三度の飯よりパクチーが好き!テトです。
パクチーは好きですか?(唐突)
え、好き? そうだよね〜あの独特な香りがたまらないよね!
…え、嫌い? でも大丈夫!この記事を参考にすればあなたもパクチーを克服できるはず!
これは、パクチーが大好きな今記事執筆者・テトと、パクチーが無理なブログ共同運営者・ペンタとヘキサの、パクチーを巡る様々な出来事をまとめたノンフィクションである。
事の発端
2017年10月某日。
21歳になった私、テトは、ヘキサからの毎年恒例となっている誕生日プレゼントを「今年はどんなのかな〜」と心待ちにしていた。そんなある日の夜、ヘキサから一通のLINEが来た。
「ヘキサらしいね」私はそう独り言をついた。スケールが大きくて持ち運ぶのに苦労するのだろう。私はそんな想像をしていた。多少身構えてはいたが、図体がでかくて幅を取るのではないかということばかり考えていた。重くなったとはいえ、所詮ヘキサが大学へ持ってきて、それを私が家へ運ぶというだけのことなのだから。
かくして私は翌日、史上最悪のプレゼントを受け取ることになった。
いつものように私は大学でヘキサやペンタと待ち合わせ、昼食を共にした後に「プレゼントがそこにあるから」ととある一室へ案内された。そこには、長い手提げバッグと、それからパンパンに膨れ上がったボストンバッグがあった。
この期に及んで私はまだワクワクしていた。
おっ、何が出てくるのかなあ〜!
誕生日プレゼントは…これ!
ヘキサが取り出したのは、「コリアンダー」と書かれた小さな袋だった。どうやら種が入っているらしい。「コリアンダー」がパクチーの英語名だと知っていたので、「パクチーの種だ!」と私は興奮した。
なんだ、全然大きくないじゃん!要はこれを育てろってことね。プレゼントありがt--
それから、これ!
ヘキサはそのボストンバッグからまたもや何かを取り出そうとして四苦八苦していた。やっとのことで取り出したそれを見て私は愕然とした。
これがテトへの今年の誕生日プレゼントです!持ってけ泥棒!
そこに置かれたのは、ホームセンターでよく見る10Lと書かれた培養土と石、そしてご丁寧に陶器のプランターまであった。
私はしばらく、今何が起きているのか整理がつかなかった。えっと、ここ、大学ですよね…。大学から私の家まで電車を乗り継いで1時間半かかりますよね…え? その道筋を…これを持って帰れと?
物あげるってレベルじゃねーぞ!あの、小学生の頃に誰もが体験したことのある、夏休み前にランドセル背負いながらアサガオのプランターを持って帰るってレベルじゃねーぞ!
想像してみてほしい。もしあなたが車でホームセンターに来てこんな大きさの石と土を買ったとして、駐車場の車へ運ぶのでさえカートを使うはずだ。それを1時間半も運ぶのに、しかもあの肩に全重量がかかるボストンバッグで、どうやって持ち帰ろうと言うのか。
園芸店且使台車運土石、況運一時間半電車家迄乎(デタラメ漢語)
大学行ったら突然「これプレゼント!」つって20kgのボストンバッグ渡された人の気持ち考えたことある???
— tignotes (@tignotes) 2017年10月5日
私は、誕生日に、何を渡されているのだろう…
そう思いながら、私はそれまで経験したことのない重みを片方の肩すべてに背負いながら、その永遠にも感じられる帰路を歩いたのだった。
誕生日プレゼントの掟
とまあ、事の発端は私テトの21歳の誕生日プレゼントにヘキサからパクチー栽培セットを頂いたことでした。
ちょっと理解に苦しむかもしれませんが、私とヘキサは3,4年前からヘキサの発案で「誕生日プレゼントにはお互い『使えないモノ』を押し付けよう贈ろう」ということになっています。
なので、私たちは毎年「ゴミではないし全く使えないわけではないんだけど、うーん…これめちゃくちゃ使いどころに困る!」と相手が思うものを厳選して贈っています。これは見かけによらずすごくセンスを問われるので、相手に喜ばれるプレゼントを選ぶよりも頭を使います。
そんなわけで私がヘキサに対して思う「誕生日プレゼント楽しみ~♡」は常人のそれとは違うのですが、今回のプレゼントはセンスとかそういうものを通り越してむしろ狂気すら感じました。誰が楽しくて大量の土と石を大学に持ってくるんだと。そしてそれをあろうことか誕生日の友人に贈りつけるのかと。
私の家から大学まで片道1時間半と記しましたが、方向は違えどヘキサも家からそれくらいかかるんですね。ということは、ヘキサも同じくらいの労力をかけてその日大学へ持ってきていたわけです。そこまでして土と石を自分の手でプレゼントしたいかと。この日ばかりはヘキサが狂人としか思えなかったですね。
まあ、ヘキサの行動に振り回されるのはいつものことなので、「一生忘れらんねぇ誕生日になった…(力尽き)」とポジティブに捉えていたのですが、我ながらなかなかこんな友人いないと思います。だいたい土と石をプレゼントするって何ですか。あのめちゃくちゃほのぼのした、ヘイトという概念がないような世界観の牧場物語でさえ石をプレゼントすると友好度下がるのに。
さらに悲しいことに、私の親は家庭菜園を嗜んでいたこともあり土と石とプランターは家に腐るほどあるんですよね。既視感のある物たちがボストンバッグから出てくるのを見て私は目を抑えずにはいられませんでした。そしてあろうことか、「それ持ってる」と誕生日プレゼントを贈ってくれた人に一番言ってはいけないことを口走ってしまったのです。それでもヘキサは絶対に持って帰りたくないので「うん、でもあげる」と抑揚のない声で即答されました。誕生日ということでその場にいた3人にはワイワイしたムードは流れていましたが、誰もが確実に「ボストンバッグ持ちたくない」という内なる心の叫びが渦巻いていたように思います。
ちなみに、前日に来たあのLINEを見て、最近買ったお気に入りのマイケルリンネルの大きいリュックサックを持っていったのですが、土と石は入りそうになかったし、入ったとしてもお気に入りのリュックに土と石は入れたくなかったので全く機能しませんでした。だって!誕生日に土と石もらうなんて思わないじゃん!!
仮にもこれはパクチーの記事で、「誕生日プレゼントに土と石をプレゼントされた!」という記事ではないので軌道修正をしとくと、ヘキサは今回、パクチー栽培セットをチョイスした趣旨として「(貰ってすぐには)使えないモノ」として、家に持って帰って育てて月日をかけて使えるモノ…パクチー好きの私が楽しめるモノにしてほしいという願いが込められていました。なるほど!いろんな意味で重いぜ!
育成の日々
これは後日記事にする「パクチー育成記」にて詳しく記述する予定ですが、その日からテトのパクチー栽培の日々が始まりました。プランターに土と石を入れてみるも1/4も使わず、労力の割に合わないと悲しくなりながらも種をまき、ひたすら発芽を待ちました。自分ひとりで植物を育てるのはそれこそ小学生のアサガオ以来だったような気がしますが、芽が出た時は本当に嬉しかったです。
その後も順調に育ち、1つの作戦が現実味を帯びてきました。それは、ヘキサ、ペンタとテトでパクチーパーティを開催することです。
プレゼントされた側だけでなくプレゼントした側も一緒になってパクチーを楽しもう!ということです。ヘキサもペンタもパクチーが苦手なので、どうしてパクチーを食べようという気になるのか不思議でしたが、これを機にパクチーが好きになってくれればいいなという思いと、何より楽しそうなので開催できる日を本当に心待ちにしていました。
パクチーの育ち具合からみて年が明けたころになりそうだったのと、期末テストが1月下旬にあり、またペンタが肺気胸で入院してしまったことも相まって開催時期は2月某日ということになりました。
パクチーパーティ開催に向けて
時期的に新年会というにはちょっと遅めですが、頑なに言い張っておきます、パクチー新年会です!!
パクチーも無事に育ってくれました。
パクチー新年会の開催場所はテトの家。自他共に認めるズボラ人間であるテトの部屋はテスト期間終了後だったこともありめちゃくちゃ汚かったので急いで掃除しました。
ちなみに、ヘキサもペンタも自分の家に呼ぶのは初めてです。妙に緊張するというか、恥ずかしいというか…こそばゆいですね。
パクチー料理
さて、彼らは13時に家に来てくれるというので、それまでにパクチーパーティに必要な料理を用意しておきましょう。
今回ご紹介するパクチー料理は3品です。どれもパクチーを添えて美味しいものばかりを厳選しました!
まずはメインディッシュから!
準備するものはこちら。
- 鶏モモ肉・・・2枚
- 醤油orナンプラー・・・大さじ2
- 砂糖・・・大さじ2
- 酒・・・大さじ1~2
- オイスターソース・・・大さじ1
- スイートチリソース・・・大さじ1
- ポッカレモン・・・少し
- 鶏ガラ粒状スープ・・・袋の半分(適当)
- コショウ・・・少し
- ショウガ・・・少し
- ニンニク・・・少し
ショウガとニンニクはチューブでもいいと思います(適当)
僕はナンプラーが好きじゃないんで(我儘)醤油使うんですけどその時はポッカレモンを入れたらそんな感じが出ると思います。
ちなみに僕は酒が大好きなので(アル中)大さじ2入れちゃいます。
では早速作っていきましょう。
まずボウルに醤油と酒を入れます。
それからなんやかんやあって漬け込みダレが完成します。
鶏モモ肉以外全部入れちゃってあります。要は漬け込みダレなので順番とか関係なくドバーッと入れちゃってください。よっぽどの料理下手でもこの工程は難なくいけると思います。まあ真性の料理下手はここで「隠し味投入!」とか言ってカレー粉とかよくわからんきのことか入れるんですけどね。
そんで鶏肉とこの漬け込みダレをジップロックに入れてよくもみ、冷蔵庫に入れて2時間ほど放置します。
2時間経ったら取り出して焼くだけです。簡単!(はしょりすぎ)
甘く漬け込んでるので焦げやすいです。最初のうちは弱火でフタをつけて焼いたり、焼く前に切り込みを入れたりしたほうがいいと思います。僕がこれを初めて作った時は焦げるのに警戒しすぎて生焼けのまま「上手に焼けました!」といって取り出してしまった記憶があります。
色ものを添えて完成です。
パクチーの本場、タイでの伝統料理「ガイヤーン」。日本の焼き鳥とはちょっと違った甘辛くジューシーな味わい。パクチーを添えてぜひ召し上がっていただきたい一品です。
さて、サイドディッシュも忘れずに作っていきましょう。
絹ごし豆腐を用意します。
人数分に切り分け、パクチーをのせます。
完成。
「パクチー冷奴」。パクチー好きにしか食すことができないといわれているこの料理。果たしてヘキサとペンタは大丈夫なのか。
もう一品。
マルゲリータピザを用意します。
冷凍から解凍します。
完成。
果たしてこれは料理と言えるのか。「パクチーマルゲリータ」の完成です。
なぜマルゲリータなのか。パクチー料理専門店に足繁く通うパクチスト諸君ならお分かりかと思います。パクチーとマルゲリータ、めちゃくちゃ合うんです!それを知ってほしくてヘキサとペンタにも食べさせようとマルゲリータの作り方を勉強しましたが面倒くさかったので冷食で妥協しました。
今回パクチーパーティで振る舞う料理はこの3品!
パクチー新年会、開催!
摘み取り式
ヘキサとペンタが家に来てくれました。まずはテト・ヘキサ・ペンタの手によるパクチー摘み取り式が行われます。
ヘンデル:オラトリオ《マカベウスのユダ》第3幕 『見よ、勇者は帰る』
摘み取って洗ってお皿に入れたら…
さあ、始めましょう!
パクチーパーティを!!
パクチー嫌い、克服できるか…?
パクチーをかけていただきましょう!
そのお味は…?
お、美味い!
うん、なんか思ったほど臭みが感じない
え?
マジで?
てっきり「やっぱパクチー無理!!」とか言って取り分けたパクチー全部テトが消費するもんだと思ってた!
ガイヤーンはさすが本場という感じ。パクチーとの相性がいいから美味しく食べられるね
美味しい! ホント、パクチーの相性いいね
マジか! 想像していた反応と違ったけど、いやいや美味しく食べてもらえたなら何より!
他の料理はどうかな?
マルゲリータはバジルの代わりとして意外と相性がいいね。バジルのほうが美味しいとは思うけど、これはこれでアリ!
トマトベースにパクチーは合うね。パスタにもバジルの代わりに使っても美味しそう
おぉー、わかっていただけた! パクチストとして嬉しい限り! パクチー冷奴は?
あっ、うん…とりあえず醤油かけて食べるね
今後自分で作ることはないだろうな…
だぁああ! やっぱりパクチー冷奴はハードルが高かったか! 醤油をかけないとパクチーのあの風味がダイレクトにくるので、醤油でパクチーの味を殺しながら食べていたそうです。もうパクチーのせない普通の冷奴やん…
それでも今回のパクチー料理は全体的に成功だったようで、パクチー嫌いのヘキサやペンタも普通に食べていました! てっきりテトが残ったパクチーを「じゃあこれ全部俺が食べるね」と消費する係だと思っていたのですが、気づいたらパクチーがなくなっていた! 奇跡! これはもう克服したといっても過言ではないのではなかろうか!
自家栽培だとあまりえぐみがなくさわやかな風味に育つので、それもよかったのかもしれません。それに、テトのようなパクチストはパクチー冷奴などのように割となんでもパクチーをかけて食してしまいますが、やっぱりパクチーにも相性があるのでその相性のいい料理と一緒に食べてみると克服できるかもしれません。お試しあれ。
そしてデザートには、ペンタの退院祝いにヘキサが持ってきてくれたケーキを食べました! 豪華!
そして食後にはペンタが持ってきた粉ミルク(ペンタの入院記事参考)をみんなで飲むという豪勢っぷり!
どうですか! テトがパクチー料理を準備し、ヘキサがケーキを持ってきて、ペンタが粉ミルクを持ち寄るこの3人組!
頭がおかしいとしか思えないでしょう! (唯一まともなのヘキサかな?)
ちなみに粉ミルクは普通に美味しかったですよ。豆乳みたいで。栄養満点だからこれ飲んでおけばとりあえず何も食べなくても平気ってね(嘘)
そんなわけで、テト・ペンタ・ヘキサのパクチー新年会は大盛況で幕を閉じました…
余興
終わると思った? 残念、まだ新年会は続くよ!
パクチー料理で腹を満たした3人はテトの部屋に移動し余興に移りました。
まずはヘキサが持ってきた和楽器バンドやポルノグラフィティのライブDVDを見て楽しみました。
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その後、それぞれの高校時代の恥ずかしい思い出動画集やなつかしの写真たちを当時を振り返りながら語り、感傷に浸ったりしました。
こういうのって語りだすと止まらないんですよね。気分は完全に同窓会のオッサンでした。たわいもない雑談のようにも思えるけど、こういう時間が1番、日々のパワーに繋がっている気がします。
結局夕飯も部屋でみんなで食し、夜11時前くらいまで楽しんでしまいました。こんだけ語りつくした気がするのに話し足りないと感じるのはもう不思議としか言いようがないですね。さすがに大学生活に毎週ペースで顔合わせているだけあります。「今度のパクチーパーティの開催時期は春撒きパクチーの収穫できる夏かな?」という話をしながらお開きになりました。
おわりに
こんな感じにパクチー新年会を楽しみました。このブログを共同運営している3人の裏側が少しでも垣間見えたでしょうか。これを機に、世の中のパクチーが好きな人も嫌いな人も連れ合ってパクチーパーティを楽しんで頂けたら幸いです。
そして私はこれからもパクチーを栽培し続けます。種をも収穫し、パクチー自家農園の規模を拡大し続け、毎日食べても減らない量のパクチーを生産できるまで続け、またヘキサとペンタを招待し続けたいと思います。いっぱしのパクチストとして、今はそれが夢です。そんな夢のきっかけを与えてくれたヘキサに敬意を表しつつ、ここに記事を締めたいと思います。 テト