちはあるので、その部分の共感がこの作品のミソとなっている)、その姿がとても甘酸っぱく感じます。
ヘキサもこんな学園祭を過ごしたかったなぁ……ヘキサの学園祭の様子は「文化祭の装飾が楽しくてつい頑張ってしまう話 - テトたちのにっきちょう」をご覧ください。
濃いキャラクターの登場
この小説にはもちろん「先輩」や「黒髪の乙女」以外にもたくさんのキャラクターが登場します。この小説に登場するキャラクターが全員濃いというか、特徴がありすぎてどこから突っ込んだらいいのかわからないレベルで特徴があります。
その中でも、やはり「黒髪の乙女」というキャラクターを作り上げたことが一番この小説を面白くしている点でしょう。山本周五郎賞の選考委員だった重松清は「黒髪の乙女」の「一人称としての「天然」を描ききったこと」を理由に挙げています。
夜の街を歩く姿や学園祭で緋鯉を背負ってまわる姿、その他多くのツッコミどころ満載の奇々怪界な行動を、中途半端で止めることなく、天然さを貫き通しています。最初はどこから突っ込めばいいのかわからない感じで世界観として受け止めるのに時間がかかりましたが、慣れればその振り切った天然さが癖になるというか、それを求めるヘキサの姿がありました。
にゃんこスターのサビの縄跳びを飛ばない振り付けの変な踊りを最初はおかしいと突っ込んだのですが、徐々に飛ばないサビの変な踊りを求めるツッコミのスーパー三助の気持ちと同じような気持ちかもしれません。
あの変な踊りを期待しているぼくがいる……
このキャラクターの振り切り方は映画「翔んで埼玉」にも通じるものがあると考えます。
中途半端な埼玉ディスで終わるのではなく、ストーリーでは実際の地名とは関係ない、また過去の話という設定にすることで、批判をかわしつつ、原作以上に強烈でぶっ飛んだ埼玉ディスりを盛り込んだと思えば、それをキャストがシリアスに、真剣に笑うことなく演じることで、そのシュールさから多くの笑いを生み出し、その埼玉ディスりの強烈さが癖になるという状況を作り出しているという点でも同じでしょう。
関係ないけど浦和対神戸の試合後に出たこのコラ画像大好き。
つまり、振り切った姿を描くことで癖になる物語の味を出しているのだと感じました。
おわりに
今回は、ペンタの好きな小説の1つである「夜は短し歩けよ乙女」を読んで、その感想だったりブックレビューみたいなものをまとめてみました。
ぜひまだ持ってないという方はぜひ読み応えがあって面白い小説だと思うので、買っていいのではないかと思います。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/12/25
- メディア: 文庫
- 購入: 84人 クリック: 1,493回
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「持ってるよ!」「読んだことあるよ!」という方はぜひヘキサと感想を共有しましょう!
恋愛ファンタジー小説として、恋の甘酸っぱさを秀逸に描いた作品だと思います。読んでいてもどかしくなりますよね。
もっと恋が単純だったらいいのになぁ…
最初からハッピーエンドの映画なんて
3分あれば終わっちゃうだろ
疑ってみたり不安だったり
そして最後にKissでしめるのさ
ポルノグラフィティ 「Century Lovers」より引用
ハルイチは天才。はっきり分かんだね。
なんか結論ずれたけど気にしない気にしない。
ハルイチの天才さについては別の記事でまとめています。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
(ヘキサ)
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