こんにちは、ヘキサです。
「日本の公務員は多すぎる!」「公務員は給料の無駄で金食い虫だから減らすべきだ!」といった意見を聞いたことはないでしょうか?
これはよく言われることですし、税金は大切なお金だから、賢い使い方をしてほしいという思いは誰しも持っていますよね。
その中で、公務員が責められることが多いのではないかと思います。
ニュースのコメントやTwitterの発信などでよく見かける意見ですよね。
(ヤフコメとか特に顕著ですよね)
しかし、これらのことは本当なのでしょうか?
ヘキサの周囲には公務員として勤めている方も多く、普段から大変な思いをして働いているのに、なんでニュースのコメントやTwitterなどでは叩かれているんだろう?と疑問に思いました。
そこでいろいろ調べてみると、常識がひっくりかえされる事実を知ることができたので、それを紹介します。
【結論】公務員を増やした方がいい5つの理由
- 最低限度のサービスの質が向上する
- 非常事態に強くなる
- 公務員の給料は直接GDPにつながる
- そもそも公務員の数が足りていない!
- 雇用を安定させることができる
そもそも日本の公務員の数は多い?少ない?
引用:http://honkawa2.sakura.ne.jp/5190.html
グラフからわかるように、日本の公務員数の割合は、他の先進国と比較して、かなり少ないのが現状です。
公務員という職業の特徴は?
- 民間で行うと採算が取れないが、社会を守り動かすには絶対に必要な仕事を担う
例えば、社会で安心して暮らすためにルールを作ったり、ルールを守っているかチェックしたり、生活に困っている人を助けたり、誰が住んでいるのかを管理したり、安全な生活を守ったり……と一口に公務員といってもたくさんの種類の仕事があります。
共通していることは、このどれもが民間で担うと赤字になる仕事や、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための仕事です。
日本国憲法第25条には「全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定されています。
この憲法で定められた最低ラインを満たすのにお金がめちゃくちゃかかったら、それはお金のない人にはその権利がないことを意味しています。
それはとってもまずいね。
お金の有無やその他区別、差別などによってこの権利が守られなくなることは憲法上あり得ないのです。
全員が最低限度の生活を守るためには、そのセーフティーネットとなるサービスは無償またはそれに匹敵するくらいの安い価格で提供される必要があります。
つまり、これらを民間が運営すると、赤字が多発し、経営困難になり、この国からいずれこういったセーフティーネットが消えてしまいます。
それでは格差が拡大するだけの社会になってしまいます。
だからこそ、公務員がそれらの仕事を担い、政府はそのサービスの対価として国民の代わりに費用を負担しています。
公務員を増やすメリット
最低限度のサービスの質が向上する
公務員が増えると、最低限度のサービスの質が向上します。
すなわち、最低限度とされているサービスの最低ラインが引き上げられることになります。
公務員が増えれば増えるほど、国家が担うサービスの数が増え、内容もより充実したものになります。
その仕事に関わる人の数を増やしたらその分仕事の質が上がることと同じやね。
逆に公務員を減らすと、そのサービスに関わる人の数を減らすことになるので、そういった最低限度のサービスとされるものの数が減少し、最低ラインが引き下げられます。
そして、今まで国家が運営していたサービスを民間が運営することになるので、料金が引き上げられたり、サービスの数が減ったり、一部の人しか利用できなくなったりと不便なものが増えます。
これが「民営化」の実態です。
電車、電話、郵便など、前まではサービスの最低ラインとされていたものが現在では民営化され、分社化されて、それぞれの会社で利益を求めているので、利用価格の上昇や利便性の低下などの影響は現在かなり見受けられるのではないでしょうか。
非常事態に強くなる
公務員が多いことは、非常事態に対応できる人数が増えることを意味します。
公務員は、通常業務の他に、非常事態があるとその非常事態に対応することも仕事になっていることが多いです。
警察や消防、自衛隊などは非常事態に対応する象徴として、日々非常事態に備えて訓練されたり、異常なことがないかを見守ったりしています。
そして、市役所で働く人は、災害時に他の自治体との連携の窓口になったり、住民の安否確認を行ったりしますし、公立学校の先生も避難所として学校が提供され、その中で住民を手助けする活動を行います。
非常事態に備えて、人を多く配置して置くことは、非常事態に対応できる人数がそれだけ用意されているということです。
平時においては余剰と言われるかもしれませんが、緊急時にそういう人がいることが緊急時に命を守ることができるか否かの境界線になり得ることもあります。
また、2019年の千葉県の大型台風直撃の災害がありましたが、その時の状況確認をしたいのに、市役所の人が足りず、状況確認が遅れたこともありました。
また、市役所の人が少ないので、状況の把握ができず、どこにどういった救援が必要かといった必要な配置ができない状態になりました。
これは、明らかに公務員の数を減らしたことによる弊害が出ていると考えられます。
平時であればなんとか足りていても、緊急時には足りないという状況は、安全を守るシステムとしては脆弱すぎます。
また、大阪市は特に公務員の数を減らしており、2020年に行われた特別定額給付金(1人あたり10万円ずつ配られる給付金)をするための情報をまとめる市役所の人の数が少なく、給付が始まるのがかなり遅くなってしまったこともあります。
本来であれば、情報をすぐにまとめて、なるべく早く現金を渡す必要があるのですが、時間がかかってしまったのは、救えた命が救えなかった可能性があります。
これは決して大阪市役所の方の怠慢ではなく、大阪市役所の方がすごく一生懸命に頑張ってくださったのにも関わらずの結果なので、これは公務員を減らして、脆弱なシステムにしてしまった為政者に責任があると考えられます。
公務員の給料は直接GDPにつながる
GDPとは、国内総生産のことで、日本で生み出された生産の合計であり支出の合計であり所得の合計のことです。
そのため、GDPが大きくなることは、国民全体の所得が増えることになるので、国民経済が豊かになっていると考えることができます。
一般に、ものやサービスが買われた段階でGDPに計上されるので、Aさんが企業Bの商品を買った時にはGDPに計上されますが、企業Bが社員であるCさんに給料を支払った時にはGDPに計上されません。
しかし、公務員は政府(国または地方自治体のこととする)から給料をもらう場合、政府がその公務員のサービスに対して支出されたことになるので、GDPに計上されます。
つまり、公務員に給与を支払うだけで、勝手に日本のGDPは伸びていきます。
そして、給与をもらった公務員は、自分が生活していくためにものやサービスを消費します。
きっと給料が増えたりボーナスが入ったりした時にはルンルンでもっと消費しちゃうかもしれませんね。
そうすると、さらにものやサービスが買われたことになるので、さらにGDPが伸びます。
公務員に給与を支払うことは、GDPを成長させる上でとても重要な要因であることがわかります。
そしてこれらの利益は公務員の人から他の商売を行っている人や企業に波及していくので、どんどん国家全体の利益が拡大することが考えられます。
お金は回っていくんやね。
そのため、公務員に給与を支払うことは決してネガティブなことではなく、国民経済の視点からもポジティブな面があるということです。
そもそも公務員の数が足りていない!
非常事態に公務員が足りない話は先ほどもしましたが、どんどん公務員が減らされているので、非常事態だけでなく、平時の公務員も足りない状態になっています。
下のグラフは、地方公共団体の職員数の推移なので、公務員全体の推移ではありませんが、明らかに減っています。
引用:http://mtdata.jp/data_65.html
そして、正規の公務員の数を減らして非正規の公務員の割合がどんどん増えています。
引用:https://www.jichiroren.jp/sys/wp-content/uploads/2019/02/d6ac4f587f15e2703a0d0951edbbf589.pdf
非正規の公務員も正規の公務員と変わらない専門性のある大変な仕事を任されていますが、給与体系は非正規なので、休んだ分の賃金は出ず、契約も1年更新と不安定な立場にいます。
そして、公務員数も減っているので、その分サービスの質も下がっていきます。
ヘキサは学校にいる経験があったので、学校がピンチであることを主張しています。
これは学校以外でも深刻な状況になっています。
公務員の現状、非常に苦しく無理な働き方をさせられているのに、給与は低い、待遇は悪いといった問題点が多く表出しているのも現実です。
「非正規公務員酷書」というパンフレットを見るだけでも、とても大変な状況にあることがわかります。
しかもこれコロナ前ですよ!
コロナ対応が増えたことも考えるとえげつないな……
だからこそ、公務員の数を増やすことは、国を守るサービスを安定させることにもつながります。
公務員を増やさないとピンチな状態にあり、それで損をするのは公務員の方だけでなく、あなたもなのです。
雇用を安定させることができる
公務員は、政府が雇うことができるので、失業者へのセーフティーネットになります。
今でこそ公務員は数が削減される傾向にありますので、公務員になるのは大変ですが、公務員の仕事は多岐に渡り、人手が求められます。
また、国には財政問題はなく、お金を作れる存在なので、雇おうと思えば、インフレ率が許す限り、いくらでも人を雇うことができます。
【もし働きたい人を全て公務員で雇ったら】
①働きたいという意思がある人を全て正規の公務員として雇用を保障する。
↓
②失業者は減るので、経済は安定し、最低限の給与を保障する。
↓
③しばらくその状態だと経済が安定するので、徐々に民間企業もいい条件でいい人材を集めようと給与や待遇を引き上げる。
↓
④民間に転職する方も現れるので、公務員の数も安定するようになる。
このように、正規の公務員が仕事のセーフティーネットとして機能することで、社会全体の雇用を安定させることができ、自らの意思以外で非正規雇用になったり貧しい生活を余儀なくされたりする人は減少することが考えられます。
公務員を増やすことの反論の根っこにあるもの
「公務員なんて無駄なんだから。そんなに公務員にお金を払って、日本国家は財政破綻はしないの?」
しません。
むしろ、財政支出が少なすぎて日本は困っています!
財政破綻をしない理由は別記事で詳しく解説しています。
おわりに
今回は、今こそ公務員を増やした方がいい理由について紹介してきました。
正直、公務員の実態を調べていると、昔の皆さんのイメージする公務員とは全く異なる、非常に苦しい現実が次々と明らかになりました。
公務員は決して敵ではありません。
そして、公務員を増やすことはあなたにとってもメリットがたくさんあることが伝わればいいなと思います。
こういう現実を救うためにも、公務員は増やした方がいいのではないか、という声が広がっていくことを切に願っています。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
(ヘキサ)
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