こんにちは。テトです。
今回は、初めてギターに挑戦しようと思っているそこのあなたに贈る記事です。
オブジェになったらどうしよう……
初めてのギター、何を買えばいいか迷っちゃいますよね。
わかります。私も初めてギターを買う時は迷いました。
そんな、「1本目のギター、何を買えばいいのかわからないけどとりあえずネットで情報収集してみよう」と思った勉強熱心なあなたのために、少しでも参考になればと思い書いています。
ギターって、「昔やってみたいと思って買ったけど今は物置の奥底に眠ってる」みたいな話が割と各所で聞こえる趣味なだけに、「いざ自分が買ってみても続かないんじゃないか……」とつい不安になってしまいますよね。
(かくいう自分も半年弾かなかった期間が今まで幾度となくあるので人のこと言えないですハイすいませんした……)
初めて買ったギターが物置の肥やしにならないためには、コツコツ続けられる人間かそうでないかというのも勿論影響しますが(身も蓋もない)、どんなギターを買うか、というのも実は結構大きい要因だったりします。
今回はそんな「物置の肥やしになりやすいギター・なりにくいギター」みたいな感じで捉えてもらえればいいなと思います。
エレキかアコギか
まず、ギターには大きく分けて2種類のものがあります。
エレキギターか、
これら2つの違いは、
- アンプを必要とするか、それ単体で音が出せるか
です。アコースティックギター(通称:アコギ)はそれだけで音を奏でることができますが、エレキギター(通称:エレキ)は通常アンプにケーブルを繋いで音を出すことになります。
それぞれを詳しく見ていくと、
アコースティックギター
- アンプに繋がなくても音が出せる(ギターを抱えて0秒で音が鳴る)
- (エレキと比べて)軽い
- (エレキと比べて)大きい
- 弦のテンションが高い(抑えるのが難しい)
- 主にソロでの弾き語りに用いられやすい
ざっくりとこんな違いがあります。
あいみょん – マリーゴールド【AIMYON BUDOKAN -1995-】
エレキギター
- (アコギに比べて)小さい
- 弦のテンションが低い(初心者でも抑えやすい)
- 音を出すにはアンプが必要
- (アコギと比べて)重い
- 主にバンド演奏に用いられやすい
対してエレキギターはこんな感じ。
BUMP OF CHICKEN「天体観測」スペシャルMV
Q.どっちを選べばいいの?
A.完全に好みです。
……と言っても迷っちゃいますよね。憧れのアーティストがアコギもエレキも使っていると特に。
上にも挙げたように、アコギのメリットはそれだけで演奏できるのが大きいです。また、弦のテンションが高く抑えづらいというのも、裏を返せばそれに慣れておけば「エレキに簡単に移行できる」ということでもあります。それ以外にも、電子回路が当然ないため物理的に破壊されなければ楽器として機能するとか、抱える姿が映える(テトはアコギ男子・女子を推してます)とかあります。
対してエレキは、弦のテンションが低く初心者でも抑えやすいという点があり、技術面での挫折のしにくさには定評があります。また、エレキを演奏するにはアンプが必要ですが、アンプ側で歪み(ひずみ)を調整したりエフェクターを買えば様々な音を出すことができます。その延長として、ギュィイーンみたいなギターソロも弾けます。
それでもなお迷うならこう選びましょう。
- バンド組むならエレキ! 組まないならアコギ!
かなりざっくりですがこれで悩みがちな人も万事解決。(アコギでバンド組んでる人もいるじゃんというツッコミもごもっともですがかなりざっくりとした分け方なのでご参考までにネ)
ちなみに、私テトは純粋なアコギは持っておらず、ovationのエレアコという、エレキでもアコギでもないみたいなギターをとりあえずアコギとして使っております。エレキかアコギかで悩んでる人にとってこの存在はもうワケわからんですが、そういうものもあるとだけ思っておいてください。
Jon Bon Jovi & Richie Sambora - Wanted Dead or Alive
オススメしないギターを教えるワケ
アコギとエレキの違いについてざっくり(ほんとにざっくり)解説したところで、ギターを選ぶ指標をお話しようとおもうんですが、私が書くこの記事では「どんなギターを選べばいいか」ではなく「どんなギターを選んではいけないか」という視点で書いていこうと思います。
「なんで? オススメのギター、コレ一本! とか教えてよ!」と思うかもしれません。(カゴメ『野菜一日これ一本』みたいなノリで言うな)
しかし、私は楽器屋さんの店員ではなくあくまで趣味でやっている土日ギタリストです。数多くのギターから初心者にうってつけの一本を選ぶほどの知識量と経験を備えているわけではありません。さらに、私はレフティ奏者なので、色々なギターを経験する機会がかなり少ないです。(じゃあなんでこんな記事書こうと思ったの? というのはこの記事の後のほうで明かすとして……)
大前提の話として、世の中には数多くのギターがあり、その種類は千差万別です。初心者にオススメの一本なんてギターがあれば、そもそもあなたはこの記事に辿り着いていないはずです。
でも、初心者にはちょっと向いていないかな……というギターも、存在するのは事実でして……私はそういうギターを買って少しばかり後悔したことがあります。
と、いうことはですよ。
そういう『初心者にはちょっとオススメしにくいギター』を省いていって、残ったギターの中から自分の好きなものを選べば、自分で選んだ思い入れも相まって結果的に『あなたにおすすめのギター』になるわけです。
それがいいなと、私は思います。
ということで、この記事ではそんな『初心者にはちょっとオススメしにくいギター』をご紹介していこうと思います。
こんなアコギはやめておけ!
そんな感じで、まずはアコギ編、始めていこうと思います。……アレ?
テトさんアコギ持ってないって言ってたじゃん!
はい、その通りです。
なので、当ブログのアコギプレイヤー・ヘキサにお話を伺いました。
1万円の初心者アコースティックギターはやめておけ!
1万円アコギはやめておけ
「1万円ポッキリで始められるなら、もし弾かなくなったとしてもそれほど痛手じゃないよね……」
そう思われる方も多いかもしれません。しかし、ヘキサ曰く「やめておけ!」だそうです。それはなぜか?
理由は「作りが安く、壊れやすいから」だそうです。確かに、アコースティックギターで1万円はとんでもなく安い部類に入り、いくらギターの形をして売られていると言ってもかなり粗悪品っぽいです。
かくいうヘキサも実際に1万円のアコギを購入して痛い目に遭っています。
ブリッジピン(弦を留めておくためのピン。弦交換の時に外す)が留めたままポッキリと折れ、取れなくて弦交換ができなくなっちゃったんだよね。直すにも「1万円以上の修理費用がかかる」って言われて、だったら新品を買ったほうが安いじゃんってなってそのギターは使い物にならなくなっちゃった。
初心者セットなどで売られているギターは、原価を徹底的に抑えて作られているものがほとんどです。これがエレキギターの初心者ギターならまだわかるんですよ。エレキの作り的に多少粗悪でも壊れにくいし、電子機器だから音が出なくなっても直しやすいし。実際、エレキギターは1万円ギターでもその品質を見直す動きが各所で見られます。(まぁ、それでも酷いものは一定数見られますが……)
対して、アコギはエレキと違って壊れたら修理が大変です。だいたいがプラスチックでできているブリッジピンは折れたらブリッジごと交換しないといけなくなるし、エレキよりも弦のテンションが高いぶんペグの強度も重要です。そんな重要な部品に作りが悪いものを使っていたら……「安物買いの銭失い」まっしぐらなのは明白ですよね。アコギに1万円は安すぎる! これだけでも胸にしまっておいてほしいなと思います。
ぜひ、1万円アコギよりももう少し出して気に入ったアコギを買って、弾き語り生活を満喫してほしいなと思います。
こんなエレキはやめておけ!
では、エレキはどうなのか? 代わって私テトが「初心者にはオススメしないエレキギター」をお話したいと思います。
一つ目!
「機能性重視」はやめておけ
初めてのギター。どうせ買うなら「最新技術を取り入れた」とか、ネックが極薄とか、機能性を求めたギターを買いたくなってしまいますよね。速弾きなんてやる予定もないのに、「速弾きしやすい」なんて書いてあるだけで「初心者でも速く弾けるのかな? 上達しやすいのかな?」なんて思ってしまいますよね。
特に、ネットである程度予習してから楽器屋に繰り出そうと思っている方は、商品詳細の文章を読んで「ふむふむ、これにはこういう技術が取り入れられているのか……全然わからないけど、機能的なんだな」と思ってしまいがち。
ネットで予習することが全く悪いことではありませんが、それによって頭でっかちになってしまうのは良くないことだなと思います。あらゆることに言えることですが、ギターは特に「百聞は一見に如かず」です。どれが弾きやすいかは実際に抱えてみるまでわかりません。ネットの情報よりも自分の直感を信じることが大事です。
厄介なのは、人間にはプラシーボ効果があるってことですよね。ネットで「弾きやすい! こういう機能がある!」という情報を見れば見るほど、実際に抱えてみても弾きやすく思えてきてしまうという罠。ネットで注意深く吟味するのをよくする方は要注意です。
1本目のギターは「一に見た目、二に弾きやすさ、三四がなくて五に音色」だと思っています。てか見た目だけで選んでいい。好きなアーティストが使っているギターとほぼ同じ見た目で予算内のもの買うだけでいいと思ってる。どんなギターでもだいたい安いやつ出てるから。THE ALFEEの高見沢氏のギターは例外だけど……
音色なんて正直わかんないし、弾きやすさもネットの情報に惑わされるくらいなら考えなくていいと思う。音色も弾きやすさも手に馴染んだもの・比較対象ができて初めてはっきりわかるものだけど、見た目の好みは何年ギターやってるかとか全く関係なく生じてくるものだから。とにかく見た目。まず見た目。
部屋にあって眺めていたら抱えたくなる、そういう意味でも見た目はかなり重要なファクターになります。そのためにも見た目重視は大事!
では「こんなエレキはやめておけ!」、二つ目の特徴をご紹介します!
フロイドローズはやめておけ
断言します。「フロイドローズ」タイプのギターは初心者はやめておいたほうが吉です。
……フロイドローズってなんぞや?
と思う方もいらっしゃるかもしれないのでざっくり説明すると、フロイドローズタイプとは弦をブリッジとナットで固定する(ロック)タイプのギターです。このようなロック式のタイプは「フロイドローズ」以外にも特許関係で様々な名前があるので、一般にギター説明で「ロック式」とか言われたらそれだと思ってください。
メリットとデメリットを初心者向けに超ざっくりと書くと
メリット
・アーミングなど激しいギタープレイをしてもチューニングが狂いにくい
デメリット
・それ以外全部
です。
弦交換が面倒
このフロイドローズね、とにかく弦交換が面倒くさいんですよ。一般のギターだと
・古い弦を切って取り除く→弦を裏から通す→ペグに巻く→チューニング→完成!
です。これがフロイドローズだと
・六角レンチを使ってブリッジ側とナット側のネジを緩めて古い弦を取り除く→弦のポールエンドを切り離す→ブリッジに差し込んで六角レンチでネジを締める→ペグに巻く→ペグを回して大雑把にチューニング→ナット側のネジを締める→ブリッジ側の調整ネジを回して最終チューニング→完成!
です。これだけでも一般のギターと比べて手間がかかるのは明らかですし、これを6本もとなると大変です。
六角レンチ行方不明事件多発
一般のギターと比べてフロイドローズギターにとって必需品となるもの、それが六角レンチ。上述の弦交換からもお分かりかと思います。
これがないと弦交換できません。なのに、よく無くなります。私は通算で5個ほど無くしました。これ大げさじゃなく。今まで買った六角レンチセット、たいていそのサイズの六角レンチだけ無くなってます。弦交換が終わってどこかにしまっても無くすことが明白なので最終的にはエアコンのリモコンとかペンとかピックとかと一緒にそのへんに置くようになりました。六角レンチと共に過ごす夏。
色んなゲージが試せない
初心者ギタリストにとって大切なのは挑戦です。色んな弦を試してみて、最終的に自分に合った「コレ!」という弦を見つけます。ただ、フロイドローズギターはそれに恐ろしいほど向いていないです。
弦のゲージ(太さ)や種類を変えると、上述の弦交換に以下の作業が加わります。
- ギターのボディ裏のスプリング(バネ)の距離をドライバー(New!)で調節→ペグを回して全弦チューニング→ブリッジの傾き加減を見る→スプリングの距離を調節→(以下ループ)→ナット側のネジを締める→ブリッジ側の調整ネジを回して最終チューニング→完成!
はい新キャラ・ドライバーが出てきました。これも無くします(1敗)。
この作業の恐ろしいところはループ作業になるところ。慣れても10分はかかります。私は最初の頃1時間くらいかかった記憶があります。こんな作業、一般のギターではありません。
しかも、完成したらはい終わりではなく、定期的にブリッジの傾き具合を見る必要があります。傾いてたらもちろん調整。
一般のギターでも弦の種類変えたらオクターブチューニングというループ作業が必要になります……安心してください、フロイドローズにもありますよ、オクターブチューニング!
しかもレベル違いに面倒くさい!!!
細かい説明は省きますが、一般のギターは弦を張った状態でオクターブチューニングができますが、フロイドローズは弦をいったん緩めないとオクターブチューニングができません。
……あぁもう思い出したくもない。
弦を緩めてブリッジ動かしてまた張ってオクターブ確認して……っていう作業がループになるのは本当に辛いですし、匙加減がわからない初心者にとってはなおさらです。ゆえに私は色んな弦に冒険するのを諦めました。
色んなチューニングが試せない
半音下げチューニングとかすると弦のテンション変わるよね?
……ということは弦の種類変えたときと同じことが待っているんだよ!(ホラー)
「チューニング狂いづらいからライブにも向いてるよね」という罠
フロイドローズタイプもといロック式の売り文句として「チューニングが狂わない!」というものがあります。
そりゃもう、固定しちゃってますから。弦交換の大変さはあれど、それに見合う信頼、メリットはあります。
ただ、問題はそれが万人に共通したメリットかということです。
ギターって意外と何気ないタイミングで弦が切れることがあります。特に初心者は演奏中に自然と熱が入っちゃって切ってしまうということがあります。それは上手い下手にかかわらず起こり得ることなので、100%そのリスクをなくすというのは無理です。
もしライブ中に誤って弦が切れてしまった場合。一般のギターであればその弦以外の弦はなんとか演奏することができます。ただ、フロイドローズはブリッジ全体でその張力を支えているため、1本の弦が切れただけで他の弦のチューニングもすべて狂います。
そんなのがもしライブ中に起きたらと思うと……怖くて眠れないですね。
その「ライブ中にチューニングする必要はなくなるけど弦が切れたときに地獄」か「激しい演奏をしただけチューニングする必要が出てくるけど弦が切れても最低限の演奏はできる」どっちを取るかは人や演奏ジャンルによりますね。
……というわけで、フロイドローズタイプは使う人をかなり選ぶギターだということがお分かりいただけたでしょうか。
もちろん「こだわりがある!」みたいな人は選んでもいいと思いますし、そういう人はきっと上にあげた苦難も乗り越えられるはずです。
ただ、自分が使ってみた感想としては「2本目以降のギターで(好きな弦が既に決まっていて)」「ギターの扱いに慣れている人」に向いているギターかと思います。
「こんなエレキはやめておけ!」もいよいよ最後、三つ目の特徴!
レフティギターはやめておけ
初めてのギター。右で弾くか左で弾くか、というところも悩みどころですよね。
今ここで「えっ、ギターに右も左もあるの?」と思った方は、悪いことは言いません、素直に右で、街の楽器屋さんにずらっと並んでいるような普通のギターで始めてください。
一般に「ペンを持つ方がピックを持つ方」と言われています。
自分のような例外もいますが。
レフティで始めるとあらゆる苦悩が伴うので、右で始める方がいいんじゃないかな、と思います。
以前に私が書いた記事ですが、これを読んでもらえれば詳しくわかると思います。
友人のギターと弾き比べができないのは色んなギターを弾く経験ができないことに繋がりますし、コード譜が逆なのは初心者最初の関門ですし、右利きのギタリストからギターを教えてもらう時に障壁になります。
弾きやすいほうで弾くに越したことはありませんが、どっちか迷ってる……というのだったら、右で始めましょう。
結び
ということで、今回は「初めてギターを始めてみようと思う人」に向けて、参考になればいいなということでオススメしないギターをご紹介してみました。
冒頭にも述べましたが、私は土日のレフティギタリストです。数多くのギターを知っているわけではありません。
なのになぜ、ここまで「初心者にオススメしないギター」を事細かに語れるのか。
それは……
言うまでもなく自分が初めて買ったギターが『機能性重視』で『フロイドローズ』タイプの『レフティギター』だったからです!!!
せめてこの記事に辿り着いた方には自分と同じ轍を踏んでほしくない……
機能性よりも見た目で選んでほしいし、フロイドローズは巧者だけが操れる暴れ馬的存在だということを知ってほしい……
いい思い出となる一本目のギター選び、そして楽しいギター生活を始める助けとなれば幸いです。
ちなみにレフティギタリストのお仲間はいつでもお待ちしております(は?)