どうも、ブログ更新をサボりまくっているペンタです。
前回の更新から8ヶ月が経ってしまいました。
時が経つのって早いものですね(遠い目)
さて、最近知り合いと話していてその発言に衝撃を受けたのですが、その発言を要約すると
・自分は洋楽を聴かない
・洋楽を聴かない理由は歌詞を聴き取れないから
という感じです。
洋楽を聴かないというのは、まあ人それぞれ音楽の趣向があるだろう、ということで特に気にはなりません。
ただ、歌詞がわからないから洋楽を聴かないという論理は、ぼくの音楽・歌詞に対する認識からするとちょっと理解できないもの、もっと言ってしまえばありえないものでした。
そんな事もあり、今回はぼくが歌詞をどのようなものとして捉えているのか、つらつらと書いていきたいと思います。
そもそも歌詞って要らないのでは?
初っ端から何を言っているんだ、という感じですが、そもそも音楽において歌詞が必須事項ではないという前提を忘れてはいませんか?
確かに、みなさんも日頃よく聴くであろうポップスやロックなどではボーカリストがいて歌をうたう訳ですから、必然的に歌詞というものも音楽の要素に含まれることになります。
しかし、クラシック音楽やEDM、またジャンルではありませんがインストと呼ばれる音楽の形態など、歌の存在しない音楽というのは挙げていけばキリがありません。(EDMは歌が入っているものもありますが…)
これらの音楽ではボーカルがいないので、当然歌詞というものも存在し得ませんよね。
このように、音楽における歌詞というのは、歌モノという限られたジャンルのなかの一つの要素でしかないと考えています。
ぼくはいわゆるロック、バンドものが好きでよく聴いていますが、その他にインストバンドの音楽なんかも聴きます。
歌しか聞かないような方にとってはとっつきづらい印象があるかも知れませんが、ちょっとインストバンドの世界に踏み込んでみると思わぬ音楽に出会えるのではないでしょうか。
歌がない分、それぞれの楽器の良さが際立ちます。
↓はLotus Landという、ベースが最高にかっこいいバンドです。
歌詞は良くなくても別にいい
上述したようにインスト音楽でボーカル・歌詞がないのに慣れているからか、洋楽などの歌詞が聞き取れない音楽を聴くことに対しては特に抵抗がありません。
そもそもボーカル・歌に関しては、歌詞以外にもリズム、メロディ、歌い方、音の響きなど様々な要素が含まれるものだと思っています。
そういったことを考えると、音楽において歌詞の良さという要素が占める重要度がというのは、少なくともぼくにとってはそれほど高くないといえます。
歌詞が聞き取れなかったり適当だったりしても、それっぽくかっこよくて、何となく自分の好みに聞こえれば良いというスタンスです。
なので、ぼくは基本的にそこまで歌詞に「良さ」を求めることはしていないと感じています。
たとえばこのアルカラというバンドの『キャッチーを科学する』ですが、Aメロではわりといいことを言っている風なのにサビでは惑星の名前を羅列してみたり、元素記号の覚え方を歌ってみたりとやりたい放題です。
それでも曲自体がかっこよくてボーカルもすごく上手いと、何を歌っても良く聞こえてしまうんですよね。
加点方式
さて、ここまで歌詞なんてどうでもいいみたいに書いてきましたが、もちろん歌詞が良いに越したことはありません。
ぼくの中では、歌詞は加点方式のような感覚です。
歌詞が良くない、うまく聴き取れないからと言ってその音楽自体の個人的な評価が特に下がることはないですが、歌詞がいいと思えば当然ながら評価は上がります。
ただ例外として、文法がおかしい、言葉の誤用がある場合などは、言い方が悪いですが作詞者の頭の悪さ、教養の無さのようなものが感じられて冷めてしまいますね。
ぼくが歌詞の良さとして求めるポイントは、言葉や表現の美しさ、情景表現の巧みさ、韻の踏み方などです。
とはいえ、こういったポイントを気にして聴いているというわけでもなく、なんとなく気に入った歌詞にこのような要素が含まれているというだけで、ほとんど後付けの結果論ですね。
具体例がないのも何なので、歌詞が素晴らしいと感じるアーティスト・バンドをいくつか紹介したいと思います。
不可思議/wonderboy
以前にこちらの記事でも紹介した不可思議/wonderboyが綴る歌詞はとにかく言葉が美しいと感じます。
人生とは何か、生きることとは何か、幸せとは何か。
非常に私的で個人的な、多少の自虐すら含むような歌詞から、現代に生きる人全てに共通するような普遍的な歌詞まで、彼の言葉どれも詩的で、それでいて生々しさがあるように思います。
飾らないその歌詞は、心の奥深くまで突き刺さってくる感覚すら覚えます。
不可思議/wonderboy - Pellicule (Official Video)
ポルノグラフィティ
ぼくも好きですが、それ以上にヘキサが大好きでおなじみのポルノグラフィティの歌詞も素晴らしいと思っています。
晴一の歌詞で最も表現が好きなのが、『ラック』のこの部分です。
星空さえも 引きずり落として
這いつくばせた 街を見ろよ
今やそのせいで 空は空っぽ
街に溢れる人工的な明かりを、空に輝く星を奪い取ったものとして喩え、街の明かりによって夜空の星が見えなくなってしまった、というような意味だと解釈しています。
普通に言葉にするとこのような、なんの面白みもないものになってしまいますが、それを表す言葉として「星空を引きずり落とす」という表現が出てくるのが天才的じゃないですか?
Heavenstamp
最後は、もはやゴリ押しレベルで登場させているHeavenstampです。
殆どの曲の作詞を手がけるギターボーカルのSally#Cinnamonは、Superflyやchay、Rihwaなど多くのメジャーアーティストに歌詞を提供する作詞家としての顔も持ちます。
初期の楽曲の歌詞は、言葉に意味をもたせるというよりも韻を踏んで音の響きや語感などを重視した、言葉遊びの側面が大きい印象です。
それに対して最近の曲では、当たり前に韻を踏んでいながらも、より内省的な歌詞であったり現代社会に鋭く切り込んでいくような歌詞であったりと、言葉の重みを感じさせるものになっています。
絶妙な言葉選びで軽妙に毒を吐きつつ軽快に韻を踏む、そんなサリーさんの歌詞がぼくは好きです。
Heavenstamp - L・O・V・Eじゃない? (Single Ver.)
さいごに
頭の中の考えを吐き出しているだけなのでいつもどおりにまとまりがなく、結局最後は音楽の紹介といういつもどおりのパターンになってしまいましたね…
歌詞がわからないから洋楽を聴かないという考えを持つことを否定するつもりはありません。
ただ、歌詞という要素に重きを置きすぎることで音楽を楽しむことの可能性を狭めてしまうのは非常にもったいないと感じます。
素晴らしい歌詞を味わいつつ、歌詞だけにとらわれない聴き方もできるとより音楽を楽しめるのではないかと思いました。
この記事の締めくくりとして、もはや歌詞どころの騒ぎではないこの曲を置いておきます…。
ペンタ