こんにちは。
当ブログのアイドル枠ことヘキサです。
いつも当ブログの記事を読んでくださり、ありがとうございます。
前にペンタが興味深い記事を書いていました。
この記事はペンタの音楽遍歴を共通事項から紐解いていくという企画で、ヘキサも非常に考えさせられるものがあり、興味深く拝見しました。
「じゃあこれヘキサバージョンで書くか!」(単純)(安直)
「あれ?ヘキサの好きな音楽の共通事項ってなんなんだ?」
「ポルノグラフィティから派生したと安易に述べていいのか?」
「あれ?どうなってるんだ???」(自問自答)
と考えが堂々巡りしている間に年度が明けてしまいました。
しかし、ヘキサが音楽を語る上で今までは意識せずに使っていたものがありました。
それがPPPHです。
「無意識的にPPPHを多用しているヘキサの考えをもう一度整理し直せば共通事項としてまとまるんじゃね?」
と思い立ち、今回はヘキサとPPPHの関係を語ります。
そもそもPPPH #とは
PPPHという言葉自体、まともな人間生活を送っていたら耳にすることはまずない言葉ですね。
元々はオタク用語でコールのやり方の1つを示す言葉です。
この言葉は「パンパパンヒュー」の頭文字となっているのですね。
この言葉に馴染みがなくてもCCCHという言葉に馴染みがあるジャニヲタは少なからずいらっしゃるでしょう。
PPPHとCCCHは全く同じものだと思って大丈夫です。
それでも分からない方はまともな方ですので、軽くご説明します。
4/4拍子の楽曲の中で「タン、タタン」と手拍子を入れる場合があります。よくBメロ付近で見かけるやつですね。
単刀直入に言うとそれです。
基本的にPPPH、CCCHはコールのことを指すのですが、この記事では「タン、タタン、ハイ!」のリズムのことを指すものとします。
なので、この記事でPPPHという言葉が登場したら、あの「タン、タタン、ハイ!」のリズムのことなんだなと思ってください。ヘキサはこの点に関しては苦情を一切受け付けません。
実はPPPHは4/4拍子のみのものであり、4/4拍子であれば無理矢理ねじ込むことはできるのですが、自然なPPPHのためには楽曲の一部のリズムがPPPHのリズムになっている必要があります。
PPPHが使用されている楽曲の例
PPPHの使用例ですが、これはアイドルやアイドルオタクの専売特許のように語られることがありますが、実は多くのJ-POPの楽曲に取り入れられています。
王道アイドルの例
まずは王道アイドルの例
上の動画の57秒から小さめですが「オーハイ!」って聞こえている部分がPPPHになります。
ちなみに、王道アイドルの場合はBメロにPPPHが入る曲にはAメロの最後2小節で警報と呼ばれる「はーい、はーい、はいはいはいはい」というPPPHに移行する予備動作としてのコールも存在するので、王道アイドルがPPPHを行う場合は非常に明確に決まっています。上の動画でいうと54秒のあたりですね。
上の動画の1:04の部分から「み〜のりん!」と入っているコールもPPPHになります。これはPPPHのリズムに合わせて名前を叫ぶというPPPHコールの派生形です。またこの動画での1:01からは「みんなで一緒にみのりんコール!」という特殊な警報が使用されています。
また、楽曲の雰囲気などからPPPHを入れる曲、入れない曲という決まりが存在し、それのどちらに属するか決まらないままオタクが揉めている曲もあります。有名なのはラブライブ!の「snow halation」を巻き込んだスノハレ論争。
これでPPPHのリズムはなんとなく理解していただけたと思うので、PPPHを用いている例を挙げていきます。
アイドルじゃないよく聞くJ-POPの曲の例
TUBE「あー夏休み」
TUBEの場合はオタク曲では無いのにヴォーカルの前田さんがこの動画の54秒からのようにPPPHを手拍子で煽ってくることもあります。この動画ではダンサーさんもPPPHを踊っています。これはTUBEに限らないことですが、ライブを盛り上げるため、一体感を出して雰囲気を良くするため、そのようなことがあります。
ポルノグラフィティでは
ポルノグラフィティにももちろんPPPHの入るべき曲はあります。
「オー!リバル」 「Ohhh!!! HANABI」など多数
ただし、ポルノグラフィティはライブにPPPHのコールを打つ文化がないので、誰一人としてPPPHコールを打たないのですが。
個人的にはオタクの血が騒いでものすごく打ちたくなりますが、同調圧力が強いのでセーブさせられています。
大体の楽曲はPPPHをBメロに使用してきますが、例外もあります。
「気まぐれロマンティック」いきものがかり
いきものがかり: 気まぐれロマンティック [Chou Ikimono Matsuri 2016 Jimoto de Show!! ~Atsugi Desho!!!~]
この曲はAメロでPPPHのリズムになります。上の動画では38秒から手拍子のPPPHが聞こえます。ライブの時、観客は何の迷いもなくAメロにPPPHをぶち込みます。これをヘキサが初めて体験した時はある種の驚きと感動がありました。
余談ですが、島村卯月名義で大橋彩香さんが「気まぐれロマンティック」をカヴァーしています。ライブで披露する機会は無いと思うけど、万が一 億が一披露された時はアイマスPどもは常識に囚われずAメロで本気のPPPHコールを見せて欲しいですね。
さらに余談ですが、アニメ「からかい上手の高木さん 」のEDとして声優の高橋李依さんが高木さん役でカヴァーしていることで話題になっていますが、ヘキサはこのことをこのブログの下調べで初めて知りました。新しい話題にとっても疎いヘキサです。
このように、PPPHはアイドルソングだけでなく、多くの曲で、とりわけJ-POPで多く用いられているリズムと言えるでしょう。
この他にもけものフレンズの「ようこそジャパリパークへ」でもAメロやサビの独特なメロディの中、BメロにPPPHを入れ込んでいます。しかもその移行が不自然でないというのが作り手としてのオーイシマサヨシさんが評価を受けた部分でもあります。もちろんそれだけじゃないけど。
PPPHのよさ
PPPHのリズムを楽曲に入れることによってどのようなメリットがあるのでしょうか?
ヘキサは大きく2つのメリットがあると考えています。
まず1つは、それまで聞いた8ビートの曲だった場合、それまではかなりせわしなく8分音符が続いていた曲が、PPPHになると曲のテンポ(BPM)は変化していないのに少しゆっくりな印象を与えます。
そうすると楽曲に緩急が付き、サビの盛り上がりがより目立ちます。
これは先ほどから紹介しているようにJ-POPではかなり多く用いられているので、そのような曲ばかりだと展開が読まれて飽きられてしまいますが。
2つ目はJ-POPで多く用いられているというのがポイントです。
展開が読まれてしまうと書きましたが、逆に言うと非常に聞き馴染みがあり、リズムが明確に共通認識となります。ある意味J-POPっぽいっていうやつですね。
だから、全員で同じ行為(コールやクラップ)を行うことができます。
つまり、ライブの時にBメロで全員で同じ行為を行い、サビの盛り上がりに備えたり、そのパートだけで会場の熱や一体感を高めることができるのです。
もちろんPPPHが入ってないとライブ映えしないとかライブ映えする曲は全てPPPH入りであるということではありませんが。
だからこそ、コールで一体感を出すアイドルソングでは多く用いられているのです。
ヘキサの好きな曲とPPPHの関係性
ということで、ようやくヘキサとPPPHの繋がりに入ります。
ヘキサが好きな曲の全てにPPPHが入っているわけではなく、PPPHのリズムが使われている曲は全てヘキサが好きな曲というわけでもないという前提条件の元話を進めます。
盛り上がる系の曲の中のPPPHとダークでカッコいい系の曲の中のPPPHはヘキサの好みだという大まかな分類があります。
盛り上がる系
例えば、盛り上がる系なPPPH入りの曲といえば、アイマスの「キラメキラリ」というのはかなりアップテンポなのに技巧派でいいですよね。
単純にアップテンポでPPPHが入っているというわけではなく、メロディを聞いた人が脳内に染み付いて再生されるような中毒性のある音の運びや韻の踏み方が作り込まれている作品です。
あとは先ほども述べたけものフレンズの「ようこそジャパリパークへ」は、AメロBメロサビの全てがサビのような盛り上がり方をしているのにそれを自然な感じで全て繋いで、さらにBメロはPPPHでという、本当に世界で一番中身のある89秒じゃないかと思えるような作品で、オーイシマサヨシさんのテクニックが光る1曲です。
今回は仮歌バージョン
μ'sの「僕らのLIVE 君とのLIFE」は驚異のBPM210という速さの曲ですが、Bメロの部分で曲を落ち着けて、サビへの盛り上がりを引き立てています。この曲はサビで転調するので、PPPHで引き立ててサビで変わったということをはっきりさせるという点でPPPHと組み合わせて成功している例だと思います。
あと、fripSideの「future gazer」は明るく爽やかな曲ですが、疾走感のあるメロディの中にBメロのPPPHを入れることによって、朝の日差しが降り注いでいるなか気持ちよく過ごしているイメージが引き立っています。
朝というと忙しないというイメージが一般的ですが、時間的な余裕がある爽やかで過ごしやすい朝という感じですね。
ペールギュントの「朝」に近いイメージです。
ポプ子みたいに殴らないでね。
嵐の「サクラ咲ケ」はPPPH(CCCH?)の鉄板曲ですね。テレビで嵐が披露するときもファンがCCCHを行なっている様子を伺うことができるし、ヘキサの世代だとカラオケの鉄板曲でありみんなBメロでPPPHの手拍子を行なっています。
ジャニーズはiTunesにおいてないのでこれで許し亭許して。
これらの曲は、聞いていて非常に楽しい気分になれるし、ライブやカラオケでもPPPHのリズムを刻むことで盛り上がることができる曲です。
ダークでカッコいい系
ダークでカッコいい系の曲の中にPPPHが入っている場合があります。
超有名曲の例だと欅坂46の「サイレントマジョリティー」という曲は、ダークでカッコいい系のPPPH入りの曲の代表格といっていいでしょう。
この曲の作りもかなりギミックが仕込まれており、メロディの区切りが非常に長くなっています。つまり、1つのメロディが長くなっており、普通なら飽きるのですが、この曲は惹きつける工夫があって非常にメロディが耳に残るものとなっています。
それでいてBメロは複雑で長いメロディでありながらPPPHを取り入れ、非常に聴きやすく、馴染みのあるものに仕上がっています。
極め付けはサビで転調だと分かりにくいように地味に転調します。一見同じ調のように聞こえるのですが、しばらく聞いていると違和感のある、この感じが耳に残るというギミックなんですね。
これはもちろん、PPPHでメロディをゆっくりに捉えさせておいてそこから一気にサビでの盛り上がりや印象付けをしているという点で成功している曲です。
アイマスでは「オーバーマスター」もこの枠に入ります。
THE IDOLM@STER MASTER SPECIAL 961 “オーバーマスター”【通常盤】
- アーティスト: 星井美希(CV:長谷川明子),我那覇響(CV:沼倉愛美),四条貴音(CV:原由実)
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iTunesになかったンゴ
アップテンポではあるのですが、ダークでカッコよく、ギター、ベース、ドラムの映えるバンドサウンドでBメロにPPPHが用いられています。
ただし、この場合はPPPHの後にCメロを入れてペースを戻してからサビに入っています。これはサビでの疾走感を崩さないようになっていますが、PPPHも曲のペースを落とすことで緩急をつけて非常に聞き応えのある1曲になっています。
fripSideはこの部類に入る曲の有名曲は多いですね。「only my railgun」や「LEVEL5 - judgelight-」もこの部類です。今回はその中でもヘキサが一番好きなのは、「sister‘s noise」です。
テクノサウンドで疾走感がありますが、その中にダークな雰囲気のかっこよさがあり、学園都市のイメージを表現しています。
そして、Bメロの前半分はAメロと同じ調で自然に入っているのですが、Bメロ後半で転調し、サビに繋げるというなかなか聞かれない技があります。
Bメロの中でPPPHを踏んでいるのは同じなのですが、その中で転調するということで、PPPHをPPPHだけで終わらせず、その中でも耳に印象を残すという点で成功している数少ない作品だと思います。
その他のPPPHの例
他の曲にもたくさんPPPHを用いた例はあります。その中でも少し特異な例を紹介したいと思います。
μ's「Mermaid festa vol.1」
この曲はμ'sとして初めてのラテン調の曲です。アコースティックギターが映える1曲になっています。この曲のBメロもPPPHで構成されています。
この曲は日本人にはあまり聴き馴染みのないラテン調の曲です。ラテン調の曲で日本最大のヒットといえば我らがポルノグラフィティの「サウダージ」、次に「アゲハ蝶」となります。
ポルノグラフィティの場合はラテン調の曲に日本語の詩をつけてバンド演奏でJ-POPの文化に取り込もうとしました。
μ'sのこの曲は、ラテン調の曲でありながらBメロにPPPHを仕込むことによって、J-POPとして日本人の聴き馴染みのあり曲に仕上げました。
これはある意味革命と言えるでしょう。J-POPの要素の中にラテン調を取り込む方法としてPPPHを用いたのです。
PPPHは日本人に聴き馴染みがあることを逆説的に利用した曲ということで、またえりちがセンターということで、ヘキサは名曲だと考えています。
ダンスがダサかったのが玉に瑕ですね。
久保田利伸「LA・LA・LA LOVE SONG」
日本にまだまだブラックミュージックが浸透していなかった時代、ブラックミュージックの日本人の草分け的存在として久保田利伸が挙げられます。
そして、この曲はブラックミュージックの要素を詰めたリズミカルでダンサブルな曲でありながら、BメロでPPPHが使用されています。
この曲はBメロにPPPHを使うことで、ブラックミュージックの要素のあるダンサブルな曲を日本人に馴染みやすくノリやすくしているという効果があります。もちろん、Bメロの部分ではダンサブルな感じは少ないですが、それで緩急付いて非常に日本人向けに効果的な使い方になっています。
もちろん、この曲のこれが全てではないですが、この曲が日本のブラックミュージックという文化の一端を担っているのは間違いないでしょう。
おわりに
ここまでPPPHが使われている曲を中心に据えて見てきました。
よく音楽の評論などで、Aメロやサビは面白いのにBメロにPPPHが使われているからつまらないという言い方をしているものがいくつか見受けられます。
もちろん、そのような曲があることも否めないし、曲の価値判断はその人自身の感覚なので否定できませんが、PPPHも効果的に楽曲に取り入れることで、楽曲としての価値を高めている曲はたくさんあります。
また、日本人に馴染みがあり、ヘキサもPPPHが使われている曲に良い曲が多いなぁと思いますので、皆さんもPPPHを意識的に聞いてみたらどうでしょうか?
そしてみんなで一緒にPPPHコールを入れてライブを盛り上げたいですね。
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
(ヘキサ)