こんにちは。ヘキサです。
2020年8月5日に米津玄師さんのアルバム『STRAY SHEEP』が発売になりました!
過去に何度も当ブログの別の記事で米津玄師さんをネタにさせていただいているヘキサとしては、「ぜひレビューを書かねば!」という衝動がありました。
もちろん、テトもレビューしていますし、テトのレビューの方が視点が優れているので、そちらを読んでから、副音声的に楽しんでいただけると嬉しいです。
ということで、本編はこちら↓
(テトに先を越された!というのが本音)
テトが速報的にレビューをまとめており、インタビュー記事や過去の楽曲、楽曲の歌詞と時代背景、そしてテトの深い音楽的知識によって、前回のアルバムレビュー記事がうまく纏まっており、ヘキサがどうアプローチしたらいいか迷いました。
そこで、今回のレビューでは、ヘキサが聞こえた音に注目してまとめています。
歌詞の意味には深く言及せず、どんな音が聞こえたか、聞こえた音からどのようなことを考えたのかを中心にレビューしていければと思います。
楽曲レビュー
01. カムパネルラ
1曲目、アルバムのオープニング曲ということで、遠いところから音が少しずつ近づいてくるような雰囲気から曲が始まり、この作品の幕開けを感じます。
ハチの雰囲気とサウンドの幅が広がった近年の米津玄師さんの雰囲気がミックスされたような雰囲気です。
一定のテンポで「ボーンボーン」と刻まれるベースの音とその上に乗る細かく複雑なサウンドと対照的なものが混ざり合っているのですが、それが米津さんの絶妙なバランス感覚によって、気持ちよさになっています。
サビでの印象的なギターのカッティングもカッコよく、ギタリストとしての米津さんの感覚もあるのか、目立ってはいないけど曲を美しく響かせるために重要な役割をになっています。
このサウンドの構成は、『diorama』の中に収録されている「あめふり婦人」や「Black sheep」などと繋がっているようにも感じます。米津さんらしさとも言えるでしょう。
余談ですが、Black sheepは直訳すると黒い羊ですが、変わり者、厄介者という意味を表す慣用句です。
欅坂46でも「黒い羊」という楽曲でテーマにされてたね。
そして今回のアルバムは「Stray sheep」つまり、迷える羊という意味です。
この後の楽曲でも「迷える羊」というタイトルの楽曲がありますね。
迷える羊とは、新約聖書でよく見られる表現です。
イエスキリストが人々の世界と神様とのつながりを例える言葉として、人々を迷える羊、神様を牧人と例えられます。
(だから教会の司祭のことを神様やイエスの言葉を伝える役割があるので「牧師」と言われるんですね)
今回のアルバム全体のコンセプトとも関係がありそうですね。
もっと余談ですが、「カムパネルラ」は宮沢賢治の小説「銀河鉄道の夜」がモチーフになっていることは言及されていますが、「銀河鉄道の夜」は様々な宗教に理解のあった宮沢賢治らしく、キリスト教とのつながりがあるのではないかという指摘があります。
じゃあ「STRAY SHEEP」と繋がっている!とは断定できませんが、そういう縦軸として捉えることもできる可能性はありますね。まあ意味づけするだけなら自由ですから。
02. Flamingo
ソニーワイヤレスヘッドホンの「WF-SP900」のCMソングです。
この曲については過去記事参照。
概ねの感想は上のテトの記事に纏まっています。
いや、マジで凄すぎる。
単純なコード進行の繰り返しなのに、独特なサウンドと強く鳴り響くベース、フィラーや巻舌音など意味を持たない声を曲の中で絶妙にミックスし、雑音ではなく、音楽としてまとめているすごさを感じることができます。
メジャーレーベルで発売する楽曲でここまで挑戦的なサウンドを発売できることもすごいですし、何より子どものような感性で音楽を楽しんでいる芸術家の鏡のようなサウンドですね。
音楽というコーナーをインコースギリギリで攻めているイメージですね。
インコースギリギリで攻めているからこそ、決まったときはかっこいいですし、この曲の魅力だと思います。
絵画で言うと抽象画の大嶋彰の作品「絵画の壁」を音楽で表現しようとしているような挑戦的な楽曲ですね。
「絵画の壁」なんて子どもの落書きと言われればそれまでだからね。
出典:http://www.ikedaart.jp/yaironomoriartex/oshima-akira-2
03. 感電
TBS系金曜ドラマ「MIU404」主題歌です。
「ぱらぱらぱら〜ぱらぱら」と米津玄師さんらしいフィラーが入っていますね。
パンダヒーローみがありますね。
あとはワンワンワンとかニャンニャンニャンとか萌えポイントも多いですね。
ライブで聞きたい。
絶対女性陣の黄色い声が入ることまで想定できますね。
アイドル思考なんだよなぁ
ブラスバンドが非常に前面に押し出されている楽曲です。
ブラスバンドは1人で1つの音を担当することが多いので、音の厚みに人の数を感じます。
ブラスバンドの音は目立つし、音圧も強いので、印象的なフレーズを作ることができます。
曲を聴いているとダンサブルで体を動かしたくなりますね。
Aメロのカッティングのギターのフレーズがヘキサの好みです。
それこそ雰囲気はポルノグラフィティの痛い立ち位置のような雰囲気を感じます。
「痛い立ち位置」についてはこの記事で解説しています。
サビのメロディーは軍歌のように一気に盛り上がって、そこから降っていく、山を描くような流れがありますね。
この音の運び方は高揚感をもたらしてくれて、聴いていて楽しい雰囲気にさせます。
1回目のAメロと2回目のAメロで少しバックの音楽を変化させて、少し落としてから再びサビに持っていくことで盛り上がりの差をつけています。
一瞬止まって緊張感を与えた後のラスサビでは、ファルセットでメロディーの一部を変化させているので、3度目で裏切るお笑いのパターンの1つである三段落ちのような飽きさせないしちょうどよく結末を迎えられるパターンですね。
04. PLACEBO + 野田洋次郎
RADWIMPSのヴォーカル野田洋次郎さんとのコラボ作品です。
ヘキサの中の米津玄師さんの勝手なイメージは孤高のクリエイターなので、山奥にあるこだわりのパン屋さんみたいな立ち位置だと思っていたのですが、前回アルバム「BOOTLEG」では池田エライザさんや菅田将暉さんとのコラボ、今回は野田洋次郎さんとのコラボと、コラボした楽曲も充実しています。
その中でも米津玄師さんの色は薄れないし、自分の楽曲に積極的に取り込んでいこうとする姿勢や実際に作品として表出したものの新たな色が組み合わさって、よりアルバムに音楽的な広がりを持たせている役割を担う楽曲になっているのではないかと思います。
米津玄師さんもRADWIMPSも高校生の時にヘキサの周りの人が注目していたアーティストだったので、その2人がコラボというのはとても興奮するね。
聴いているだけでも眼福ならぬ耳福。(福耳だと意味が変わる)
百福は安藤。
全体的にリズミカルで短い音が連なっていて、短い音の塊が流れていく感じで、小刻みに体を揺らしたくなるような楽曲ですね。
歌詞も意図的に韻を踏んでいるであろう箇所もあり、リズムをとても感じます。
特にBメロの韻の踏み方は聴いていて気持ち良くなれますね。
お互いのらしさを抽出したというよりは、お互いのらしさは関係なく作っているような楽曲に思えました。
パブリックイメージの「米津玄師」と「RADWIMPS」を足して2で割るのではなく、それぞれが楽しんで作ったら偶然にもこれが生まれたという雰囲気があると思います。
05. パプリカ
米津玄師 MV「パプリカ」Kenshi Yonezu / Paprika
Foorin「パプリカ」のセルフカバーです。
YouTubeで公開された時からとても話題になっていましたよね。
米津玄師さんのライブでも披露され、すっかり米津玄師さんの曲としても定着しましたね。
Foorinのパプリカとメロディーやアレンジで異なりますが、また別の曲としても楽しめます。
日本古来の楽器を加えて、少し大人っぽい色っぽさも含まれて、また違った聞き方ができるのではないかと思います。
オリンピックのための曲ですからね。
日本らしくしたいですよね。
まあそりゃそうするよな。
俺でもそうする!(CV:大谷亮平〈ノーサイドゲーム柴門監督〉)
(↑言いたいだけ。できるとは言っていないし、そもそもオリンピックのNHKのテーマソングなんて凄すぎます)
06. 馬と鹿
TBS系日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」主題歌です。
あまりドラマは見ないヘキサですが、「ノーサイド・ゲーム」はラグビーW杯直前ということもあり、めちゃめちゃ見ました。
コロナ禍での再放送もちゃんと見ちゃったし。
その時の主題歌として使われていたので、めちゃくちゃ聞く機会がありました。
優しいタッチのギターが印象的なフレーズもあり、そこから少しずつ盛り上がっていく楽曲で、サビのストリングスのフレーズも相まってとてもいい曲だと思います。
ドラマの世界観に合わせて、一見ラグビー感はないのに、情景を思い浮かべることができるような雰囲気はとてもすごいと思います。
ただ、ヘキサの好みではないかなぁって感じ。
いい曲ですが、掴みどころがないというか、触れられる部分が少ない気がします。
無理やりいい曲にしている感、どこかイケメンもどきのような感じがします。
いや、欲しいのはイケメンなのよ。
07. 優しい人
しっとりとした雰囲気で、ここまで盛り上げに盛り上げたアルバムの雰囲気から一転して、少し落ち着いた感じでアルバムにメリハリをつけています。
エレキギター1本で弾き語りをしているような雰囲気(ベースの音もありますが)で始まり、サビで様々な楽器が参加しますが、メインは米津玄師さんの声とエレキギターの音で、どこか暗い世界で1人で弾き語りをしているような雰囲気です。
その暗い雰囲気にサビでいろんな楽器が加わって周りに灯りが灯されるのですが、またそのライトが消えていくような切なさを感じます。(MVあるある)
こういう曲のメリハリがあると、この曲自体も良さが見えるし、周りの曲も引き立つので、いいと思います。
ただ、この曲はアルバムだからこその良さがあるように思えます。
単体で聞くには少しいいところが薄れるような気がします。
これは今後のライブとかでもどのような曲順で披露されるのか、どういった雰囲気なのか、披露の機会があれば必見です。
08. Lemon
この曲があるからこそ、他の曲も映えるし、やはり大ヒット曲だからこそ、このアルバムの看板を背負っているでしょう。
また、このコロナ禍だからこそ、誰かの死を重ね合わせて新たに感じられる意味があるのではないでしょうか。
アルバムタイトルに合わせるとしたら、この曲のMVが教会なので、迷える羊を導く賛美歌のようなものですね……って書きたかったのですが、テトが先に書いてたので悔しい。
09. まちがいさがし
って言いながら、菅田将暉さんの方の曲を聴いていなかったので、こっちがヘキサにとっては初見でした。(ヤバい)
アコースティックギターで弾き語りをしているような雰囲気から、他のストリングス隊が加わり、サビでは様々な楽器が加わって、とても盛り上がりを見せています。
雰囲気はキャンプで弾きたいと思えるくらい自然の雰囲気を感じますね。
菅田将暉さんの方はピアノベースで他のストリングスなどが組み合わされるような感じですが、アコースティックギターアレンジにすることで、また違う雰囲気になりますね。
ただ、この曲も少しきれいに纏まっていて、掴みどころがない感じがします。
これはヘキサの悪い癖なのか。
10. ひまわり
ギターのリフが印象的で、明るいサウンドになっています。
この曲は、「YANKEE」のアルバムに収録されていそうな雰囲気もあり、「WOODEN DOLL」のような雰囲気も感じます。
イントロのギターのリフが印象的で、頭に残るフレーズになっています。
脳に直接ギターの音を差し込まれるような感じがします。
そして力強くノリノリに歌うボーカルが陽気に動くベースにのって、かき鳴らすギターの音色と相まって、夏に咲くひまわりの明るさが似合う音だと思います。
11. 迷える羊
いよいよ、このアルバムのタイトルにもなっている、このアルバムのメインといえる楽曲です。
ここまで長かった。
この曲は羊が迷っている間のような、出口の見えない暗闇を彷徨っているかのような印象がある曲ですね。
まず、最初にこの曲から感じたことは、ヴォーカルの声が太いです。
太くなる歌い方で歌っているのか、ミックスでピッチを下げたのか、どういう手法を使ったという情報をヘキサは一切知らないのですが、少なくとも、この太く暗い印象のヴォーカルと曲調から、不安を感じます。
この曲はイントロはどこか暗く、機械的な雰囲気があるエレキギターのリフから始まり、Aメロではピアノの音も足されます。
このピアノの音の使い方はSEKAI NO OWARIの「ANTI HERO」に近いものを感じさせますね。
Aメロの間にもイントロのエレキギターのリフを挟んできて、この楽曲の角ばった不思議な空間を彷徨っているようなイメージをより強固にしています。
イントロはギターで始まっているのに、アウトロはピアノで閉めています。
アウトロのピアノは同じフレーズのリフですが、転調もされ、より不気味な雰囲気のまま終末を迎えています。
音楽的にどうなっているかは全くわかりませんが、すごい不安を覚えながら曲が終わります。
ある種、わざと不安を覚えながら曲を終わらせる電車の発車メロディーに近いものがあるのかな?
JR-SH-3みたいな雰囲気があるね。
12. Décolleté
ギターのリフとアコーディオンの音がかっこいい楽曲ですね。
ポルノグラフィティのライラのような雰囲気がありますね。
えせロシア民謡っぽいってことか?それアコーディオン使ったらなんでも成立するし、チャランポランタンをどう説明すんねん!って話ですが。
イントロで使われていたギターのリフが曲の軸として、音程は変わっても「ンジャッンジャッンジャ〜ッ」のリズムが曲の全体を構成しています。
この音を軸にヴォーカルやアコーディオンなど様々な音が乗っていて、このリフの上で音が踊っているようなイメージですね。
その土台としてギターのリフが機能しているのではないかと感じます。
細かすぎるけど、「デコルテにとけてく〜」のところのメロディーがヘキサの好みです。
13. TEENAGE RIOT
マンダムのGATSBYのCMソングです。
疾走感のあるギターから始まり、バンドで弾いたら最高にかっこいいんだろうなぁと思うような雰囲気で、サビでジャカジャカかき鳴らして盛り上がります。
この曲は他の曲に比べてAメロやBメロがあっさりしており音圧も控えめで丁寧に歌い上げる印象ですが、サビにすぐ入って勢いよく印象的なメロディーとギターが力強くかき鳴らす音を一気に押し付けて、サビを長く聞かせる楽曲だと思います。
この抑揚がこの曲を盛り上げています。
2番サビ終わりのCメロで、早口で細かい言葉を刻んで、疾走感ある楽曲がさらに加速させるように感じ(実際のテンポは一定ですが)、ラスサビへ最高のバトンを渡しています。
ある意味古典的でJ-Rockのテンプレみたいな構成ですが、メロディーを聴いた時に一瞬で引き込まれるようなカッコ良さがある楽曲です。
ここまで様々な変化球を駆使して試合を展開してきたピッチャーが突如ストレートを投げてきたような感覚ですね。
おまっ!そんなんもできるんか!?って言いたくなるやつやん
14. 海の幽霊
米津玄師 MV「海の幽霊」Spirits of the Sea
映画「海獣の子供」主題歌です。
ピアノを中心としたサウンドとリバーブがかかったようなヴォーカルの声で壮大な世界観を表現している楽曲だと思います。
正直ヘキサはあまり好みではないです。
もちろん、いい曲であることに変わりはないのですが。
ガチの余談ですが、海の幽霊と言われると、リヴァイアサンを思い浮かべるのですが。このリヴァイアサンは旧約聖書に登場する海の怪獣です。
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/レヴィアタン
ってことはこれも旧約聖書という点で迷える羊と繋がっている?
でもよく考えたら迷える羊は新約聖書だし関係ないかも……
15. カナリヤ
アルバムのラスト1曲です。
1番のAメロとBメロはピアノ伴奏で米津玄師さんが歌うような感じで、サビでドラムやベースが入ってきて、楽曲が盛り上がります。
今回のアルバムの楽曲は、こういった単純な楽器構成で途中まで進む楽曲が他にもありましたね。
ヴォーカルと1つの楽器だけのサウンドは、弾き語りを連想するので(もちろんレコーディングは別々でしょうけど)、1人で弾き語る姿を連想します。
「感電」でブラスバンドが出てきて、楽器の数だけ人の数を感じるのとは対照的ですね。
サビでは様々な楽器が入るので、人の数を感じることができます。
もちろんこれも、PCで作ることもできるから1人で完結するという意見もありますが、あくまで聴いている印象としてヘキサは人の数を感じます。
1人でいることの孤独感は、このアルバムが制作された時期や発表された時期(2020年上半期)は特に感じることが多かったと思います。
それでもサビで楽器の数が増えることで、より人のつながりを感じることができます。
それが、この楽曲から伝わってくるこの大変な情勢においての希望のメッセージというか、ゆったりだけど明るくまとめているこの楽曲の魅力だと思います。
アルバム全体を通して
芸術は苦しい時にこそ名作が生まれると言いますが、この厳しい情勢の中で新たな名盤が生まれたと思います。
その理由として3点考えました。
ヒット曲が詰め込まれている
まずは、アルバムの醍醐味ですよね。
シングルをバラで買うよりも、聞いたことのある楽曲が纏まっているのはアルバムの1つの特徴です。
今回は、前回「BOOTLEG」を発売してからおよそ3年の時が経ち、「Lemon」の大ヒットから米津フィーバーが始まりました。
一気に国民的アーティストとして広い知名度を獲得し、米津玄師さんの一挙手一投足に注目が集まるようになり、国民的アーティストとしての看板を背負った人の作品として大きな注目をされていました。
今回のアルバムでは、「Lemon」「Flamingo」「TEENAGE RIOT」「海の幽霊」「馬と鹿」があり、さらにアルバム曲の「感電」までドラマの主題歌として採用され、「パプリカ」と「まちがいさがし」はセルフカバーと、7曲がアルバム発売前にすでに知られている楽曲です。
つまり、このアルバム1つでシングル7枚分の役割をになっていると言えるでしょう。
これは贅沢やね。
もちろん、ヒット曲だけがアルバムの評価基準だとは思いませんが、ヒット曲はアルバムの印象を大きく規定する大事な要素だと思います。
コンセプトアルバムとしての縦軸を感じる
こんなにヒット曲を詰め込んで、ベストアルバムの延長線上にしかならないのではないかという懸念がありましたが、このアルバムは全くそんなことはありません。
ライブの時の感想戦で「『Lemon』と『馬と鹿』が共存するアルバムなどあり得るのか」と言っていましたが、これが杞憂だったことはテトも認めています。
もちろん、米津玄師のサウンドとしての縦軸はありますが、楽曲の雰囲気や「STRAY SHEEP」(迷える羊)から派生した聖書の世界観が縦軸にあるのではないかと思います。
歌詞のメッセージがどこまで「STRAY SHEEP」と繋がっているか、どこにどう縦軸が見られるかというのは、別の考察ガチ勢にお任せします。
ただ、このアルバムもただのベストアルバムにするのではなく、これまで貫き通してきたコンセプトアルバムとしてのスタイルを崩さず、アルバムを1つの作品として捉えることで一貫して感じるものがあるのではないかとヘキサは思います。
この時期だからこそ生まれる意味
このアルバムが制作された頃から発表された頃(2020年上半期)は、コロナ禍と言われ、過去に例のない時期を過ごしています。
米津玄師さんもインタビューでコロナ禍とこのアルバムのつながりを指摘し、このアルバムに入っている曲だけでなく、多くの曲をこのコロナ禍のなかで生み出したと言います。
きっと米津さん自身も伝えたいメッセージや考えたこと、思いを込めて楽曲を制作したのだと思いますが、このアルバムをこの時期に受け止めるヘキサたちもこの背景と照らし合わせながら意味を創っていくものだと思います。
逆にいうと、このコロナ禍を経験している者がこの時期でないと感じられない意味は、きっと10年後、20年後にこのアルバムを聴くのとは差があるはずです。
この差がいいものなのか、そうでないのかは実際に10年後に聞いてみる必要がありますが。
もちろん、作品の意味や意図は作品と触れたその人の間でしか生まれないものだとヘキサは考えているので、米津玄師さんの意図が全てだとは全く思っていないですし、10年後に聞いた時の感じ方の差が決してネガティブなものになるとは思いません。
しかし、この時だからこそ、この時にしか感じることができない意味を創出できるのではないかと思います。
おわりに
今回は、ヘキサが米津玄師さんの5枚目のアルバム「STRAY SHEEP」を聞いて、その感想をまとめてみました。
テト視点の副音声的な立ち位置で、浅い内容になってしまいましたが、やはりレビューせざるを得なかったのでレビューしてみました。
レビューしてみて、文章に起こしてみることで気付ける発見がたくさんありました。
ぜひ、米津玄師さんの「STRAY SHEEP」を聞いたよ!という人は感想を共有したいですね。
「まだ聞いていないよ!」という人は、こちら↓からお買い求めください。
名盤ですので。音楽にわかのヘキサですが、今回のアルバムはいいものであると自信を持ってオススメします。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
(ヘキサ)
米津玄師さんの他の楽曲については、こちらの記事をどうぞ。
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